4.準備
旅に出ることになった。
とは言っても昨日だったらできた新幹線での楽しい旅ではなく激しい生き残りの旅。
だから当然武器になるものは必要なわけで、
「何してるのー」
「定規研いでる。」
私が選んだのはステンレス定規。
硬さも長さも良さそうな感じだった。
ただし硬いから当然研ぐのは大変。5分ぐらいかかりそうだ。
「美優は。」
「私はこれ!」
そう言って掲げたのはパン切り包丁とマグロ切り包丁。
マグロ切りの方は何故か親が友人から貰ったとか言って持って帰ってきたがそのまま使わずにどこに行ったか分からなくなっていたものだ。
よく見つけたなと思う。
ただし、
「それ腰に下げると足が切れるのでは。」
「む、確かに」
美優のズボンにベルトが付いていたので金具で固定するとぶら下がった包丁が太ももあたりに当たってしまう。鞘が必要そうだ。
「これで当たらなくなった。」
「牛乳パック…」
作った鞘は牛乳パックをガムテープで止めたもの。
もちろんかっこよくない。
「戦いにかっこよさなんて求めちゃダメだからね。」
こっちも定規を研ぐのが終わった。
持ち手がないので麻紐を巻いておく。
そして同じく牛乳パックの鞘にしまう。
「準備出来た。」
「こっちも!」
荷造りを終えた美優が私の分を渡してくれた。
じゃあ
出発だ!
異形が跋扈し始めたこの世界で知恵と工夫だけで生きていく nyao2 @afudaru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異形が跋扈し始めたこの世界で知恵と工夫だけで生きていくの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます