第一編(一番弟子、二番弟子)第二章〜明月楼、修行の日々〜
1-2-序〜師匠の術〜
師匠の服装が、いつもとは違う。ということに、少女は気が付いていた。
あのつやつやした白く長い髪を結い上げ、頭の上の方に金色の装飾で留めてある以外は、比較的質素である。とはいえ、貴族が着るようなきれいな服装だ。
黒と白の
兄妹は、
「師匠。今日から始まるのですね」
「はや~く。師匠の剣術、教えてくださいよ~」
「武器一つ一つに、利点と欠点がある」
「そのため、一つの武器だけ使用するのはあまりお勧めしない」
「複数の武器を使えるようになりなさい」
「その前に、我の術、
少女は、
「えっ、師匠の仙術は
「
「そなた達を助けたあの時、水術を使ったのは、敵が作った陣の中心部の場所を探るのに都合が良かったからだ」
「水は、ある形に合わせ
「闇が消滅した後に、奥のほうに巨大な青い円盤のようなものが見えただろう」
「それは、我の水術が反応した場所に、
「我や
「
「その割合は、そなた達に合わせ我が調整する」
兄妹は、首をかしげ、無言になる。
まだ、九つと八つの兄妹には難しいのだろう。
「まあ、わからなくともよい」
「後で順を追って説明する」
「今日は、ある場所に案内する」
「我についてこい」
「はーい」
兄妹は、
「ここって、神殿の中庭ですよね?」
「何もないじゃないですか~」
「まあ、見ておけ」
それが粉々になって消えると、地面に甲骨文字のようなものと五芒星が入り組んだ青く光る円盤が何枚も浮き出て回転する。
やがて、回転が止まると、円盤が消え、星空のような空間が現れる。
地面を見てみると、星空の空間と神殿の地面の石の境目ができている。
兄の方は、
青い星空の空間だけの世界である。
しばらく、進むと、遠くに門のようなものが見える。
「遠くに、門が見えるだろう?」
「あれは、天界の入り口だ」
「ひぃえ.....。僕たち死ぬんじゃ?」
「天界の門に入るわけではない。安心しろ」
すると、
しばらくすると、
木で装飾が施されており、その装飾との隙間があり、そこから、強烈な光が漏れ出ている。
光がさらに強くなり、何も見えなくなる。
しばらくすると、光が弱まり、見えるようになる。
そこには、下界の豪邸の庭ように池や木々が広がり、癒される空間である。
ただ、建物はまだ見えない。
「天界と下界の入り口付近にある、我の作った世界だ」
「ここを修行
すると、吹き抜けた舞台のようなものが現れた。
「そこにあぐらをかいて座るとよい」
兄妹はあぐらをかいて座る。
「何をするのですか~?」
「
「まず目をつむって」
師匠の言うように兄妹は、目をつむり、兄妹の視界は暗くなる。
「風が少し吹いているだろう」
「それに耳を澄ましなさい」
「そうだ」
「心を落ち着かせ...」
兄妹の視界は突然、光に包まれ、見たことがない景色が広がる。
金色の粉がこの空間を回り、その空間で兄妹は浮いているのだ。
「うわ。何ここ!?」
「めっちゃ...体が重く感じる...」
「そういえば、
横から、妹が、
「私は大丈夫だよ。お兄ちゃん」
「よかった~」
「
(えっ、初めて名前で呼ばれた...)
「ここは、我の内部にある気を具現化した所だ」
「ここでは、そなた達の心の声や考えていることが我に直接伝わる」
「よからぬことや、雑念を考えていれば、我は注意する」
「この場では、無心でいるように」
「よからぬことや、雑念を考えていれば、我がやりにくい」
「そのうえ、無理矢理やっても、そなた達の気を捻じ曲げてしまう」
(ってことは、私が、
(だめだめ、そんなこと考えちゃ)
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天界神書〜最強の神、弟子と共に世界を変える〜 桃 璃香 @tao-xiang
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