第11話
それから一年が経とうという時期。あれから毎日この世界の勉強をして、合間に見つからないように魔力の特訓と身体強化の訓練をほそぼそとしていた。
いまノイアーがいるのは、夜の屋内訓練場。この中央にあるグラウンドで魔力の流しを始めていた。
「ふぅ~………………、上手く行かないな。ここは現代の力に頼ってみるか。まず、体の筋肉に魔力を流すイメージで、ふぅ~……………、さっきよりはいいけど、どうしたらいいもんか。」
その後もノイアーは魔力の流しかたや流す対象を考えていた。その時、ふと思い出したことがある。
(そういえば、生きる為には血が必要で、そのためには心臓、全身に血液を送るためのポンプが重要。………だったら、魔力を魔臓から心臓経由で全身に魔力を流せば、外にいげていかないで最後にまた魔臓に戻る仕組みが使える!!少しロスがあっても技術と慣れでカバーできるかも知れないかい。)
「よし!………少量の魔力でまずはやってみるか。」
自分で身体強化に必要なことが気づけたかもしれないと思ったノイアーは、自分の体の違和感と向き合い、少量の魔力から身体強化獲得のための研究を始めた。
と言っても、3日でノイアーがしっくりくる流す魔力量をみつけることに成功した。
あとで知ることになるが、こんな身体強化は考えたことすらないものが殆どで効率に関しても現在使われている身体強化よりは燃費と威力は群を向いて高い。
「フゥ!シャ!…どりゃ!…………ふぅ~。結構動きやすくなったな。そろそろ寝よっかな。」
身支度を整えたノイアーは自室に帰っていった。
この技術が自身をより高みえと押し上げていく奥義になるとは。
異世界への転生。 〜貴方達ならどうする?〜俺は進む。〜 白 @shirogane-ryuku
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