酒場の地下室で作戦会議
「ファルスくーん!」
朝っぱらから、俺の巣穴の扉を叩く音が響く。建て付けがよくないのだろう、少し叩かれただけで蝶番のところがガタガタいっている。
「来たよ! 昨日話した通り」
「今、行きます」
と声だけで返事をして、俺は自分のブーツを引き寄せて、ひっくり返す。どんなに急いでいても、中にサソリがいないか確認するのだけは、絶対に必要だ。
扉を開けて、玄関口へと飛び出していく。すぐ後ろから、ノーラも小走りになってやってきた。
「おはようございます。わざわざ済みません」
俺はガッシュに頭を下げた。
リザードマンの棲み処を訪ねたのがつい昨日のこと。ビルムラールを連れて早朝に出発し、悪さをしたガキをシメるアナクと交渉、まだ午前中にワームを一匹毒殺。それから昼前には地下八階まで潜り、長老のアルマスニンらと話し合った。結局、地上に戻ったのは夕方遅く。
予想した通り、挺身隊の召集命令の件で、ガッシュは俺達のことを気にかけてくれていたらしい。昼前に一度、この宿の前までやってきていた。言伝を頼まれたコーザのおかげで、こうして翌朝、顔を合わせることができたのだ。
「あぁ、いいってことさ」
だが、あからさまに彼の表情には暗いものがあった。口元だけで微笑んでみせるも、すぐ俯いてしまう。
「どうかなさったんですか」
「ああ、まぁ、これはお前らとは関係……」
「あんぎゃあぁっ!」
後ろから悲鳴が聞こえてきた。
またか。
溜息をつきながら振り返ると、そこには出入口に頭をぶっつけたビルムラールが立っていた。かなり勢いよく衝突したらしく、額を両手で押さえて体をくの字に曲げている。
「紹介します。こちら、ビルムラール・シェフリさん」
しかし、当の本人は痛みに悶えていて、反応できない。
「ビルムラールさん、こちら、ガッシュ・ウォーさんですよ」
少し大きな声で言うと、彼は体を引きずりながらこっちにやってきて、涙目ながらも頭を下げた。
「どうも、ご紹介に、あずかり……いったたた」
「だ、大丈夫ですか」
「きっ、傷薬、傷薬」
懐の巾着から軟膏を取り出すと、彼は手慣れた手つきで自分の額に塗り付けた。
「……お医者さんです」
「あっ、ああ」
体を張った実演と自己紹介か? そんな、なんとも言えないシチュエーションに、ガッシュの顔にも引き攣った笑顔が浮かんだ。
「ガッシュさん、いきなりで申し訳ないんですが」
「おう、どうした」
「落ち着いて話せる場所はありませんか。あまり知らない人に聞かれたくない話題なんですが」
「いつもの店じゃダメか。オヤジに頼んで、地下室を借りる」
なら、構わないか。即座に判断して、俺は頷いた。
「じゃあ、そちらで。食事をしながらお話しましょう……コーザさん」
「あ、なに?」
「もしお暇なら、一緒にいらしていただけますか」
これは、彼の生存にもかかわる話だろうから。
きっとここだけの縁、二度と会わないし、接点もないし、その必要もない相手ではあるけれども、目の前にいるのにただ見殺しにするのも寝覚めが悪い。
「えっ? で、でも」
「もちろんオゴリですよ」
「や、やったぁ!」
やれやれ、と俺は苦笑した。
それから一時間後……
「なるほどな」
蝋燭の薄暗い光の中、軽食を済ませた俺達は、やっと本題を切り出した。
「二十三日までにパーティーを組んで申請しないと、ギルドが挺身隊に報告するので、そこで勝手に班割りがされてしまいます」
「で、そいつは困ると」
「はい。僕らは纏まって行動しなければいけません。さっきも話した通り、なぜかキブラのすぐ横にオルファスカがいました。まだ狙いははっきりとはしませんが」
ろくなことを考えてはいまい。
「コーザから、自殺した挺身隊員の遺書を回収しています。ただ、それだけで帝都が大騒ぎするとは思えないんですが」
