第二幕
第7話 珍しい時間
その間、
穏やかで平和な時間。
だが
法で裁かれる者もいれば、裁かれない者もいるのがこの世の中だ。
****
「やぁ、俺だよ」
「あら? 昼過ぎにいつも来て、
「そこはドライブと言ってもらいたいところだね? それで、
時刻を確認すれば二十一時を過ぎている。確かに
「そんな顔になるくらいなら、受付嬢ごっこなんてやめればいいのに。どうせ、来る客は俺くらいなもんだろう?」
「……受付と簡単な事務処理くらいしか、ここでやる事がないのよ」
彼女とて、受付嬢もどきの行為に意味などないとわかっている。だが、それくらいはやらないと、自分がここにいていい理由が記録を残す事……それしかない。
(ただの記録係で終わるのなんて、ごめんだわ)
彼女は、巫女として
――成長の見込みがない。
そう判断された時、
『死霊を使役しての処刑は果たして良いのか?』
その議論の果てが、記録係という名目の監視をつけ、彼の行動を把握するというものだった。
そうして、役目を与えられたのが
「……それで?
「自室じゃないかしらね。気配はわかっているでしょうから、適当なところで待ってたらいいんじゃないの?」
無礼なのは承知だが、彼に気遣われたことが悔しかったのだ。
それすらも見越したのだろう。
「けっこう急ぎなんだけど……アイツがマイペースなのは、今に始まったことじゃないか」
諦めたようにいつも通りソファーに座り、本を読み始める
その様子を確認して、自分の事務処理用の席に座った
(
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます