第10話 裁きの時(追嶋次盗の場合)
怨霊を鎮めるという行為。
今回の処刑は、それも含めての依頼だ。
……
「では、鎮めます」
静かに告げると、
――我、残りし想いを背負う者。
――汝らを解放せし者。
――我が声を聴きたまえ。
――心を
――
黒いモヤとなった怨霊達は、どんどん
それを確認すると
光は更に強さを増し、怨霊達はその光と一体化した。
「では、天へ送りましょう」
夜の空に、一筋の光の
……これは死霊送りと呼ばれる、
怨霊達の想いを変わりに行う事を告げ、天へ送る。
死霊使いであり、処刑人である一族だからこその方法なのだ。
怨霊達が天へ渡った事を確認すると、
そして、目を閉じ深呼吸をしてから、
****
その頃。
空間に閉じ込められている事も、怨霊達がすでに
「く、来るな! 俺に触れんじゃねぇぇぇ!! ひぃぃ!!」
声を震わせながら叫ぶも、纏わりつく感覚がぬぐえず、その上で幻聴も響いている。
その時……怨みの声とは異なる言葉が響いてきた。
「貴方に裁きを降しましょう」
突然、身体が抑えられる感覚に襲われた
そして、小さく呟いた。
「なんで……俺はただ、あの声に従っていただけなのに……」
その言葉を最期に、彼の首と胴体は刃によって斬り離された。同時に、
「喰らうよ? コイツを。いいさね?」
「えぇ、お願いします。
そうして、彼はこの世から跡形もなく……消え去った。
気になる言葉を残しながら――。
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