オルファスカが今回の攻撃計画の管理側に立たせてもらえたのは、どう考えてもキブラを脅迫したからだ。しかし、帝都はそもそも、コーザのような青年達を棄民のように扱っているふしがある。遺書一つで世論が動くとも思えない。
「あれじゃねぇか?」
ところが、ガッシュには心当たりがあったらしい。
「なんですか?」
「こいつは俺もごく最近、詳しく知ったんだけどな」
ドミネール達のことだ。
今はドゥミェコン全域が臨戦体制になっているのだが、その前はというと、なんと既に準臨戦体制が宣言されていたらしい。浅い階層まで魔物に攻め込まれていて、人間側は防戦一方である……という話になっていたというのだ。
よって熟練の冒険者が最前線に拠点を設け、夜間も休まず警戒を続けるべし、というギルドの命令が下っていた。危険な迷宮内部に張り付くことを要求するので、特別手当も出ていた。それが一人頭、最低金貨十枚から。これが一晩の稼ぎだ。
実際には、連中はただ、あの快適な詰所に閉じこもって酒を飲み、博打に興じ、売春婦まで連れ込んで、好き勝手に遊んでいただけだ。そうして夜は遊んでから眠って、外に出てきたらもう朝だ。迷宮の前でダベりつつカモを探し、見つからなければまた、そのまま昼間から酒を飲んでいた。
「これで辻褄が合いましたね」
俺が迷宮の中に入ってサソリを乱獲したとき、どうして彼があんなに怒り狂ったのか。そしてまた、俺がわざわざ頭を下げて、手下になるから迷宮の探索をさせてくれと頼んだあの時にも、なぜ拒絶したのか。割が合わないと言っていた。準臨戦体制で、迷宮の奥に攻め込むのがそもそも難しいという建前をぶち壊されてしまうからだ。
ドゥミェコンに流れ着いたオルファスカ達は、ドミネールに接近した。しかし、あまりに粗暴な男だったので、色仕掛けだけではどうにもならず、甘い汁を吸えていなかった。多分、その過程でドミネールとギルドの癒着にも気付いた。証拠も手にしたのかもしれない。ただ、その時点では無意味なカードだった。
そこへ俺達がやってきた。自然、こちらに注目を向ける。そして運よくコーザの手紙を手に入れた。
この街の内側での出来事である限り、ドミネールにとって、自分達のしている不正行為を知られることなど、大したダメージにはならない。だからなんだ、誰が迷惑するんだと開き直ればいい。こんな世界の辺境のことなど、誰も真面目に考えてなんかいない。
キブラにとっては、隊員の自殺はちょっとした傷になるだろう。しかし、もともとが危険な場所、苦労の多い任務に就いた上でのことだ。隊員が悩み苦しむのも当然。迷宮の中で魔物と戦ったって死人は出るのだし、その犠牲についていちいち彼女が謝罪しなければならないなんて話にはなるまい。だから、なるべく情報統制はするが、遺書の一つくらい、帝都に届いたって問題なかった。だいたい何百人もいれば、一人や二人は自殺くらいする。
しかし、ドミネールの不正と癒着が、遺書とセットで告発されたらどうなるか。帝都の市民の血税を浪費しながら、若者を死に追いやっているなんて、最低最悪の絵図だ。
「魔王と戦うために迷宮に挑んだ若者が、労苦に負けて死んでいくのは許されても、現地の利権に振り回されて無駄死にしていくと伝わったら」
「だから、状況をごまかす必要が出てきたってか」
準臨戦体制から、もっと深刻な臨戦体制を宣言する。多くの若者を迷宮の奥に送り込み、戦いの末に死なせたとしても、キブラは罪には問われまい。帝都が掲げる正義のため、大勢の勇士の犠牲の上に、また「前線」を取り戻す。むしろ功績になりさえする。
但し、その後のヌシがまたドミネール達になるとは考えにくい。
