第5話 裁きの時(飛縄泣得の場合)
「うぅ~ん?」
上下左右もわからない、それでいて
自分の声のはずなのに、それすら聴こえないことで、ようやく酔いから醒めた。
そして恐怖に身体が震え始め、寒気すら感じ始めた
それは……。
『ねえ? なんで、これくらいのこともできないの? バカだから~?』
『あ~アンタさぁ、無能なのね~? こんな簡単な仕事に、こんだけ時間かけて~』
『あのさぁ、明日から来なくていいから~。いらないのよね、アンタ~』
今まで、気に入らない新人達に向けて、
(わたしはただ~自分の気持ちに正直なだけよ~! なのに、なんでこんな目に~!)
声を出しても聴こえないため、心の中で思った。だが、それに対し、返事が来た。
『自分の気持ちに正直なのではなく、自分に都合の良い世界で生きていたかっただけでしょう? 貴女はそういう人間です』
断言する声の
(ひいぃぃ……)
思わずその場に座り込めば、そこには先程の男女、
(な、なに~!? く、くるし……痛い! 痛い!)
無理矢理体勢を維持させられているせいで、身体のいたるところが軋む。だが、その時、無情な声と共に音がした。
『裁きます』
声を上げる暇すらなく、
空間は元の公園に戻っており、彼女が座っていたベンチに死体が転がる。
それを確認すると、
「お願いします」
再びお辞儀をする
そうして、
「終わりました。記録はどうですか?
声をかけられ、姿隠しの術を解いた
「……記録はしっかりと。それが
「……そうですね。それでは、
だが、それに気を
処刑人として生きる
だからこそ、彼は声をかけることなく、その場を去る。
後に続く
どこまでも、距離が遠い。それが、この二人の関係だ――。
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