とある冬の一日・中

 頭上には、少しずつ雲が出てきた。風も強くなってきたように思われる。

 冬の冷たい空気をかき回す風。余計に冷たく感じる。もっとも、ここは塀の内側でもあるので、その分、少しだけ過ごしやすい。途切れ途切れになった日差しが、時折、温もりを届けてくれる。


「では、構え……ファルス君、手加減はいらんぞ」

「はい」


 気を取り直して、俺は目の前のジョイスに集中する。


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 ジョイス・ティック (12)


・マテリアル ヒューマン・フォーム

 (ランク6、男性、12歳)

・マテリアル 神通力・読心術

 (ランク5)

・マテリアル 神通力・透視

 (ランク5)

・マテリアル 神通力・幻影

 (ランク5)

・スキル フォレス語 5レベル

・スキル 棒術    3レベル

・スキル 拳闘術   1レベル

・スキル 農業    2レベル

・スキル 料理    1レベル

・スキル 裁縫    1レベル

・スキル 木工    1レベル

・スキル 動物使役  1レベル


 空き(1)

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 これはまた、いやな能力が増えたものだ。

 まだ1レベルの拳闘術はいいとして。棒術も、きっと前よりは育ってきているのだろう。だが、なんといっても危険なのは……

 幻影の神通力。あの、海賊のシンが使っていたものだ。それも、ランクが二つも上。


 一週間ほど前に、うちで一緒に食事した際にはなかった。つまり、ごく最近、覚醒したのだ。

 確かに、これだけ多彩な能力を有しているとなると、普通の冒険者では、練習試合の相手など務まるまい。けど、いいんだろうか。言葉遣いとか、そういう表面的な部分はいいとしても、人間としての核となる部分がしっかりしていないうちに、力ばかりつけさせても……

 いや、マオのこと、ちゃんと考えているに違いない。むしろ、だからこそだ。能力に覚醒した今だからこそ、強敵をぶつけたいのだ。


「では、はじめ」


 棒を構え、ジョイスはこちらに向き直る。俺も剣を片手に、腰を落として上半身から力を抜く。


「ハッ!」


 一年前とは比べ物にならない、的確な突きが繰り出される。だが、俺には通用しない。素早く足の位置を入れ替え、半身になり、その一撃を受け流す。


「ヤッ!」


 同じこと。

 ピアシング・ハンドのレベルの表記だけではわからないが、恐らく、ジョイスの棒術はもうすぐ4レベルになる程度だ。それだって、たった一年でそこまで伸びたのだから、大したものではある。

 一方、俺の剣術は恐らく、あとわずかで6レベルといった水準にある。まだ、単純な技量の勝負では相手にならない。


 しかし、そんな力量差は、ジョイス自身、百も承知だ。なのにこうして挑んでくるとすれば、そこには何かの思惑があるに違いない。

 ただ、それがどんな類のものか、俺には予め、わかってしまっているのだが。


「タァッ!」


 その瞬間、ジョイスの姿が二つに分かれた。一方は俺に棒の先端を突き出すのに、もう一方は、極端に姿勢を低くして、タメを作っている。

 これは……


 頭の中に、説明しがたい、あの気持ち悪い熱がわきあがってくる……


 棒を、受ける。受けないと。受けないと。受けないと……

 いや、ダメだ!


 慌てて飛びのきながら、俺は身をかがめているほうのジョイスに、『行動阻害』の呪文を浴びせた。


「うがっ!?」


 その瞬間、俺に届こうとしていた棒は雲散霧消した。

 今だ!


 俺は飛びかかり、木剣を振り下ろす。

 だが、ジョイスは素早く対応して、棒でそれを受け……


 違う!

 実体は、左下!


