3.安堵
(流石に家の中で火球を撃たれるのはマズイ!)
手元に残っている包丁は二つ。
もし投げるとしても残り一本で身を守れるか分からない。
「迷ってる暇はないよ!」
美優の声が聞こえた瞬間に体が動いた。
投げた包丁は一直線に飛んでいく。 そしてそれに追従するように飛ぶもう一つのナイフ。
おそらく美優が投げた物だろう。
二つはゴブリンの顔と腹に刺さった。
その瞬間集まっていた火球が霧散する。
(とりあえず家が燃えることだけは逃れられた。)
そのゴブリンが頭だったのかやられたら瞬間に周りが狼狽はじめる。
「これならなんとかなる」
「ええ。」
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「やっと終わった…」
「そうだね。」
家の中にいるゴブリンを全て倒して私たちは家を取り戻した。
「それにしてもすごい惨状。」
今家の中にはたくさんのゴブリンの死骸が転がっている。
片付けるためにそれを寄せたり外に出さなければいけない。
「うう…触るたくない…」
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十分後ようやくかたがついたのでなぜこうなったかを考えている。
「やはりさっきの地震のせいかな。」
「あんな揺れだけで街が焼け野原になるはずがないからね」
「とりあえず今日中にこの家を出たいね。」
「なんで?せっかく取り返したのに?」
確かに取り返した私の家は大きく壊れていないし住むこともできるだろうが。
「美優だって家族が何処にいるか知りたいでしょ。」
「うっ…」
「というわけで旅にでる準備をするよ。」
「はい…」
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