「むしろ、もののついでにドミネールを排除しようと、キブラなら考えるはずです。任期一年の団長と違って、奴はもう、十年近くもここに居座っている。いろいろ知っていて、手ぶらで着任しても、なんでも片付けてくれるのは便利ですが、そろそろ目障りになってくる頃でしょうから」
「でもファルス」
ノーラが浮かない顔で尋ねる。
「あのオルファスカがドミネールの代わりになりたがるかしら」
「どちらかというと、ベルだろうね」
ボスになるというのは、案外面倒なものだ。フリュミー家の妻になりたがったところからしてもわかるが、彼女は根本的には怠惰で、他力本願なところがある。第一、辺境の迷宮の裏番長なんて、そんな冴えない地位にしがみつきたいなんて、到底思えないだろう。
恐らく、その辺の果実はベルにでもくれてやり、自分は名声を得ようとしているのだろう。そしてその名誉でもって、今度こそ有利な結婚を実現する。そんなところじゃなかろうか。
「そうなると、邪魔な連中がいるわけだ」
「厄介だわ。だってそうでしょ、班割りも、迷宮に入る順番も、全部挺身隊が仕切ってるんだから」
計画を決めるのはキブラの権限、つまりオルファスカの匙加減次第だ。
彼女はまず、何より優先してドミネール一派を殺害しなくてはいけない。これはキブラとしても、同じ立場だ。脅迫のネタになってしまうような増長しすぎた連中なのだから、そろそろ消してしまいたい。
一方、ドミネール達も、オルファスカを殺そうとするはずだ。自分達に擦り寄ってきたかと思えば、期待するほどの利益がないとわかってすぐに裏切った連中だ。ここのボスとして、見過ごすわけにはいかないだろう。
そして、どう転んでも俺達は単独行動すべきでない。オルファスカにしても、ドミネールにしても、俺やノーラは最優先の目標ではないが、できれば消してしまいたい相手だ。ついでにコーザも。
「どっ、どうしてさ! か、関係ないだろ?」
テーブルに縋りつくようにしていたコーザが、冷や汗をかきながら訴えた。
「あります。だって、まずコーザさんがあの手紙を持っていたんだし、僕らもそのことを知っている。ついでに言えば、オルファスカの正体も知っているし、ドミネールからすれば、連中に付け込まれるきっかけを作った張本人ってことになるんですし」
「そ、そんな」
魔物だけでなく、人間からも狙われる。そう宣言されて、彼はテーブルに突っ伏してしまった。
「でも、多分、それだけでは済まないかと」
「なに?」
「キブラが黙って脅されたままでいると思いますか」
彼女にとっては、自分を脅すオルファスカ達すら邪魔者だ。どうせならもっと大人しい、自分に従順な手駒をここのヌシにしたい。だから多分、ドミネールを始末した後は、一転してオルファスカ達をも片付けようとするのではないか。
「だから、ガッシュさん、僕らには絶対に五人以上の仲間が必要なんです。バラバラにされたら、一人ずつ殺されかねない。僕はよくても」
「よくないわ」
「なんだかとんでもない話に巻き込まれてしまったようなんですが」
ビルムラールは、唇を引き結んで、低い声でそう呟いた。
「要するに、今月末には、迷宮の中で……魔物だけでなく、人間からも襲われる、と」
「そうですね。誰が誰を殺すかもわからない、とんでもない混乱が起きるんじゃないかと」
「はぁ……」
彼も頬杖をついて、溜息を漏らした。
「ついてないですね……せっかく厄介ごとから逃げてきたというのに」
「訳ありの方だろうなとは思っていましたが、この際ですからお伺いしてもよろしいですか?」
「大したお話ではありませんよ」
背筋を伸ばして、彼は出自について述べた。
「私は、ポロルカ王国の、そうですね、西方大陸の方々に分かりやすく言うとですが、貴族階級出身です」
「そんな感じはしてましたが」
「ただ、父が誣告を受けまして、家が取り潰されてしまったのです」
貴族階級、という表現は、ただ、あまり正確ではないようだ。