「ぎぴぃっ!」


 最初の激痛は、右足に浴びせた。そう簡単に立ち上がれるものか。

 だから、ジョイスは横に転がって、体勢を立て直して、横から俺を攻撃しようと考えた。決定的な隙を作るために、わざと防御する自分の幻まで見せた。

 だが、俺はなんとなく気付いてしまった。


 二度目の『行動阻害』では、腕を痺れさせたのにもかかわらず、棒を取り落とすことはなかった。

 追撃を、転がり、転がって避けながら、塀のすぐ前まで逃げ延びる。これ以上はもう、下がれない。


 中腰で、棒をなんとか前に持つジョイス。

 俺がトドメをと駆け寄った瞬間、彼は棒を手放した。一瞬、こちらの動きが止まる。


「うっ」


 不意に武器を捨てた、その瞬間を狙って。

 ジョイスは足元の砂を蹴り上げて、俺の目潰しを狙った。いい判断だ。


 そのまま、俺の顎先を狙って拳を振り抜く。

 ……が、その前に、俺の木剣が彼の脇腹を軽く打った。


「そこまで!」


 マオが声を張り上げる。試合終了だ。

 ジョイスの目潰しは、失敗だった。そもそも、俺が誰に剣術を習ってきたか。イフロースは、そういうやり方をこそ、最初に教えたのだ。


「なかなか悪くない動きだったが、まだまだじゃな」

「はい……」


 新たな神通力を得て、作戦もあれこれ考えて。今度こそ俺に勝てるかも、と期待していたようだ。ジョイスの落胆っぷりは、明らかだった。


「ちょっとやそっとではひっくり返されん、確かな力を身につけねば、実戦では役に立たん。どうじゃ、いい勉強になったじゃろ」

「はい……」


 気のない返事だ。

 しょげかえって、ジョイスは下を向いてしまっている。

 こうして適度に鼻っ柱をへし折ってやろうというマオの細やかな気遣い。それをジョイスが理解するのは、いつ頃になるのだろう。


「さ、では……ファルス君、少し時間はあるかね?」

「はい」

「では、少し早いが、午後のお茶にしよう」


 マオは塗装の剥げかけた木の扉に手をかけた。本当に古い家らしく、炊事場が、母屋とは別の棟になっている。


 ピュリス王国時代には水道網が再建されたのもあり、国家の防衛計画との兼ね合いもあって、家はコンパクトに、そしてノッポになった。フォレスティア軍がピュリスを攻めあぐねたのも、家々がさながらブロックのように隙間なく積み重なっていて、それらがいちいち防壁の役割を果たしたからだ。

 ところが、丘の麓にあったこの家は、どうも王国時代以前からのものらしい。ちゃんとした水道がなかった頃の、つまり諸国戦争の影響で、ここが更地になっていた時期のものだ。どうしてそれとわかるのか? 理由は簡単、この家には水道がないからだ。

 それが見えた瞬間に、俺は口をあんぐり開けてしまった。なんと、今時、井戸がある!


 井戸水を汲み上げると、マオは火を灯し、湯を沸かした。それを小さな薬缶に入れる。少し待って、薬缶をゆすってから、少しだけコップに出す。それをまた、薬缶に戻す。こうやってお茶の味を濃く煮出しているのだ。


「さあ、ファルス君」

「ありがとうございます」


 東屋で、俺はジョイスの横に腰掛けて待っていた。年長者に働かせておいていいのかな、とも思ったが、ここはマオの家で、俺はお客だ。家長自ら俺をもてなそうというのだから、堂々としていたほうがいい。


「そら、ジョイス」

「う、お、お師匠、どうも」

「まったく」


 苦笑いをするマオ。こういう時、ジョイスはまだまだ気が利かない。もう少ししたら、この辺の気遣いも覚えるのだろう。主人が客の応対をしている間に、お茶の準備をするとか。心が読めるなら、この程度は、やれてもよさそうなものだが。

 ……いや。もしかして。


「ジョイス」

「なんだ?」

「もしかして、お前、マオさんの心も読めないのか?」


 俺の指摘に、ジョイスは少し、首をかしげて考え込んでみせた。


「読めないってわけじゃないんだけどな」

「ふん?」

「ただ、どうしても途切れ途切れになるんだ」


 途切れる? 断片的にしか読めない、ということか?


「じゃあ、僕は」

「ファルスのは、もう、なんか、バツンと真っ暗闇に放り出されたみたいになる。何にも見えないし、聞こえない」


 はて?

 なぜだろう?


「ふぉっふぉっ」


 穏やかに肩を揺らしながら、マオは笑った。


「神通力といえども、限界はあるものじゃ」

「マオさん、心を読まれない方法があるんですか?」

「それはないが、近いことなら、いくらでもできるのう」


 なんと、マオには、ジョイスの神通力についての対策があるという。


「まず、心の中にまとまった思考を持たないこと。本来、この世界は混ざり物でいっぱいじゃ。自分の心も、あるがままにしてそれを受け入れれば、それを外から見るものにとっては、雑音だらけになる」


 なんか難しい話だな。

 前世の、宮本武蔵が書いたという五輪書を思い出す。見の目を弱くして観の目を強くする、だったっけ? 意識を集中せず、視界をなんとなく広げる。焦点をあわせずに見て、行動するということだ。それに近い心構えなのだろうか?


「それと、そもそも神通力そのものの効き方もあるじゃろうな」

「というのは」

「この手のものは、相手の力量次第なんじゃ。相手が健康で、たくましいほど、また気力がみなぎっていて、頭の中がすっきりしておるほど、こういう力にはかかりにくくなる」

「そうだったんですか!」


 だからか?

