屋内庭園にて

「では、彼の武勇は本物だったのですね」

「それはもう、私が保証しますとも。逆賊どもの中に一人斬り込み、一太刀浴びせたその様子は、大勢が目の当たりにしていますから」


 居心地が悪い。

 世の中には、褒め言葉を素直に受け取れる人もいるらしい。むしろ賞賛という賞賛を掻き集めなくては気持ちが休まらない人種だって存在する。それに比べると俺は……


「一見すると、美しい顔立ちの少年にしか見えないのに、なんとも勇ましいことで」

「いえ、そんな……僕は、手柄だと思っていませんし」

「これはこれは、既に謙譲の徳まで身につけつつありますか」


 ……謙虚、というのとは違う。

 あちこちから注目されたり、あれこれ期待される立場になるのがいやなだけ。俺でなくても、たくさんいると思う。有名にはなりたくないが、金だけは欲しい、かえってその方がいいという。実利さえあれば、虚名はいらないのだ。


「しかし、何より素晴らしいのは、その向学心ですよ」

「いや、まったくおっしゃる通りで、だから私もこうして年の差も弁えず、傍にいてもらっているのです」


 ドーミル師の自宅を訪問して二日。俺はまた、男爵に伴われて、別のお宅を訪問している。

 今回、顔を出したのは旧貴族のシスティン家だ。


 さすがに貴族の邸宅というだけあって、表の庭はともかく、家の中は素晴らしいの一語に尽きた。

 この、客を迎えるための広間。足下は白とオレンジ色の石が詰め込まれている。壁の柱も上品なクリーム色。ドーム状の天井は、骨格部分を除けば、すべてガラス製だ。

 足下には絨毯すらないが、それは不要だからに過ぎない。底冷えどころか、温もりが下からじんわりと伝わってくる。要するに、オンドルだ。煙を通しているのか、お湯を流し込んでいるのかは知らないが。

 この温室、そして日当たりのよさがあればこそなのだろう。潤いに乏しいセリパシアにあって、ここでは室内に花壇が設えられている。陶器製で、ちょうど椅子と同じくらいの高さに作られたそれらの上には、色とりどりの花々が咲いていた。大輪の花こそないものの、香りが強く、胸がすっとする。


「陛下の覚えもめでたいとか」

「私も末席にて居合わせましたが、それはもう、謁見の間に居並ぶ貴族全員の前で宣言なさいましたからね。『王国を支える要石となる』と」

「それは頼もしい」


 目の前で俺を褒めちぎっているのは、システィン家の家長であるトリエリクだ。四十前のルイン人で、広い額と細い目、ホームベース型の顔をした男だった。例によって大柄ではあり、太っているのでもないが、鍛えぬいた体とは程遠い。


「いやぁ、リック様が羨ましいですな。私などは、トーリアから出ることもほぼないもので、こういう前途ある若者と出会う機会がなかなかないのです」


 家長、とは言うものの。彼の職業を一言で表現すると『ニート』となる。

 彼に限らず、旧貴族の家長の仕事は、ニートなのだ。


 旧貴族は、教会に協力して領地を差し出した。その見返りに、年金を得る権利がある。あと、爵位を名乗ることも許される。なので彼にもノベリク子爵という称号がある。

 だがそれ以外、何もない。この国で公職につけるのは聖職者のみ。文官はもちろんのこと、武官でさえ、半聖職者である神殿騎士に占められている。よって、地位と権力を得るには、教会組織に参加するしかない。

 この国での権力は、教会の定める位階によっている。だからといって、家長が司祭になってしまうと、当然に家が絶える。ということで、次男以下の使い道が出てくる。よくあるのが、次男は神殿騎士、三男以下は司祭になる、というパターンだ。なにしろ、一度聖職者になると、還俗がなかなか難しい。次男は長男の一家に何かあった時のスペアなので、後戻りできない役職につけたくはない。