ビルムラールの父は、宮廷人のようなものだった。領地をもたず、王宮から給与をもらって働く。但し、代々世襲の仕事があり、それが知に関する領域全般にかかわるものだった。シェフリ家を含む特定の家系の男子は、医術と魔術、その他歴史の知識など、幅広く学ぶことを要求される。そして役目を果たせるようになると、王の側近を務める。
彼らは王の着衣に喩えられる。魔術で王を守るほか、医術で王の健康を保つ。そして王が知識を必要としたとき、即座に提供することも役目の一つとされている。一方で、大臣とか領主といった地位につくことはできないし、そうした権力者のところに就職することもできない。ついでにいうと、婚姻を結ぶ相手にも制限がかかる。
生まれながらの王の親衛隊。そういう立場だったのだ。しかし、だからこそ王を裏切ることが容易い立場でもあり、疑いがかかった場合、厳しく追及される。この疑いは、真実である必要すらない。たとえ誣告であったとしても、疑惑が向けられること自体が罪深い、または不徳の至りとみなされる。
「で、権力闘争なんてガラではないので、留学を口実に逃げ出してきたのですが……」
「もっと危ない場所に巻き込まれてしまったと。気の毒ですが、ここは頑張るしかないですね」
いずれにせよ、彼を手放すつもりなどない。事情を知った限りでは、彼がここで俺達を裏切る必然性がないからだ。
「多分、挺身隊員にも大勢の犠牲者が出ると思います。正直、僕には関係ないんですが……それでも、死人を減らすのに役立つ手は、一応用意しました。あとで説明しますが」
「ふーん……で、相談したいことっていうのは、それだけか」
「いいえ」
ここからが本題だ。
「ガッシュさん、ここで信用できる人は少ないです。僕らのパーティーに加わっていただけませんか?」
提案を受けて、彼は顔をあげた。その表情は、曇り空のようにいまいちパッとしないものだった。
「あー」
ガリガリと頭を掻きながら、彼は深い溜息をついた。
「なるほどな。けど、どっちにしても一人足りねぇだろ」
「ぼっ、僕は?」
コーザが身を乗り出す。
「済みませんが、コーザさんは無理です」
「なんで!」
「挺身隊員でしょう? もう、班割りは済んでいるかと」
「そうだった」
それで彼はまた、頭を抱えて突っ伏してしまった。
「コーザさんには、これをあげます」
「なにこれ」
差し出されたのは二枚の紙。片方にはサハリア語で大きく『捕虜』と書いてある。そしてもう片方には、地下迷宮の地図が簡単に描かれていた。
「突入命令が下ったら、隙を見て、大急ぎで地下六階を目指してください。地図の通りに……そこのバツ印がついているところに、リザードマンの群れがいます」
「ひえっ! じゃ、近寄らないほうが」
「いいえ。もし彼らに出会ったら、この紙を見せてください。それでもし、彼らが同じように紙を見せてきたら、そこに書いてあることに従ってください。そうすれば殺されません」
「ほ、本当に?」
しかし、コーザだけ助かっても意味は薄い。
「ここからが大事なお話ですが、信用できる挺身隊の仲間にだけ、これの写しを渡してください。但し、絶対に上の人には知られないように……キブラやオルファスカには、間違っても見つけられないようにしないといけません」
本当はもう、いっそ全員、トカゲに降伏でもいいと思う。
しかし、そこまで人を信用することもできない。情報が洩れるほうがずっとまずい。だから、助けられない人が出てくるのも、ある程度は許容せざるを得ない。
「う、うん」
「売春婦にうっかり見せるのもナシですよ」
「わぁぁあ!」
「恥ずかしがってる場合ですか。いいですか、もし間違ったら、あなたのせいで助かるはずの命が何十人も失われるんですからね」
責任の重さに、コーザは絶句した。
