70:神格解放verリリーさん
───────《ステータス》───────
【種族】ツリードラゴン[聖獣]
【神格】武神[第12級]
レベル:145
神性:0[+20,424]
体力:156/199[+32]
魔力:182/182[+32]
膂力(x2):162[+27]
敏捷(x2):151[+22]
魔攻:163[+12]
魔防:171[+11]
【スキル】[スキルポイント:101]
・光合成Lv30
・耐火Lv60
・魔力変換(膂力)Lv30
・萌芽聖性Lv15
──────────────────────
ユスティアナさんは剣神だったけど、リリーさんは武神。
補正値として、神性が1000を超えたからだろう。
神格を獲得されているようでした。
(う、うおーっ!!)
まぁ、はい。
そりゃテンション爆上がりでした。
ということは、そうなのだ。
神格解放。
彼らも獲得出来るのだ。
俺ですら、インチキパワーによってそれなりに活躍出来たからね。
リリーさんにユスティアナさん。
彼らであればそりゃ、とんでもない活躍が期待出来るでしょうとも。
ただ、ユスティアナさんは現状ではスキルポイントはゼロ。
残念ながら獲得は無理だ。
だが、リリーさんは違う。
101ポイントと十二分の量がある。
───────《ログ》───────
・『候補』神格解放Lv1[必要:25ポイント]
──────────────────
無事にリストアップされまして、必要なポイントも俺と同じ。
よって、
───────《ステータス》───────
【種族】ツリードラゴン[聖獣]
【神格】武神[第12級]
レベル:145
神性:0[+20,424]
体力:156/199[+32]
魔力:182/182[+32]
膂力(x2):324[+27]
敏捷(x2):302[+22]
魔攻:163[+12]
魔防:171[+11]
【スキル】[スキルポイント:76]
・光合成Lv30
・耐火Lv60
・魔力変換(膂力)Lv30
・萌芽聖性Lv15
・神格解放Lv1
──────────────────────
早速獲得していただいたのでした。
「……きゅ?」
何か感じるところがあったのかな?
リリーさんは不思議そうに自らのお手々を眺めたりしていた。
そんなあの子に、俺は何度も頷き的な動作を送らせてもらう。
『そ、そうです!! いけます!! 神格解放出来るから!!』
この子も、俺のインチキパワーが神格解放なるスキルによって発揮されていることを知っているのだ。
なんか、ぴこん! って感じだった。
リリーさんは驚いたようにパッと目を丸くした。
そして、可愛らしいお手々で、何度も自らを指差した。
俺は今度も頷きだ。
そうです、そうです。
君には出来ます。
君こそが頼りでございます。
「……きゅーっ!」
よしっ! って感じかな?
リリーさんは意気揚々と駆け出しました。
ユスティアナさんの背を追うようにして、戦場に飛び込む。
小さな身体をして、化け物イカに対峙する。
───────《ログ》──────
・スキル『第一の
─────────────────
ログさんがそんなメッセージを送ってくれました。
で、一応詳細を確認しますと、
─《第一の仔にして守護者たらんとすると獣》─
・豊穣神の残滓を受け継ぎし獣は、その意思を欲するままに体現する。
───────────────────────
およそ想像通りでした。
フワっとした口当たりの、およそよく分からん感じですね。
ただ、俺の時も結局有用だったのだ。
だから今回も大丈夫……だよね?
きっとそうだよね?
しかし、実際どんな効果を持つスキルなのか?
俺が見守る中で、リリーさんの戦闘が開始される。
あの子はやはり強かった。
襲い来る触手の嵐もなんのその。
俊敏な動きでことごとくをかいくぐる。
そして、すかさずの反撃だ。
あるいは殴り、あるいは蹴りで触手を盛大に弾き飛ばす。
だが、これは今までの再現に過ぎないのだろう。
戦えてはいる。
一方で、有効打にはほど遠い。
「む、むきゅーっ!!」
んで、そんな鳴き声が聞こえてきたのでした。
もどかしいって、そんな感情のにじんだ不満の声だった。
すっげぇ気持ちは分かる。
能力では負けていないのに、しかし勝てないって妙な状況であるしね。
ただ……あの、スキルは?
スキル発動されてます?
多分、されてないよね。
これまた分かる。
俺も最初は使い方はさっぱり分からなかったし。
ただ、制限時間は俺と変わらずなのだ。
わずかに5分。
発揮していただかないと困るのですが、えーと?
どうにかなりそう?
『り、リリーさんっ!!』
俺が焦燥感から思わず叫ぶ中で、あの子は今度は「うきゅーっ!!」でした。
迫りくる触手に果敢に殴りかかる。
そして、
『へ?』
俺は唖然と呟くことになった。
何故と言って、結果がまったく違ったのだ。
リリーさんの一撃を受けて、触手は弾き飛ばされるだけでは終わらなかった。
ズシャッ!! なんて音が響いたのだった。
触手は半ばで千切れかけ、黒い泡を吹くようになっていた。
間違いない。
スキルによる効果だ。
その具体的なところを俺はすぐに理解することになった。
リリーさんは驚いたように自らのお手々を見つめていた。
そこにあるのは、いつもの可愛らしいお手々じゃない。
まぁ、ちょっと物騒なと言うか。
トゲトゲギザギザして、ワタシアナタコロス的な意思を感じざるを得ないものに
俺は思い返す。
ログさんのメッセージには、その意思を欲するままに体現するってあったよね?
あの子はきっと、化け物イカに有効なダメージを与えたいと願ったのだ。
弾いて終わりではなく、もっと深刻なダメージを与えたいと。
それが、あの変容に繋がったんじゃないかな?
賢明なあの子は色々と察したみたいだった。
あっ、なるほど。
そんな感じで、リリーさんは物騒なお手々をポンと一度合わせた。
そして……お、おおおっ!?
「……あら?」
その声は偽聖女さんのものだった。
退屈そうに観戦していた彼女だが、軽く目を丸くしている。
俺もまぁ、似たような感じだ。
な、なるほど。
これがリリーさんの欲するところなのね。
めっちゃ成長期でした。
メキメキ、ミシミシと音を立てて、リリーさんは見る間に形を変えていく。
大きく、そして険しく。
気がつけば、テディベアのようだったリリーさんの姿はどこにも無かった。
ど、ドラゴンだよなぁ。
大樹の巨龍。
リザードマンって感じなのかな?
4足の獣では無かった。
やや前傾ながらも、長大な尻尾でバランスをとりながらに2足で立っている感じか。
とにかく、巨大だ。
体格は化け物イカと比べても何ら
体高は20メートル近くあるはずで、体長は30、40は絶対あるよな。
その動きは、巨躯には似合わず驚くほどに素早かった。
片方の前腕が振り上げられる。
5本の鋭い指先が、瞬きの速さで化け物イカの胴体へと迫り……グシャ。
豆腐を崩す程度の
リリーさんの一撃は、無数の触手ごとに化け物イカの胴体を削ぎ落としていた。
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