第4話 罪の自覚が無い者には
深夜零時を回った頃。
コンビニ帰り、鼻歌まじりにスキップをする彼女の表情は、実に晴れ晴れとしていた。
独身である彼女の趣味は……
だが、企業にとって話されたら困る情報を沢山握っていた彼女は、それらを口外しないかわりに釈放された。
罪を逃れられた彼女の足取りは軽い。皺ひとつない、白いブラウスと濃紺のスカートを身に纏うその姿は、一見するとそんな悪行を繰り返してきた人間とは思えないほど、街に馴染んでいた。
「あ~……やっぱ、勝ち組だわ~わたし!」
人のいない公園に入り、ベンチに座ると買ってきた缶チューハイを開ける。
大きな一口を呑みこみ、つまみの燻製チーズを数個口へ放り込む。
「ん~! 幸せ~!」
至福の時間。
だが、それを
人の気配を
「驚かせてしまいましたね。
「はぁ? アンタ誰~? いきなりなに~?」
酔いの勢いも相まって喧嘩腰になる
冷静に、
「貴女の事は把握済みです。数多の罪を……その重さに相応しい裁きを今、ここで
「あ? わたしの罪~? なんの事かしら~?」
高笑いを浮かべる
暗がりの中、街灯に照らされた彼の瞳からは、なにも感じ取れなかった。
その事実に不気味さこそ感じられたが、それでも彼女の酔いに任せた言動は止まらない。
「あのね~? わたしよりもバカで! 愚かで! 下民だからね! あはは!」
「なるほど、情報通りでしたね。ですが、お酒を飲まれているのは
静かに宣告すると、
一体は白髪の肩までの髪に薄紫色の瞳に、眼帯を左目にした、黒い喪服のスーツを着た三十代後半くらいの男性。
もう一体は、襟首までの黒髪で両目を髪で隠した、リボンも黒いセーラー服を着た十代後半くらいの少女。
二体とも、共通して生気なく足元が透けている。
その二体から発せられる得体の知れない
「な、なによ~!? なんなの!!」
「
男性の方、
二体は、気づけば
「貴女に罪の数だけの」
続いて
「……悪夢をあげる」
二人が
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