第3話 生姜焼き
あー、肉が食べたい。
とんでもなくジューシーな厚切り肉にかぶりつきたい。
そんな事をすれば、自爆する事間違いなしなので、やりはしないが。
でも、この満たされない「肉食べたい欲」を満たさないと暴飲暴食が始まる事が目に見えているので、考える。
この欲望を満たすためには、何を食べるのが最適解かと
〈鶏むね肉を1枚買ってきて、そぎ切りにして塩コショウかけて焼く〉か、
〈冷蔵庫に入っているウインナーをいつもよりちょっと多めに使って、チキンライスかチャーハンを作る〉か、
〈母が昨日くれたチキンナゲットを焼く〉か、
いや、何かものたりない。
どうしよう。
あ、あれにしよう。
まずは、玉ねぎ中1個を半分に切り、芯の部分を少し除いて、2ミリ幅に切っていく。
その日の気分によって、変わるが最近玉ねぎそんなに食べてないなぁと思っていたので、思い切って中の玉ねぎを1個半ひたすら切る。
あー、涙がどんどん出てくる。
目が痛い。(´Д⊂グスン
でも、これがちょっと気持ちいい。
あ、マゾじゃないよ。(ここ重要)
なんだか、大人になると泣きたくても泣けない時が多くなるから、なんだか人に見せられないくらいむしゃくしゃした時ここでデトックスするつもりで玉ねぎを切っているだけ。
玉ねぎに私は救われている。
玉ねぎが切れたら、ちょっと大きめのフライパンにオリーブオイルを一回しかけて、玉ねぎを入れる。
ここに、醤油・酒・みりん大匙2と生姜チューブを小さじ2以上プラス好きな量入れる。
ここで、フライパンの中の具材を混ぜ合わせ、そこそこ平らにしたら、この上に蓋をするように、しゃぶしゃぶ用の豚ロース肉を16枚以上載せていく。今回の分量だったら、22枚くらいが限度だと思う。それ以上なら、調味料を増やした方がおいしい。
肉をのせたら、塩コショウをまんべんなくふり、ちょっと強めの弱火をかける(五段階設定の2番目くらい)。
少しフツフツと音がしだしたら、蓋をする。
大体3分から5分で肉の色が変わるので、そしたら、蓋を開けて、一番小さな弱火にし、また2分くらい放置する。
そしたら、一度火を止めて、肉とタレと玉ねぎを絡ませる。
そして、今度は弱火で2分くらい蓋をして熱する。
蓋を外して、フライパンの中身をかき混ぜながら、タレの水分を少し飛ばして、完成。
白いお皿に食べる分だけ盛ったら、ご飯をついで席に着く。
はやる気持ちを抑えて、いただきますだけはちゃんと言い、生姜焼きにかぶりつく。
ああ、豚の油が甘くてうんまい。難しい言葉はいらない。
ただ、美味い。
このレシピを食べたら、市販のタレは使えなくなるほどに。
ああ、肉が食べたいという欲がどんどん満たされていく。
そう、これが食べたかったのだ。
そして、ご飯と一緒に食べれば、もう何もいらない。
ふと、見たらもうご飯がなかった。
ただ、これ以上ご飯を食べると、喘息っぽくなりやすくなるのは、自分の経験から知っているから、ご飯はあきらめて
残った生姜焼きだけを堪能する。
なんで、美味しい物の最後ってこんなに名残惜しいのだろうか。
見れば、もう最後一枚。
パクリ
かみしめる。
豚肉さん私の幸せになってくれてありがとう。
箸をおき、ごちそうさまでしたという
はぁー、幸せだぁー。
もう、心も体も満足だ。
ちょっとめんどくさい片付けもしょうがないっかなと思うくらいには満たされている。
さぁ、片づけやりますか。
そんなこんなで私の夜は過ぎてゆく。
明日もまた頑張ろう。
注)柳澤英子さんのレシピ本を参考に作っています。
アレが食べたい レイ&オディン @reikurosaki
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