 実家の権力は、こうした次男、三男の働きによって保たれる。長男の仕事は、普通に結婚して子孫を残すことなのだ。教会を利用しても利用されたくない旧貴族は、実家の治外法権を保つためにも、家長を公職から遠ざける。

 こういう事情があるので、旧貴族の兄弟は、下になればなるほど偉くなる。


 では、長男はバカでも務まるのか? そうともいえるし、そうでないともいえる。

 ニート同然の彼らにも、仕事がある。要はタリフ・オリムのパダールと同じだ。表の仕事は子供や弟達に任せて、自分は裏であちこちとコネを持つ。そうやって公職に就く弟達の力になる。


「有望な若者なら、セリパシアにも大勢いらっしゃるでしょう? そういえば、トリエリク様にも」

「ああ、次男と長女がおりますよ。ですが、ファルス君ほどでは」

「確かご長男は、帝都に留学されていると」

「ええ。あちらで励んでおればよいのですが……」


 そういって彼は苦笑した。


 実のところ、勉学などは二の次だ。大事なのはコネ。長男に求められるのは、それだけ。

 帝都の学院には、世界各地から、有力者の子弟が集まる。そこで後々まで続く友情……という名の縁故を作ること。これが目的となる。成人して帰国してから、手紙に贈り物で関係を維持し、公人となった弟達の人脈に仕立て上げる。


「弟のほうも、一人暮らしさせておりますがね」

「では、寄宿舎に」

「今のうちから鍛えておかないと、後が苦しいでしょう」

「確かに……南の国境を守る勇士になるのですから」


 現在、十三歳の次男は、聖都の神学校で勉学に励んでいる。二年後に卒業するが、帝都には留学しない。司祭になる資格を取得するのが望ましいが、もしそこまでいっても聖職者にはならない。神殿騎士団の見習いになるからだ。だいたい三年ほどしごかれると、教会から指輪をもらう。下っ端騎士になるわけだ。しかし、一人の騎士に何十人かの歩兵がつくので、最下層からのスタートではない。二十歳前にして、いきなり士官だ。


「問題は娘のほうでしてな……」

「おや? 何か問題でも」

「いや、お恥ずかしいお話ですが、今後をどうするものかと」

「兄二人の後の娘とくれば、理想的ではありませんか」


 彼の悩みは理解できる。

 長男が血筋を引き受け、次男が公職に就く。では、三人目は? 娘だったので、選択肢が増える。


 一つ、司祭にする。セリパス教では、男女の区別が厳しい割に、身分上の性差別があまりない。特に、世界統一後はその傾向が顕著だ。それに、かつての宗教上の最高指導者は聖女、つまり女だった。今は男が教皇を務めているが、歴史上、女教皇も何人かいた。能力さえあればだが、女司祭になって実家を支えさせるというのも、現実的な選択肢だ。

 二つ、他家への嫁にする。他の旧貴族との血縁で実家を守る作戦だ。娘の能力が低く、教会で出世できそうにない場合には、こちらを取る。だが……


「いや、いっそ外国にと思わないでもなくて」

「外国!? それはまた、なぜですか」

「どうにも資質に恵まれませんので……」

「ああ」


 ……どちらも選べないとなると、途端に道が閉ざされる。

 頭が悪くては司祭になれないし、器量がよくないとか、健康面で不安があるとかだと、旧貴族の妻にはなれない。そして何より、気性に問題がある場合には、どちらも務まらない。


