SFショートショートのような本作。悲しいことながらドーピングは本当のことで悲しさを覚えた記憶がある。人と人の欲望が渦巻き、それに女神ことナナは応えることができるのか。なんといっても欲望の加速具合が「人間ならやりそうだな」と思えることである。最後、ナナが望む世界が良き者であったと思いたい。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(81文字)
穏やかなエンディングを迎えるお話しなのですが…これは、かなり思考を深めさせられる事案が含まれています。さらっとした文体で見落としそうになりますが、この中には人間の持つ狂喜と愚行が満ち溢れ、やがて起こり得る悍ましい未来像も見え隠れしています。なかなかに素敵な短編に仕上げてあり、ただただ脱帽です。この作品を送り出して下さった作者に、感謝と賛辞を