海賊達の賭け事

 失敗した。

 事前の確認さえしておけば。最大のチャンスを、自らフイにしてしまった。


 降りしきる雨。吹き荒れる風。大木の幹に凭れつつ、暴風雨に掻き回される森の中の景色を、ただ呆然と見つめる。


 勝負を急ぐ必要も理由もあった。大勢の怪我人がいて、そのうち何人かは、体力の限界が近かった。そして、俺には充分に勝利できるだけの能力があった。ただ一点、身体強化薬を使用できさえすれば。

 予備の薬なら、あの革の背負い袋の中にあったのだ。どうして先にそちらを出しておかなかったのか。そうでなくても、せめて首元にある薬の状態くらい、なぜ確かめなかったのか。あのまま薬を飲めさえすれば、二秒後にはシンを真っ二つにできた。そうなれば、あとはゾークだ。剣術のレベルに差がなく、身体強化の分だけこちらが強いから、勝利はほぼ確実だったのに。


 結果、俺は切り札の無駄撃ちをしてしまったのだ。


 なぜそんな失敗をしたのか。

 つまるところ、俺の心が、まだ弱かったのだ。


 俺を庇ってくれたフリュミーの危機を見過ごせなかった。それ自体は悪いことではないが、もう少し冷静だったなら、違ったやり方もできただろう。

 周囲の怪我人のことが気になっていたのも事実だ。だが、それで自分のやるべきことを、ちゃんと考え切れなかったのは、情けないとしか言いようがない。

 もっといえば、座礁して海水をかぶった時、胸元の薬がどうなったか、確認しておくべきだった。いつ、どんな状況でも戦えるようにしておく。そういう考え方がなかった。

 多分、殺人という行為への恐怖もあった。俺はどうして胴体を狙った? 首を狙えば、倒しきれていたかもしれなかったのに。もう少し覚悟があれば。或いは身体強化薬なしでも、シンをしとめるだけなら、できたかもしれない。


 メックは、本当にやらかしてくれた。今にして思えば、フリュミーがわざわざ腕輪を外したのは、これが理由だったのだ。先代子爵が総督の地位に就いてからというもの、海賊は頻繁に討伐を受けた。子爵家のゆかりの者となれば、仕返しされないはずがなかった。だからこその低姿勢だったというのに。

 こんなことなら、それこそアイビィを連れてくればよかった。彼女なら、シンともまともに渡り合えたはずだ。

 今となっては、後の祭りだが。


 それにしても、海賊達の追跡が甘い。なぜだろうか?

 ここは現状把握だ。よく考えなくては。


 理由なら、すぐに思いつく。今、全力で捜索するには、メリットが小さい。

 雨風が強く、物音に対して、敏感に反応できない。探す側が逃げる側より不利なのだ。

 更に、逃げた水夫達には、まだ充分な体力がある。軽度の負傷はしているものの、いざとなったら全力で刃向かってくる。もしかしたら、追いかけてくる海賊を警戒して、罠を仕掛けているかもしれない。奇襲される可能性もある。

 一方、待つメリットなら、はっきり存在する。

 雨風が弱まれば、追跡も容易になる。それに水夫達にはろくな武器も食料もない。一方、海賊達にはその両方がある。だから逃げた船員達は、見つかるのを恐れてろくに眠ることもできず、食べ物もないので、どんどん体力を消耗していく。

 なんといっても、海賊は自身の船をしっかり守っているだろうし、座礁した船は修理なしには動かせない。だから、逃亡者を兵糧攻めにすればいいのだ。


 奴らの立場で考える。逃げた水夫達は、どう行動するか?


 まず、仲間の救出だ。フリュミーやメックを助けようとするかもしれない。

 次。船の奪還だ。或いは海賊船の奪取でもいい。捕まった仲間を見捨てても、この島から逃げられるなら、これも悪くない選択といえる。ただ、船の近くには海賊がいるはずだ。

 それから、食料の調達。船員達も、時間が経てばジリ貧になるのはわかっている。とりあえずをしのぐには、最低でも食料が必要だ。入手手段は限られる。自分達の船の残骸から回収するか、森の中で食用可能なものを見つけるか。しかし、前者は見張りがいる可能性が高いし、後者にしても、無人島に豊富な食材があるわけもなく、また時間をかけて探す余裕はない。隠れていなければ、発見されてしまうのだ。


 ならば海賊としては、捜索より、拠点防衛に力を注ぐべきと考える。

 拠点は少ないほうがいい。自分達の船と、座礁した船は、最低でも見張っておくべきだ。そして、そのどちらか近くに、捕虜にした水夫達を集めておく。


 ……どうだろう? 海賊は捕虜を殺すだろうか?