「ですが、娘さんはまだ九歳でしょう?」

「ええ」

「来年になってやっと入学ですし、その辺を心配するには、少し早い気がするのですが」

「だから心配なのです」


 つまり、能力や外見の問題ではないということだ。具体的には、気が強くて、性欲も旺盛な女だとよくない。

 セリパス教圏で理想とされるのは、清楚可憐な美少女だ。物静かで控えめな態度と、穢れなき貞節とが求められる。この国では、粗暴で淫らな女の居場所などないのだ。


「見た目だけは悪くないのですが、聖都で暮らすには少々」

「いやいや、さすがに気が早くはありませんか」

「家内もそういう意見で、まぁ、特別に頼みこんで、今は良い師をつけておりますがね」


 トリエリクの視線が、こちらに向けられた。


「っと、ファルス君、申し訳ないね」

「えっ? いえ」

「気付いたらこちらの話ばかりで……ただ、その、これから閣下と少々お話があってね」

「承知しました」

「話が早くて助かる。少しだけ、お待ちいただけるかね……これ、誰か。ファルス君を庭に案内せよ」


 男爵との密談をしたいらしい。俺も逆らわず、一礼するとその場を去った。

 しかし、庭? あの、くすんだ色の木々が生えているだけの、寒々しい庭に?

 いったいどういう……


 ……温かい紅茶を供すると、男性の使用人は一礼して背を向けた。

 俺は頭上を見上げる。

 さすがに呆れた。この素晴らしい屋内庭園ときたら。


 さっきの客間も美しかったが、あれは応接スペースということで、特別な贅沢だと思っていたのだ。ところが、ここはどうだ。

 敷地の東側全体、南北に細長く、ガラス張りの天井が連なっている。足下も相変わらず暖かい。そこここに花壇があり、季節外れの花を咲かせている。足元のほとんどは煉瓦だ。黄土色の柱があちこちに突き立っている他は、視界を遮るものもなかった。藤棚もあれば、ガゼボまである。

 この常春の空間を維持するのに、どれくらいコストがかかっているのか。金はあるところにはあるものだが、聖都に至るまでに見てきた貧しい農民の生活を思い返すと、別世界の観がある。


 でも、だからか。

 セリパス教圏では、清貧もまた重要な徳目の一つだ。だからこそ聖都では、どの貴人の家も、外壁は灰白色の真四角で、入ってすぐの庭も、陰気な印象しか与えない貧相な代物になっている。

 だが、金があるなら贅沢したいのは当然のこと。だからプライベートな空間は、これでもかというくらいにこだわり抜く。この規模の温室だ。相当なランニングコストがかかっているだろうに。


 このシスティン家を訪問したのは、男爵の厚意からだった。少しでも俺が目的に近付けるよう、またそうならなくても、後々俺がフォレスティアに戻ってから、何かと有利に動けるようにと、気を配ってくれたのだ。

 一方、トリエリクのほうも、話題の少年騎士の姿を見たかったらしい。あの様子からすると、俺は好感を持たれたようだ。悪いことではない。システィン家出身の枢機卿もいるという。ただ、これがすぐに聖女の廟堂に立ち入る許可に繋がるかというと、どうもそんな気はしないが。


 実のところ、こんなところで寛いでいる場合ではないのだ。


 あと半月で聖都を追い出されるのに、まるで進展がない。困った。

 こうなると、強行突破か、諦めるか、いっそ男爵に頼ってもっと滞在期間を延ばすか。どれも一長一短だ。ただ、これ以上、彼に動いてもらうとなると、俺もそれなりのお返しをしなければならなくなる。


