第18話 待っていた者との対峙
『来たか。待っていたぞ』
いつもの
どう見ても異常な状況下の中、
「お待たせしました。あなたを探すのに手間取ってしまったものですから。それで……
『ほう? 存外、この娘を狙ったのも悪くなかったというわけか。感じるぞ、貴様から怒りをな?』
「そう、ですか……」
彼女の瞳は澱み、深淵の如く暗い。そして何より、全身から溢れ出る瘴気が怨霊の念の強さを感じさせた。
(どうするべきでしょうか……僕は……?)
この怨霊は間違いなく
『何をしている? 早く彼女を助けろ。あのままだと、生命力が奪われて死ぬぞ!』
その言葉でようやく
『物理的に排除しようとな? いいだろう! 来てみよ、処刑人!』
だが……。
『ぬるいわ! 我が怨みの念を受けよ!』
瘴気が溢れ、そこから一つの黒い塊が生まれ
(これに当たるのは、まずいですね……)
おそらく触れれば、一発で
流石の
『
声に従い
一瞬で黒い塊……怨念は霧散した。その隙を突いて、
『その程度で我らが怨み! 晴らせると思うな!!』
「晴らせるとは思っていません。ですが、彼女は無関係です。返して頂きます……!」
刃が丸い短刀で斬りつける動作をする。だが、
いや、正確には
ぐったりと倒れ込む彼女の身体を受け止めると、
怨霊は唸り声をあげ、モヤを広げていく。
「あなたの怨み……受け止め、そして……」
――浄化させて頂きます。
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