第17話 たどり着いた先には
車を走らせる事、一時間。
着いた先はうす暗い森の入り口だった。
不気味な気配と
「流石の俺にもわかるくらいには、嫌な感じがするね……」
静かに呟く
「行きましょう……か?」
死霊達は頷くと、先導を始めた。その後を
歩きながら、
「そういや、お前最初は一人で探しに行ったんだろう? その時は死霊達に頼らなかったのか?」
自分の車で街中を走り回った記憶を辿りながら、
「その……死霊達の力を使うには、集中力が必要でして……車等、そういう集中が必要になるものを扱いながらでは……」
「なるほど? それで一旦戻って来て、泣き言を言っていたわけかい? しっかりしてくれよな?」
どこか茶化しつつも、
(彼には心配をかけすぎですね……。申し訳ないかぎりです)
「
何かを感じ取ったのだろう、
「あ~辛気臭いのはそろそろやめないか? 巫女の子を探すのが最優先だろう?」
「そう、ですね……。ん? どうしました、
「どうやら、お相手さんは相当厄介な……死霊、いや、怨霊のようさね。怨みの念が、段違いさ……」
「怨霊……ですか。僕への怨み……という所でしょう」
(心当たりしかありませんよ……。何せ僕も……罪人なのですから。人を裁く……悪。それが……
「おい、お前の死霊は何って? 俺には視えも、聞こえもしないんだ。いざという時、困るんだけれど?」
「そうでしたね……。どうやら相手は、怨霊……それも、相当な怨みを持っているんだそうです」
「お前にか……。だからって、なんで巫女の子を誘拐する必要があったんだ?」
「そこは訊いてみないとでしょう……もうすぐ、たどり着きます。
問われた
――それは、自分の意志で自分の身体に……霊を宿らせる事ができる能力。
もっとも、この能力かつ体質はかなり
そのため、彼がこの体質について話した事があるのは数人だけだ。
おもむろに、
「あぁ、準備は万端だから……
「えぇ。では……
「進むぞ……。あの子を救え。いいな?」
「勿論です。では、いざ……」
そうして、森の奥へとたどり着いた彼らの目の前に現れたのは、朽ちた廃神社の入り口で邪悪な気を纏った……
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