情報提供お待ちしております
まっちゃぱふぇ
謎の袋
これは、私は小学生の時の話です
当時イジメを受けていた私は、イジメを回避するためにあちらこちらのグループを転々とし、いわゆる情報屋のような立ち回りをしていました
あるときはクラスのリーダ格が集まるグループへ、ある時はクラスの底辺が集まるグループへ
男女関係なく私を情報屋としてグループへ迎えてくれました
しかし、ある時…あれは確か6年生の初めの時期、不思議な出来事が起きました。
いつものようにグループに潜り込み依頼を果たしたところで、とある人物が私に依頼を持ちかけてきました
「○○○団地に住んでいるともだち、全員集めて」
依頼者はクラスのマドンナである...そうですね、ここではA子と呼称しましょう
そのA子は一切の無表情で、私にそう依頼した後、表情を一切変えないまま教室から出ていき、その日は早退しました
先生曰く、先週から体調が優れておらず、顔色は特に悪くないが大事を取って早退したとのことでした
当時はまだ小学生であった為、洞察力なんてものは備わっておらず、先生から伝えられた言葉に何の疑問も抱くことなく、納得してしまいました
思えば、あの時違和感に気づき依頼を遂行しなければ、あんな怖い体験はしないで済んだのかもしれません
その後、私の知りえる限りの○○○団地に住む友達、数で言えば11人程だったと思います
集めた後、私含め12人でチャットアプリのグループを作り、いつでも連絡を取れるようにしていました
A子が早退した次の日、A子は先日と変わらず生気の感じられない無表情でした
そうですね、まるで生きる意味を見失った人のような顔...ですかね
先生も昨日今日で体調がよくなると思ってはいなかったらしく、A子が教室に入ってくる所を少し驚きながら眺めていました
先生に体調を聞かれ「うん、うん、大丈夫」とまるで感情を感じられない返事しかしないA子を見て、その時にようやくなにかおかしい事に気づきました
昨日、体調が優れず、顔色はいいものの大事を取って早退した...と先生から伝えられていた私はA子をじっくり見て驚きを隠せませんでした
顔色は全くよく無く、なんていうんでしょうか、蒼白?顔面蒼白って言葉を全身に転移したような
まるで凍死した死体のような色でした
しかし、先生もA子を心配する生徒も、誰もその違和感に気づきませんでした
奇妙な依頼をされた事もあり、影響を受けて自分がおかしくなったのかなと結論付けた私は、変な奴とイジメられる事を危惧して感じた違和感を誰にも話すことをしませんでした
そして、先生や友人から解放されたA子は私の元に近寄り
「今日、夕方の5時に○○○団地の10階に集めた全員を連れてきて」
昨日と同じく一切の無表情で私にそう告げ、昨日と同じように早退をしました
えも知らぬ恐怖を胸の内に抱えたまま、集めた11人に『5時に○○○団地の10階に行こう』
そう連絡を入れ、心臓の鼓動を抑える事も出来ぬまま5時までただひたすらに恐怖に耐えました
5時前になり、集めた11人と一緒に○○○団地の10階に行くと、そこには一つの袋がありました
集めた11人の中にはやんちゃな子も複数名居り、その中の一人、K君が袋を開き中を覗こうとしました
当時危ない事は一切しなかった私でさえ、何故か開けたくなる好奇心がその袋にはあるように思えました
K君はその場で膝を落とし、腰を抜かし、足をがたがた震わせながら這って私達の方へ戻ってきました
やんちゃな態度から一変した恐怖に塗れた顔に私達は全員その場から動くことが出来なくなりました
恐らく、あの時振り向いて逃げていれば、この話はこうして語られることもなかったと思います。
そう思わせるほどの、何か絶対的に逆らってはいけないような恐怖が袋の中にありました
K君は私達の元へたどり着いた途端、私にしがみつき
「A...子....が....凍って......うあああああああああああああああ」
言い切る前に栓が切れたかのように叫び始めました
K君が開けた袋からは、液体窒素のような煙が漏れ出ていました
K君の叫び声を聞いた10階の住人が何事かと部屋から飛び出し、恐怖で震える私達を保護し、警察を呼んでくれました
警察に当時の状況と何故ここに来たのか、等の経緯を話、私達はそのまま家に帰されました
その後、何があったのか、あの袋の中で本当にA子は凍っていたのか、その真相を知る事は叶っていません
しかし、事件後日、先生からA子は家庭の事情で転校したとだけ伝えられました
そして、例の事件について、他言しないようにキツく言いつけをくらいました
今思えば、A子が顔色が悪かったのは既に死んでいたから...だったのかもしれません
話はこれでお終いです、なにか事件に関する情報や類似する怪事件について情報をお持ちの方はコメント欄にてお教えください。
情報提供お待ちしております まっちゃぱふぇ @fusinsya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます