"当たり前"だから"新しい"、タロット"活用"小説執筆エッセイ

タロットカード……
古くから占術に用いられてきたこの由緒正しきアイテムを創作活動のために用いた作家は古今東西プロアマ問わず数多いるものの、
果たして彼らのやってきたことと言えば、大アルカナをキャラクターや怪物に当て嵌めたり、或いはオリジナルのカード図案を描いてみたりといった程度……
或いはタロットを用いる占術家が登場したり、物語の上で重要な役割を果たすキーアイテムとして登場させることはあれども、
実際の活動指針を決めるにあたりタロット占いを用いる作家ともなると少数派、或いはこの永久保セツナ氏をおいて他に居ないのではないであろうか。
また氏のタロットとの向き合い方も独特で魅力があり「タロット占いの益はあくまで参考程度に考え、盲目的に従うものではない」とのスタンスも、まさに占術と人類の適度な距離感を保つ最適の関係性、その理想的なモデルケースと呼ぶに相応しい。更には、各カードの解釈に関しても「このカードだからこれしか有り得ない」と決めつけず、考え得る可能性を全て想定し、現状の最適解を導き出す様は謎の感動を覚える。

占術という、歴史こそあれ不安定な代物を、道具扱いするのでもなければ、指揮者として盲従もせず、あくまで「話を聞いて無難に相槌を打ってくれる、温厚な友人」程度の関係に留める……果たしてそうして進み続けた果てに何が待つのか、イチ読者として期待し乍ら見守りたい。