2:種子生成

 俺にはステータスがあり、スキルがある。


 ──────《ステータス》───────

【種族】グリーンスライム


レベル:3

神性:0

体力:4/4

魔力:3/3

膂力:2

敏捷:2

魔攻:3

魔防:4


【スキル】[スキルポイント:4]

・光合成Lv1

 ────────────────────

 

 こんな感じでね、うん。

 正直、今までロクに意識はしてこなかった。

 最初は驚いたのだ。

 転生した当初、「俺って一体何者?」って思った時に、脳裏にこんなものが浮かび上がってきた時にはそうだった。


 この項目の意味は何か?

 スキルって何?

 光合成って、俺がそれをしてるってこと?

 ってか、Lv? 

 それが上がると何? ってか上がるの?


 みたいにまぁ、色々と思うことになった。

 ただ、本当それだけだ。

 孤独に生きる分には、ステータスやスキルを気にする必要はまったく無かったのだ。

 ただ、これからはそうはいかないかな?

 俺は脳裏の文字列にあらためて意識を向ける。


 ────────《ログ》────────

※スキルポイントが4あります

・『候補』種子生成Lv1[必要:1ポイント]

・『候補』土壌改良Lv1[必要:1ポイント]

 ────────────────────


 これは……うーむ。

 なんとなく理解は出来た。

 どうやら俺は、スキルポイントを消費して新しいスキルを獲得出来るらしい。

 で、このログが現れたのは俺の木や花が欲しいって思いに応えてくれたからか?

 力になってくれそうなスキルをリストアップしてくれた?


(こりゃまた便利な)


 ありがたい限りであった。

 ただ、一方で俺は首をかしげたくもなるのだった。

 じゃあ、前は?

 人を探してウン千里だかをこころざした時には、なんでスキルをリストアップしてくれなかったんだ?


 とりあえず念じてみる。

 我が前に、光のごときいずりを約束するスキルを提示して見せよ……! って、うん。

 ダメっぽい。

 ログとやらには何も変化は無し。

 これはアレか?

 俺はどんなスキルでも望めば獲得出来るってわけじゃない?

 獲得出来るスキルは限られたものであったりする?


 となると、ふーむ。

 

 もはや選べる道はこれしかないか。

 自ら人里を目指すことは諦めて、緑を生み育て人間をおびき寄せるしかないって。

 ってか、グリーンスライムに緑を生むとか出来るの?

 種子生成なんてかなり創造的って言うか、スライムごときがって気分に正直なるけど……まぁ、とにかく試してみようか。


 俺にはどうにもスキルポイントが4あるらしい。

 最初はゼロだった記憶があるけど、ふむ?

 俺自体のレベルは、確か最初は1だった。

 それが今は3。

 レベルが上がった結果、スキルポイントも得られたってそんな理解でオッケー?

 まぁ、なんでレベル上がってるの? って疑問はあるけど、そこは置いておくとするか。

 じゃあ、スキル獲得っと。


 ───────《ステータス》───────

【種族】グリーンスライム


レベル:3

神性:0

体力:4/4

魔力:3/3

膂力:2

敏捷:2

魔攻:3

魔防:4


【スキル】[スキルポイント:2]

・光合成Lv1

・種子生成Lv1

・土壌改良Lv1

 ────────────────────


 無事、スキルは獲得出来たらしかった。

 ただ、んー?

 で、何?

 獲得出来たのはいいけど、どうやって活かせば良いのやらって……おぉ?


───────《種子生成Lv1》───────

・体内にて指定の種子を生成する。また、生成する種子には特性を付与出来る。

・魔力消費。

・Lvの上昇により、生成出来る種子の種類が増加。

・Lvの上昇により、同時生成数が増加。

・Lvの上昇により、種子に付与出来る特性の数が増加する。また、特性の質が向上する。

──────────────────────


 正直言って、うん。長い。

 いや、ありがたいのだ。

 ただ、家電を買っても説明を読まないと言うか読めない派の俺にとってはなかなか辛いところがあると言うか。


 ということで早速実践に移るとしようか。


 生成どうぞよろしく。

 そう念じると、脳裏には色々な単語が生まれた。

 生成の候補らしいけど、えーと、ナズナ? ドクダミ? いわゆる雑草? 

 正直、パッとしないラインナップだった。

 ただ、薔薇ばらや松やらと念じてみても、脳裏によぎるものは無い。


・Lvの上昇により、生成出来る種子の種類が増加。


 まぁ、スキルの説明にあった通りってことか?

 現状では不可であると。

 じゃあ、どうやってスキルのレベルは上げるんだ? って話だけど、そこは今は置いておくかね。

 とにかく一度実践したかった。

 とりあえずドクダミか?

 なんかお茶になりそうな雰囲気だし、人間が来たら粗茶ですがって出せるかもだし。

 ともかく、ドクダミと念じてみる。

 すると、


 ───────《ドクダミ》────────

※特性を1つ付与することが出来ます。

 ─────────────────────

 

 脳裏にはこんな文字列が浮かんだ。

 特性って何?

 そう俺が不思議に思うと、応えるように脳裏にはその特性とやらが次々に浮かんできた。

 耐暑、繁殖力向上、光合成効率向上などなど。

 数え切れないほどにある感じだが、俺に迷う必要は特に無かった。


 ───────《ドクダミ》────────

・生育速度向上Lv1

 ─────────────────────


 あまり育つのに時間がかかると俺が孤独で死にかねないのである。

 おおいに期待だった。

 Lv1ではあるけど、是非とも一朝一夕で世代交代出来るほどの効果を発揮してもらいたいところだ。


 ともあれ、はい。

 生成よろしくと言うことで。

 もう慣れてきたけど、やはり脳裏に浮かぶものがあった。


 ────────《ログ》─────────

・ドクダミを生成中(所要:60分)

 ─────────────────────


 それなりに時間がかかるらしかった。

 となると、次かな次。

 俺が得たスキルはひとつではないのだ。

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