 少し考えたが、自分なりの結論としては、殺しもするし、生かしもする、というところでまとまった。

 海賊には、俺達を生かしておく気がない。最終的には全員殺す。でないと、報告がピュリスに届くからだ。

 しかし、今、捕虜にした連中を一気に皆殺しにしたらどうなるか。逃げた水夫達は、腹をくくってしまう。どうせ殺されるなら、最後に全力で暴れてみよう、と。

 それは避けたい。ついでに言うと、逃げた連中を誘き寄せたくもある。だから、すぐに手持ちの捕虜全員を殺害するようなことはない。但し、俺達を焦らせるために、あえて見せしめに殺す可能性はある。


 さて。

 では次。俺が生き延びる手段だ。


 一つ。鳥に変身する。デスホークは目立つが、まさか中身が俺とは思われないだろう。そのまま、雨がやみ、海賊どもが島を後にするまで、なんとかやり過ごせば、あとはどうとでもなる。うまくすれば、ピュリスまで飛んでいくこともできるかもしれない。ただ、その場合……どうやって俺だけ生き延びたのかが問題になる。

 もう一つ。うまいこと乗組員を集めて、どちらかの船に乗って、島を脱出する。これは難しい。みんな散り散りになってしまったし、捕虜も奪還しなければならない。フリュミー達を見捨てるなら、少しは難易度が……下がらない。熟練度の低い船乗りばかりで、無事に陸に着ける保証もない。更に、海賊船を奪うなら戦闘は避けられないし、自分達の船を使うなら修理が必要となる。しかも、海賊の追跡を振り切れなくてはいけない。これはなしだ。


 そうなると、最後の一つ。海賊相手に、戦って勝つ。


 勝利には何が必要か。実は、手段ならいくつもある。

 一番、俺にとってリスクが小さい作戦は、やはり待つことだ。あと一日経てば、もう一度ピアシング・ハンドを行使できる。今度は直接、シンかゾークの肉体を消し飛ばすのがいいかもしれない。丸二日かければ、二人のリーダーを安全に抹殺できる。別に、鳥の姿のままでも、能力の行使は可能だから、連中から狙われることなく、一方的に攻撃できるのだ。

 しかし、これには別のリスクがある。俺以外を危険に曝さなければならないのだ。

 あと二日もすれば、さすがにこの台風もどきの雨風も弱まるだろう。そうなってきたら、海賊も逃亡者の追跡に力を入れる。俺は逃げ切れるが、水夫達はそうはいかない。それにまた、海賊としても、出航可能になったら、もうグズグズしていたくはないはずだ。となれば、捕虜を餌にするかもしれない。つまり、一人ずつ拷問にかけて見せしめにし、逃亡者をいぶりだすのだ。


 では、その次に有効な手段は? 俺の背負い袋を取り返すこと。身体強化薬を手に入れる。あれさえあれば。

 シンは殺せなかったが、負傷している。幻影を駆使してきたらどうなるかわからないが、それでも、全力で戦うことはできまい。ゾークとセットで相手にするのでなければ、充分、倒しきれる。

 雑魚どもについては、うまく分断しなければダメだ。一人十秒もかからないだろうが、一度に複数を相手取るのは命取りになる。


 しかし、あの袋はどこにあるのか。

 偵察しなければいけない。この嵐の中、鳥が飛ぶには少し難しいし、不自然だが、やはり変身しなければ、奴らには接近できなさそうだ。


 よし、方針は決まった。

 ならばまず、拠点を決めよう。そこに、俺の服を隠すのだ。そして、鳥になって奴らを探す。


 近くの大木に、洞があった。俺は服を脱ぎ、そこに全部突っ込む。いい加減、服を着たまま変身できたりすると嬉しいのだが。

 頭上を見上げる。強風だ。変に飛び上がって、叩きつけられたりしないよう、気をつけよう。周囲を見回して、人影がないことを確認すると、俺は怪鳥の姿になった。


 随分と飛びにくい。木々の上に出ると、もみくちゃにされる。かといって、その下を飛ぶとなると、障害物が多すぎる。それに何より、頭の中で地図が作れない。だからその都度、高い木の上に登って、周囲を見回して位置関係を把握しなければならなかった。思った以上に手間も時間もかかる。

 それでも、さっき逃げる際に走ってきた道まで戻ると、あとは難しくなかった。海岸近くの森の中。下生えが折れ曲がっている。海賊どもは、シート代わりにした予備の帆まで回収したようだ。しかし、さっきメックの腕を切り落とした際の血が、消えずに残っている。

 周囲に人はいない。では、どこにいったのかと見回すが、人影は見えない。ただ、足跡が残っていた。座礁した船のほうだ。しかし、船の前、見える場所には誰もいない。

 これは、近付かないほうがいい。中で海賊が待ち伏せている可能性が高い。食料を探しにきた水夫を狙い討ちにするのだろう。

 しかしそうなると、海賊の本隊はまた、別にいるはずだ。俺はさっきの場所に戻って、足元を丹念に見る。ほどなく、かすかに草の踏まれた形跡を見つけた。こんな雨の中でも、森の中には足跡が残りやすい。それに逃げ切れなかったのは主に重傷者だ。恐らくフリュミー辺りが怪我人に肩を貸しながら、海賊に連行されつつ、歩いていったのだろう。

 これを追っていくと……どうやら、当たりのようだ。たまに血の痕が見えるし、それにこちらは風下だ。つまり、海賊が船を停泊させるなら、なるべく風を浴びずに済む場所を選んだはずだからだ。


 ほどなくして、島の北側に辿り着いた。北を向いた俺の向かって右手には、断崖絶壁が広がっている。荒れ狂う東風が岩壁を叩き、凄まじい上昇気流になっている。左側には森が広がっているが、その向こうはなだらかな斜面になっている。この下に船を固定したのだろう。

 俺は、空気の流れの落ち着いた、若干、滑空しやすい中を、そっと降りていく。急な斜面……人間の手足で登るのもそれほど難しくはないだろうという程度のものだが、その向こう側に、岩場があり、その合間に船が係留されていた。厳重に、何本ものロープで固定されている。

 そして、岩場の真ん中に、一軒のログハウスがあった。見るからに古ぼけている。天井近くに、小さな四角い窓がある。俺はそっとよじ登り、中を覗き見た。


「あっ……ぐああっ……ひぎゃぁぁぁっ……!」


 肉の焦げる臭い。あまり見たくない光景だった。

 ログハウスの中には、ところ狭しと数人の男が密集して立ち並んでいた。真ん中にいるのは、コートを身につけたゾークだ。その彼の手に、先端が赤熱した金属の棒が握られている。

 その向かい、椅子に縛られているのが、メックだ。既に片腕がないが、辛うじて肩のきれっぱし程度なら残っている。どういうわけか、止血済みらしい。ただ、それは彼を生かそうとしてのことではなかった。


「まだまだ元気だな? え? おい」


 耳障りな鼻にかかった声で、ゾークは話しかける。そして、金属の棒の先端を近づける。見る間に、メックの顔に怯えが浮かぶ。


「ひっ、ひいっ、や、やめてくれ! たの……ぎゃあぁっ!」


 皮膚に一本、黒く焦げ目が入る。焼けた棒の先端には、皮膚の一部がひっついて、嫌な臭いをさせながら、焦げ続けている。その棒を、ゾークはいったん、暖炉に戻した。


「やめてくれ、か……ふん。今更だな、おい」


 ゾークの表情には、根深い憎悪が見て取れる。抑制されることのない凶暴性。俺は思わず身震いした。


「お前らのせいで、俺達がどんなに苦しめられたか、忘れたのか? ええ?」


 メックは何も言わない。言えない。だが、ゾークは、それが許せなかったようだ。黒い革のブーツで、彼の太股を踏みつけ、顔を近づけた。


「なんか言えよ、このクソ野郎」

「あ、あ、だって、それは」

「あー? だって、それはァ?」


 ゾークの口元に、皮肉な笑みが浮かぶ。


「おい、お前ら、聞いたか! 『だって、それは』だそうだ! ありがたい子爵家の召使の言葉だ! 死ぬまで忘れんじゃあねぇぞ!」


 途端に下卑た笑いが巻き起こる。

 だが、その騒ぎも、ゾークには小さなざわめきにしか聞こえなかったようだ。


「かーっ! か細い声だなァ、え? おい」


 そうしてゾークは、再びメックに向かい合う。


「昔ァな、俺の海賊団も、もうちっとは人がいたんだよ。乗ってる船も、あんな小船じゃなくてな。それがどうだ、今は」


 メックの太股を、グリグリと踏みにじる。


「けどまぁ、今日はツイてたぜ。なあ、兄弟。お前と会えて、最高の気分だ」


 と言った瞬間に、握り締めた拳骨を、メックの顔面に叩き込む。鼻が折れて、血がポタポタと床に落ちる。


 他の人は?

 もちろん、いた。フリュミーと、その他三人の重傷者が、床の上に転がされている。はて、ろくに動けないのがあと三人いたはずだが……

 フリュミーとしても、メックへの拷問を見て、何も思わないわけではないのだろう。だが、彼はあえて何も言わなかった。ここで庇っても、どちらが先に死ぬか、でしかない。古びた木の床の上に膝をつきながら、彼は無念そうに頭を振った。

 その奥、寝台があり、そこにシンが座っていた。上半身裸で、左腕と腹に、それぞれ包帯を巻きつけている。そして、その手当てには……あろうことか、俺の革の背負い袋から取り出した薬を使ったようだ。

 あの中に身体強化薬も残されている。幸い、海賊達の中に、魔術を学んだ形跡のある人物はいなかった。となれば、俺の切り札の意味を見抜ける奴も、きっといない。ただ……場所が悪い。部屋の一番奥じゃないか。


「なぁ、お前」


 ゾークは、メックの顎を掴んで揺すった。


「答えろよ。お前、名前はなんつうんだ?」

「……メ、メック」

「メーック! メックか、いい名前だな! 安心しろよ、正直に答えれば、殺さねぇし、殴ったりもしねぇからよぉ」


 復讐の愉悦に耽るゾークは、楽しくてたまらないといわんばかりの表情を浮かべた。


「なぁ、お前、ここに来る前は、どこの港にいたんだ?」


 はて、海賊にとって、あまり重要とも思えない質問だ。


「ムスタム……」

「ほーおー! ムスタム! いい街だァ! 俺も大好きだぜぇ。で、そこでだな、メック」


 そう言いながら、ゾークは腰から長いサーベルを抜く。


「教えてくれよ、お前、港を出る前……女を抱いたか? オ・ン・ナ、だ。ああ、つまり、夜の女な」


 いきなり変な質問をされて、メックは硬直した。だが、その反応は予想通りらしく、ゾークはすぐさま、刃を彼の首に添えた。


「言えばいいんだよ、言えば。正直になァ」

「ひっ」

「おら、待たせんなよ」


 目をしばたかせながら、メックは辛うじて答えた。


「かっ、買いました……」


 この回答に、ゾークは笑みを深くした。一方、後ろの海賊どもは、ほとんどが盛り上がり、一部は悔しがっている。


「じゃ、続きィ」


 ゾークの質問は、第二弾があるようだ。

 この様子からすると、どうやら賭けをしていたらしい。


「お前が抱いたのは、フォレス人か? それともサハリア女かァ? どっちだ!」

「えっ」

「答えろよ。おら」


 パラパラと下品な嘲笑が向けられる。だが、メックは何も言えなかった。

 不意にゾークはサーベルを突き立てた。そのまま、手前にぐっと引く。

 切り裂かれたのは、メックのズボンだった。そのまま手を添えると、がばっと布をはだける。途端に彼の局部が剥き出しになる。


「口で言えないなら、こっちに訊くかァ?」

「ま、待って」

「早くしろォ」

「り、両方」

「あ?」

「フォレス人と、サハリア人の、ハーフの女、です……」


 一瞬、海賊達は沈黙した。ゾークの顔からも、笑みが消えかけている。

 どうやら、ハーフに賭けた海賊はいなかったらしい。


「もっぺん言ってみろ」

「うっ……フォレス人と、サハリア人の、ハーフの女を買いました!」


 ザクッ! とサーベルの切っ先が、メックの股間に突き刺さる。局部のすぐ横に刃先があった。一、二秒後に、間抜けな音がした。ついで小さな噴水が、破られた彼自身のズボンを濡らしていった。

 一瞬の間の後、海賊達は爆笑した。


「はっはー! くっせー! さっすがメック! 俺ァもう、大好きだぜ!」


 だが、そこでゾークは、拷問を打ち切ることにしたらしい。サーベルを椅子から引き抜き、また鞘に収めると、振り返って配下の男達に告げた。


「何人かついてこい。そろそろあっちの船の様子も見にいかねぇとな」

「はい、ボス」


 それから彼は、休養中のシンを見やる。


「おめぇはもうちっと休んでろ。ったく、油断しやがって。ガキなんぞにやられるたぁな」


 この一言に、シンは表情を強張らせる。

 だが、ゾークはもう、他所を向いていた。


「メックはまだ殺すなよ? ほっといても、もうじき死ぬが、俺が戻ってくるまでもたせろ。まだ、ブツを切り落として、食わせてねぇからな、ははっ」


 その言葉を最後に、革靴の響きが床板を鳴らす。

 まずい。鳥の姿とはいえ、覗き見なんて、いかにも不自然だ。俺は極力翼を使わず、ログハウスの屋根に這い上がる。

 すぐに扉が開いた。ゾークを先頭に、五人の男がついていく。それを身動ぎせずに見送った。


 ……さて。

 動くなら、今、か。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る