第7話


「ふぅ…ここがばあちゃんの描いた世界か」



 優太は物語の中に入り、真冬が最初来た時の部屋に転移していた。ばあちゃんの設計書によれば、この世界はばあちゃんが日本に転移してくる前に住んでいた世界を再現したものだという。

 初めて見る祖母の故郷に、優太は少し感動を覚えた。



 しかし、感傷に浸る間もなく、壊れた窓とガラス片が目端に見えた。思わず呆れ顔になり、深いため息を吐いた。



 やっぱり真冬のやつ、何か起こした様だな…。早く助けに行ってやらないと。



 優太は壊れた窓から慎重に窓の外を窺う。いるのは、人型の犬がほとんどで、時々奴隷であろう人型の猫が見えた。



 優太は外套についているフードを深く被り、恐る恐る出口を探して外に出た。



 転移後、服装はこっちの世界に合わせて変わっていた。

 緑のフード付きのローブのような外套に麻のシャツ、ベスト代わりなのだろうコルセット、ハイウェストのダボっとしたパンツ。


 なんとなく1900年代初頭のイギリスを思わせる服装を犬や猫達もしていた。



 優太が歩いていると、人々が街の中心に向かっていた。なんでも話を聞きかじることには、『我らの仲間を拷問する極悪人が捕えられたらしい』ということだ。



 優太はため息を吐いて、ひとりごちた。




「まさか……違うよな?」




 優太も足早に人の流れに沿って歩き出した。




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【打切】突然魔女と呼ばれても困ります!〜女子高生の異世界転移物語〜 チン・コロッテ@少しの間潜ります @chinkoro

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