 俺の能力は、高レベルのスキルでいっぱいだ。積み重ねた経験を合計すれば、八歳どころか八十歳でもおかしくない。そこに若くて健康な体がある。見えないわけだ。


 俺達の前にティーカップを置き、自分の分も用意して、一息ついて腰掛けたところで、彼は静かに話し始めた。


「わしは、南方大陸の東岸地域にある、カークの街の出身でな」


 知らない名前だ。前世と違って、一般には詳細な世界地図がない。地方都市の名前など、地元の人間でなければわからないだろう。


「まあ、東方大陸からの移民が多く暮らす、元植民地じゃな。それで、当時から伝わる古い武術も、そこには残っておってな。わしは、そこで教えを享けた」

「……はい」

「お前さんなら問題ないと思うから言ってしまうが、神通力を覚醒させる術もな、わしらには伝えられておる」


 そうだろう、とは思っていた。でなければ、マオの行使可能な神通力の多さが説明できない。

 ジョイスに新たな能力が増えていた時点で、それはもう確信になった。


「もっとも、何もかもが伝わっているわけではない。それに、人が実際に使える能力となると、個人差もあって、たいそう限られるのが現実じゃな」

「それでも、いろんなことができるみたいですね」

「なに、たまたま恵まれておっただけよ」

「だからですか、パッシャのことがピンときたのも」

「ああ、あの件か」


 白い髭に触りながら、マオは言葉を選ぼうとしていた。


「まず……わしも、わしの兄弟弟子達も、絶対に連中には関わっておらん。それははっきりしておる。奴らは、もっと昔、それこそ何千年も前から、独自の技をもっておるのでな。今更、わしらの技など、求めてはおらんよ」

「それでも、使っている能力は同じものだと?」

「わしはそう見ておる。だが、その起源となると、もうこれはわしの手に負える話ではないな。神通力とは何か、使っている本人すら、よくわかっておらんのだから」

「そうですか」


 そう話しながらも、俺の頭の中には、また別のことが浮かんでいた。ゴーファトだ。

 では、彼はどうだったのか? 痛覚無効のアビリティを有していたが、それはいつから発現したのだろうか? アビリティといえば、ゴブリンのリーダーにもあった。

 彼らが有する能力は、神通力と同じ起源を有するものなのか。それとも、別の原因によっているのか……


「そういえば、前にファルス君は、旅に出たいと言っておったな」

「はい」

「もし興味があるなら、カークの街にも寄ってみるといい。あそこには、わしの旧友達がおる。わしと、兄弟弟子のワン・ケン、それに街の主の跡取りだったジオ。若い頃は、随分悪さもしたからのう。カークでは大層有名じゃったわい」


 そう言うと、彼は愉快そうに笑った。


「そうですか。でも、ご友人ということになると、もう、かなりのお年ですよね」

「それはな。ジオのやつは、たまに手紙をくれるが、もう孫も生まれたそうでな。立派に町長の仕事をしておるそうじゃ」

「まだお元気なんですね」

「だといいが、わからんのう。カークからピュリスまで、商人達に手紙を託して、となると、届くまで早くても一年くらいはかかる」


 そんなに遠いのか? いや、単純に距離だけの問題ではないだろう。

 この世界、郵便など、通信に関する技術や制度は、さほど整えられていない。マオが言ったように、手紙とは、人に託して運んでもらうものなのだ。だから、ちょっとした間違いで届かなくなるし、無事に届くとしても、回り道は避けられない。


「きっとお元気ですよ。ジオさんという方も、マオさんと同じく、武術を学ばれた方なんでしょう?」

「それはそうじゃが、あやつは、正直そこまで強くはなれんかったからの。ま、その代わり、別の才能があったんじゃが……それも、武術などよりずっと値打ちがあるものがな」

「値打ち? 才能に価値の違いなんてあるんですか」

「うむ、南方大陸の東岸地域は、東方大陸の影響が強い。あちらと同じで、なんといっても文化人が尊ばれる風潮がある。ジオは、あれで若い頃から、書画の道に通じておった。わしが故郷を離れてしばらく、あやつが町長になる頃には、有名な書家になっておったよ」