 お茶を飲み、俺は席を立つ。

 温かみのある木のテーブル、野趣溢れる切り株のような椅子。これはこれで居心地がいいのだが、庭は縦に長いのだ。

 焦って煮詰まっていてもしょうがない。それに聖都でこの景観は貴重だ。気分転換のためにも、せっかくだから、見て歩こう。


 オレンジ色のタイル、その床を丸く囲う木のベンチ、更にその背中を覆う形に組まれた花壇。

 紫色の花が垂れ下がる藤棚。

 大剣を手にした雄々しい戦士の彫像。

 真っ赤な粒のような実と濃緑色の葉をつけた低木、そのすぐ足下に居並ぶ陶器の人形達。


 目を楽しませながら歩いていたところで、ふと、話し声に気付いた。

 咄嗟に物陰に身を隠し、聞き耳を立てる。


「……けれども、お父様もお母様も、おっしゃいました。ソフィアはいけない子なのだと」

「私はそのようには思いません」


 少女の涙声。その傷だらけの心を優しく包むかのような、温かい声色。姿が見えていないが、年老いた男のものだろう。


「私は、喜んでいただけるのが嬉しかったのです。先生のお弟子さんだった方なら、きっと素敵な方だろうと」

「ええ、クララは私などよりずっと賢い子です。間違いありませんよ」

「でも、悪い人だって」


 クララ?

 悪い人で、クララといえば。背徳的な詩をものした彼女しか、思い浮かばない。


「悪い人に触れたら、私も悪い人になってしまうんだって……」


 いったい誰だ?

 俺はそっと彫像の脇から盗み見た。


 ガゼボに据え付けられた椅子に、一人の老人が座っている。顔は温和そのものでありつつ、そこにたるんだ空気はない。春の野山の中を横切る清流のような印象がある。やや太目の白い眉の下、輝く目には知性が宿っていた。

 しかし、何より目立ったのは。緋色の僧衣に僧帽。彼は枢機卿だ。


 その真向かいで悲しみを訴えているのは、俺よりちょっと年下の少女だった。もちろんルイン人だ。真っ白な服を身につけているが、素人目にもかなり上等なものとわかる。ということは、これがトリエリクの娘なのだろう。

 まだ九歳という年齢もあり、また旧貴族の邸宅の敷地内で暮らしている事情もあって、彼女はあまり戒律を厳しく守っていないようだった。金色の髪は長く伸ばされ、腰に届こうとしている。

 それにしても、トリエリクは娘の使い道に困っていた。しかし、この先、成長するにしたがってどう変化していくかはわからないが、少なくとも現在、容姿に問題があるようには見えない。むしろ、将来の美貌に期待できさえするほどだ。

 とすれば、やはり素行が問題なのか? しかし、真面目そうに見えるのだが……


「ソフィア様、あなたの好奇心はとても素晴らしいものです」


 年老いた枢機卿は、静かに言って聞かせた。


「面白いと思ったなら、それがどんなことであっても、気にせずまっすぐ歩けばいいのです。本当に危なくなったら、大人が止めます。心配しなくていいのですよ」

「でも、でも! 先生、罪は? 私はいけない子です」

「あなたはただ、それを見ただけです。誰かを傷つけましたか。誰かを裏切りましたか」

「人は正しいことしかしてはいけない。穢れてはいけない。お母様にも、前の先生にも言われました。でも、私は……」


 彼女は、過去の自分を思い浮かべ、項垂れた。


「もう、間違えてしまいました」

「そうですか。では、やり直せばいいのです」

「もう、もう駄目です。私は……」


 俯いたまま、絶望の言葉を後から後からこぼす彼女の頭上に、影が差した。


 大きな手が、優しく彼女を撫でたのだ。


「……えっ?」


 ソフィアは、目を丸くした。

 彼女の驚きに、老人は微笑を返した。


「せ、先生? これは」

「これはいけないことですか」


 返事はなかった。


「私も間違えましたね」


 そういって、老人は白い歯を見せた。


 彼女の中では、論理と感情がぶつかり合っているのだろう。

 単純に言って、男性が女性に触れるのは、罪悪だ。彼に性的な意識はないとしても。ただ、ここは貴族の領地に相当する場所なので、教会法の支配が及ばない。よって老人は、この一件をもって罪に問われることはない。それでも道徳上、不潔な行為である点には、違いがない。

 理屈ではそうなのだが、ソフィアはその手を振り払うことができなかった。優しく触れる手は、暖かかった。それは善意と愛情に満ち溢れていた。


 手をそっと離すと、老人は言った。


「ソフィア様、あなたは並外れて努力家です。その幼さで古代ルイン語をよく学ぶばかりか、魔術の学習まで始めています。そんなにいろんなことを自分から勉強するような子供を、今まで見たことがありません。自信を持っていいのです」


