第一幕
第2話 相反する二人
都心から少し離れた、閑散とした商店街を抜けた場所。
そこに
表札のない、寂れた鉄筋コンクリート造りの二階建てのビル。
このビル全体が、事務所兼居住地なのだ。
一階が事務所で、二階が居住スペースになっている。
だが、事務所と言っても民間からの依頼は受け付けていない。
受けるのは……『
そこから来る、仲介人。
それが……。
「やぁ。相変わらず、可愛げがないね?」
事務所の入り口に立つ、若そうな一人の男。
赤髪のウェーブかかった髪と橙色の瞳に眼鏡をかけ、灰色の着流しを着たその人物は微笑む。
「……はぁ、来たのね……
迎えたのは
そのお茶を行儀もなく、一気に飲み干すと
「アイツは?」
「……
「そうかい。なら、待たせてもらおうかな」
勿論、理由あってのことだ。
――
その中で育ってきた
一方の
そんな相反する二人、
各々の過ごし方で、この事務所の
****
時刻は午後十三時に差し掛かろうという頃。
ここは、事務所の屋上だ。
もはや小さな庭園と化したその場所で、色とりどりの花達と向き合う。手入れをしている
(……もっと、この時間を過ごしていたい)
「……名残惜しいですが、今日はここまですね」
心で思っていることと別の事を口にすることで、無理矢理思考を切り替える。
手入れをやめると道具を片付けて、手洗い場で入念に自身の両手を洗い終えると、
先程までの穏やかさは鳴りを潜め、神妙な表情へと変わる。
「……罪ある者に、裁きという罰を……」
(僕の
呼吸を整えながら、
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