そこで俺は話題を元に戻す。
「で、キジルモク氏族、でしたっけ? 今の黒の鉄鎖のほうからは、今回の召集命令は何か」
「ああ、希望者を中心に、いくらか人員を提供はするらしいがな」
「であれば、ガッシュさんが単独でこちらに手を貸していただければ」
「そうしてやりたいのはやまやまなんだがな」
難しい、か。
立場としては、サラリーマンなのだから。
「行けるとしても、よっぽどの理由がなきゃ、傭兵同士で組まされるんじゃないか。基本的にはこっちは迷宮に突入する側じゃなくて、街の警備をすることになる」
「警備? 何から街を守るんですか?」
「違う。召集命令を無視して逃げ出す奴をとっ捕まえるんだよ」
「ああ」
くだらない仕事だ。
そのくだらない仕事に、恐らくこの街でも最強の戦力を割り当てるあたり、救いがない。
「だいたいファルス、お前はタンディラール王の腕輪なんかつけてるだろ。そんなのと一緒に組みたいから一人で行かせてくれ、なんて言ったら、どうなると思う」
「それもそうなんですよね」
ノーラが口を挟んだ。
「ガッシュさん、やっぱりこちらで就職しませんか。今の倍の給与をリンガ商会で出すということであれば」
「うーん、そうなるか」
「はい。どうせ自由に活動できないのなら、どこにいても同じじゃないですか」
「あー」
テーブルに肘をつき、頭を抱え込んだ格好で、ガッシュは葛藤していた。
「何がご不満ですか」
「いや、ノーラちゃんの言うことはわかるんだ。別に傭兵やりたいわけじゃないし、金も今より貰えるっていうんなら、断るほうがおかしい。ただ、自分で道を拓きたくて冒険者やってんのに、結局、人に頼るのかっていう……ま、男の意地ってやつだ」
「気持ちはわかりますが、僕らとしても、生き死にに関わるんです。カッコ悪いのはガッシュさんじゃなくて、僕なんですよ」
「うー、やりかけの仕事を放りだすのも気分悪ぃなぁ……けど、もうやめちまうか」
今度は椅子の背凭れに身を投げ出し、腕組みして彼は言った。
「実は結構、圧力かけられててな。やめ頃っちゃあやめ頃ではあったんだ」
「と言いますと」
「例の、ほら、勧誘?」
「ああ」
憤懣やるかたなし、といった風情で、彼はまた、長い長い溜息をついた。
「カース・イナージャっつう奴なんだが、知ってるか」
「いいえ」
聞いたこともない名前だが、そんなに有名な傭兵なんだろうか?
「俺の前にもう、十人くらい説得しててさ。全員、しくじってんだ。んで、俺にお鉢が回ってきたんだが、もうボロクソでな。上の人間も言うことが言うことで……お前の代わりなんかいくらでもいる、命を捨ててでも説得してこい、お前を何人集めても奴一人には及ばん、とかなんとか」
「うわぁ」
「んで、あっちもあっちだ。俺が土下座してまで話を聞いてくれっつってんのに、奴ときたらもう……二度と傭兵なんかやらねぇ、きったねぇツラ見せんな、とか言って……しまいにゃ、飼ってる鳥をけしかけてきやがるし」
「げぇぇ」
「ハゲちまうぜ、こんなの続いたら……さすがにやる気なくなる」
パワハラが横行する現場か。なんだかちょっぴり前世を思い出す。
「じゃ、こうしましょう」
誰もが納得するゴールは、きっとこれだ。
「一緒にその偏屈者? その人のところに行きませんか」
「行ってどうするんだ」
「僕らも説得してみます。で、もしうまくいったら、ガッシュさんは円満退職できますよね。やることはやったぞ、って」
「ま、まぁな」
「ダメならダメで、投げちゃいましょう」
ただ、それでも俺の方の問題は解決しないが。
あと一人、どこから調達しようか。
「行きましょう。やるだけやって、スッキリしましょうよ」
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