 認められ、褒められる。

 冷え切った心に温かな湯が流れ込むような気持ちだろう。彼女は泣き出すまいと、顔を引き攣らせている。


「でも、よくないのは、頑張る理由です。あなたは足りないものを、別の方法で間に合わせようとしている。でも、頑張っても頑張っても手が届かないばかりか、逆にどんどん遠ざかっていってしまう。そうではありません。反対です」

「反対? ですか?」

「もっとよく寝て、よく食べて、よく遊ぶのです。そして何より、人の温もりを感じましょう。知識で心の穴を埋めようとしても、うまくはいかないのですから」


 この会話からすると、ソフィアは優等生……少なくとも、努力家であると言える。しかし、何らか素行に大きな問題があって、今は両親を失望させてしまった。その結果が、現在の孤独感だ。

 しかし、驚くべきは、この枢機卿だ。この国に来てから、いろんな聖職者を見てきたが、こんなまともそうな奴に出くわしたのは、これが初めてだ。ちゃんと話を聞き、悩みを受け止めて、力になろうとする。この国にも、そういう僧侶がいたのか。


 いったい何者なんだろう……


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 アイドゥス・ハイブ (57)


・マテリアル ヒューマン・フォーム

 (ランク6、男性、57歳)

・マテリアル 神通力・予知夢

 (ランク4)

・スキル ルイン語   8レベル

・スキル フォレス語  7レベル

・スキル サハリア語  7レベル

・スキル シュライ語  4レベル

・スキル ハンファン語 5レベル

・スキル ワノノマ語  3レベル

・スキル 政治     4レベル

・スキル 指揮     4レベル

・スキル 管理     6レベル

・スキル 光魔術    7レベル

・スキル 治癒魔術   7レベル

・スキル 料理     4レベル

・スキル 医術     7レベル

・スキル 薬調合    7レベル

・スキル 騎乗     5レベル


 空き(41)

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「……ぃっ!?」


 思わず声がちょっと漏れた。

 こいつは。


 祭りの町で娼婦達を助けていた、あの闇医者じゃないか。

 高位の聖職者らしいとは思っていたが、まさか枢機卿だったなんて。

 あと、口調が全然違う。あっちではもっとキビキビしていたし、それにどことなく近寄りがたい雰囲気も漂っていたが……


 さっき漏らした息のせいか、二人は人の気配を探って、周囲を見回している。逃げ隠れするよりは、堂々と姿を現したほうがいいか。


「こんにちは」


 少々わざとらしいが、もう知らないふりをしよう。俺は今、ここを通りがかった。何も見てない、聞いてない。

 ところが、ソフィアの反応は劇的だった。目を丸くして、俺の存在を確認すると。凄まじい勢いで背中の方向に飛びずさり、壁を背にして、いつでも逃げられるよう身構えた。頭に手をやっているのは、長い髪の毛を隠しているつもりだろうか。

 一方、アイドゥスのほうは、一瞬だけ俺を凝視したものの、すぐに笑顔に戻った。


「ようこそ、私どもの国へ」


 そう言いながら、彼は立ち上がり、優雅にお辞儀をした。


「拝見するに、旅の方でしょう。私は僧侶のアイドゥスと申します。この子はこの家のご主人、ノベリク子爵のご息女でいらっしゃるソフィア様です」

「ファルス・リンガと申します。知識を求めてこの都に参りました」


 俺もお辞儀を返した。


 だが、丁寧な態度とは裏腹に、頭の中では忙しく計算していた。

 思わぬところで思わぬ魚が網にかかったものだ。脛に傷持つ枢機卿。彼を手がかりにすれば、或いは廟堂に……


 この幸運を逃さない。

 俺は心にそう決めた。

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