 なるほど、つまり、悪たれでありつつ、教養人でもあった、と。


「おかげでな、あやつは遠くにいる人間にしか手紙を書かんのだと。近くの人間に字を書いて渡すと、売り物にされてしまうでな」

「そんなにですか」

「立派になったのはよかったが、一流になるのもよしあしじゃのう」


 カークの街のジオ町長、か。

 どんな人なんだろう。面白そうだが、南方大陸の、それも東岸地域となると、さすがに遠すぎる。行く機会はないかもしれない。


「じゃあ、もう一人の方は……」

「ワン・ケンか。あやつの行方は、わからんのう」

「お手紙は」

「あいつがそんな面倒なことをするか」

「と、いいますと」

「あいつはな」


 彼は顔を寄せるようにして、ニヤニヤしながら言った。


「最後にわしに負けたのを、まーだ根にもっとるんじゃ」


 すると、マオは背筋を伸ばしてからからと笑った。

 ライバル同士だったのかもしれない。しかし、マオと張り合うほどの武術家だったとすれば、こちらはジオと違って、かなりの達人なのだろう。


「マオさん」

「うん?」

「その、では、ちょっとだけ、興味があるんですが」


 今の俺は、これ以上強くなる必要がない。だから、神通力を無理して手に入れる必要はないのだが。


「じゃあ、マオさんは、僕がどんな神通力に目覚めるかとかって、そういうのはわかりますか?」

「ふむ」


 そう言われると、彼は真剣な眼差しになり、俺をじっと見つめた。

 ややあって、彼はポツリと言った。


「兆しのようなものは見える。じゃが、何かが邪魔になっていて、今は目覚めさせるのは難しそうじゃな」

「そうなんですか」


 俺にも何か、素質があるらしい。しかし、今は無理だと。

 それもそうだ。


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 (自分自身) (9)


・アルティメットアビリティ

 ピアシング・ハンド

・アビリティ マナ・コア・身体操作の魔力

 (ランク6)

・マテリアル ヒューマン・フォーム

 (ランク7、男性、8歳・アクティブ)

・スキル フォレス語  6レベル

・スキル 商取引    5レベル

・スキル 薬調合    6レベル

・スキル 身体操作魔術 5レベル

・スキル 料理     6レベル

・スキル 剣術     5レベル

・スキル 病原菌耐性  5レベル


 空き(0)

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 この通り、スキルその他で能力の枠がビッシリ埋まってしまっている。この上、神通力に目覚めるなんて、不可能だ。

 なお、怪鳥の体は、屋上の薬草の中に突っ込んである。ゴブリンから奪った火魔術のコアもそうだ。俺自身が成長するまでは、あれらを取り込む枠がない。

 病原菌耐性は、あえて残しておいた。もう風邪すらひきたくないからだ。アイビィと同居している以上、鳥になる機会も、そうそうないのだし。


 今、思うに、俺が二歳のあのタイミングまでピアシング・ハンド……つまり『世界の欠片』の力に目覚めなかったのも、この枠の問題があったからではないかと踏んでいる。

 例えば、生まれた直後であれば、年数はゼロだから、枠は一つしかない。だから自分自身の肉体のマテリアルしか受け入れられない。生後一年なら、ピアシング・ハンド自体には覚醒可能だったかもしれないが、能力の奪取は不可能だ。奪ったものをとっておく枠がないからだ。

 だから、リンガ村の虐殺が起きたのが、あの一年前だったら、俺は力には覚醒しても、何もできなかったに違いない。


「それにしても、このお茶」


 飲み終わった後の清涼感。口に含むときには熱いのに、飲み終わるとやけにすっきりしている。


「なんというか、変わった味ですね」

「ああ、それか」


 マオはコップに目を落としながら、説明してくれた。


「これも、故郷の味じゃな。それに、薬でもある」

「薬? ですか?」

「南方大陸は、きれいな水が少ないところが多くてな。どうしても、飲み水には気をつけねばならん。じゃから、土地の人間の知恵で、こういう薬草を煎じて飲むようになった。あちらでは、『いい薬』というのは、毎日飲み食いできるものを言うのでな……おかげでわしも、この年じゃが、病気知らずじゃよ」

「へぇぇ……」


 それまでおとなしくしていたジョイスだが、ボソッと言った。


「まずいけどな」


 おいおい。

 師匠の煎れてくれたお茶にケチをつけるなんて。

 だが、マオは冷静に応じた。


「お前がまだ、味のなんたるかをわかっておらんだけじゃ。甘いだけがおいしいわけではない。辛さも、苦いのも、ときとしてはうまみになる。ファルス君を見なさい。この若さなのに、ちゃんと弁えておるではないか」


 いや、中身はオッサンだから。

 なんか後ろめたくなる。


「さて、引き止めてしまったな」


 おっと。

 そうだ。そろそろ酒場の手伝いに行かなければ。


「君は忙しいようだが、時間があれば、いつでも遊びに来なさい」

「ありがとうございます」


 俺はマオに一礼すると、彼の家を辞去した。

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