百四十話 喬家の婚約
小娘麋貞は未だ徐州から帰って来ない、典黙は少し待ち侘びていた
許昌では麋貞に搾りあげられたのに徐州へ帰ったきり音信不通になっていた
不幸中の幸いは近くに蔡琰が居る、蔡琰は麋貞とは違って積極的では無い。
保守的な彼女は典黙との関係性を確立しても今まで通りに典黙を接していた。
蔡琰と一緒に居る日々は純粋な恋愛感覚を楽しめた
この日曹操の遣いが典黙に典韋たちの帰還を知らせた
典黙が急いで南門へ向かうとそこには既に曹操が立っていた。
歓迎の列はもちろん自分のそれとは比べられない物だったが身内だけは揃っていた
そしてそこから一時間くらい待っていたら地平線から騎兵の姿が薄ら見えて来た。
許昌は治所である、城内には軍営と練兵広場はあるものの、軍の規模が拡大した事によりこれらの施設も警備隊へ渡した。
典韋と許褚が連れて帰った騎兵と捕虜を城外の拱衛営で駐在させて調練を受らせた。
その後に二人は一台の馬車を率いて曹操の方へ向かった
「丞相、だたいま!」
典韋と許褚が拱手して一礼をした
「ご苦労ご苦労!ハッハッハッ」
曹操も久々に友達と会ったように二人の肩に手をポンと叩いて、別れてから二ヶ月が経ち、時間が過ぎるのが速いと実感した
「弟よ!痩せたんじゃねぇか?見せてみろ!」
典韋は典黙に抱きついた
「やっぱ痩せたじゃねぇか!そんなに俺に会いたかったのか?」
「兄さん遅いよ、僕も淮南へ会いに行こうと思ったくらいだよ。仲康兄さんもお腹が更に大きくなってないか?淮南で美味しいものたくさん食べたのね」
典黙は典韋から離れたあと許褚にも抱きついた
「この腹をなめんなよ、俺らは呂布を追いかけ回したのもこの腹のおかげだ、アッハッハッハッハッ……」
そのあとも二人は趙雲、高順らと世間話を長らく話していた
曹操は典家の人には寛容的で少しも急かさずに隣で見守っていた
少し経ってから典韋が悪巧みの笑みを浮かべて典黙の近くへ行き
「お土産を持って来たぞ」
「お土産?どんな?」
典黙は不審そうに典韋を上下に見渡した
「今回の作戦で呂布を江東の廬江まで追いかけて、ヤツが船に乗ったのを見届けた。そんで淮南に戻ろうとした時に皖県を通ってよ、孫策と周瑜が嫁を迎えに向かってると聞いてな!しかもその相手は皖県ではかなり裕福と聞いた!劉備みたいに財産目当てじゃないかと思った俺らは行動したんだよ」
江東の皖県で裕福と言えば喬家、兄さんたちは大喬小喬の姉妹を奪って来たのか!?
典黙と曹操は馬車を注目した、曹操は明らかに少し不満そうにしていた
「子盛、我々は揚州を手に入れたばかりだ、百姓の支持は必要不可欠、そのような行いは我が軍だけでなく子寂の名声にも泥を塗る事になるぞ」
許褚「へへっ閻爺さんの言う通りだ!あの爺さんが言っていた、俺らが喬家の娘たちを強引に奪えば丞相に怒られるってな!だから俺らは強引に奪ってねぇぜ、代わりに仲人として財宝を置いて来た!」
典韋「しかも廬江で大々的に宣伝した!今は廬江どころか揚州で知らない人がいないくらいだ!これで孫策と周瑜はもう行けなくなるぜ」
許褚「あぁ!弟嫁を奪うってんなら頭をかち割ってやるぜ!」
典黙は内心ですごく喜んでいた、大喬小喬はそのうち手に入れようと決めていたがこういう形に叶うと思わなかった。
曹操「孫策たちが縁談をしに行ったのが早かっただろ?喬家をどう説得したのだ?」
「確かにあの爺さん最初は渋っていた、でも俺も双戟を机に置いて、双戟の名前は一本が道でもう一本が理だと教えた。そしたら俺の道理をわかってくれたようだ」
曹操は自慢げに話す典韋を見て内心複雑だった
虎賁双雄は素行が悪く、力尽くで連れて来なかっただけでもせめての幸いとした。
「兄さん、閻爺さんって昔袁術の謀士閻象なのか?」
「多分な、袁術の下で働いた事があると聞いたけど、袁術が帝を名乗ってから離れたとも聞いたし。喬家で客人として居たよ、話す事もお前に似てるし連れて来ようとしたけど、歳がどうこうと言って断られた」
残念だ、これほどの人材を引き込めなかったのはもったいない……
典黙はため息をついて首を横に振った
許褚「どうよ?お土産は気に入ったか?あの姉妹を見たよ、麋家の小娘や昭姫よりもいい顔立ちしてたぜ?」
許褚の美的感覚を完全に信用はできないが、後世にまで伝わる程の美人と言うならハズレは無いか……
「兄さんたちありがとう!気に入ったよ!」
「なら良かった!そのうち良い日取りを決めて廬江に行って姉妹を連れて来よう!これで両親も安心出来るぜ!」
典黙は深く息を吸い、大喬小喬を嫁として受け入れるのは喜ばしい事だがここから廬江までは千里以上の道のり。
それにこれからは北の袁紹との対戦も控えている。
ここで許昌を離れるのはできない。
これはこれで良しとするか…想像を膨らませる事もできるし…
麋貞と昭姫よりも美しいと兄さんたちに言わせたんだ、楽しみにしよう!
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