第23話 バイト先
「バイト、出来るといいな〜」
すでにバイト先の候補は見つけていた為ここからは必要な準備や手続きをしないていけなかった。
まず最初に親に連絡をした。バイトしたいと言うとなんでするのかと聞かれ、お金が欲しいと答えるともう生活費をそんなに使ったのかと少し怒られた。そこで生活費は浪費していない事とこれから自分でもう少し自由に使えるお金が欲しいからバイトしたいと言った。
最初は少し渋っていたが良い社会経験になるだろうと言われ最終的には了承を得た。しかしバイトのしすぎで成績や普段の生活のペースを乱さないように言われた。
そこで高校の許可が要るのかを聞く必要があった。放課後に久保先生に聞くとバイトは禁止ではないが事前にバイトする事を担任に伝え、書類を用意しないといけなかった。なので必要な書類をもらって記入し、そのまま提出した。
そうしていると準備が整ったので早速見つけたバイト先に電話をした。
「あ、もしもし。こんにちは。バイトの応募でお聞きしたい事があるんですが...」
そうして最初にスーパーに電話していろいろな話を聞き、面接をしてもらえることになった。次に電話したカフェも同様で楽しみにしていると言われた。しかし、最後にかけたファストフード店は今は人手が足りていると言われ、断られてしまった。
「まぁ二つ面接まで行けたなら良い方かな」
最初は新たにもう少し候補を探すことも考えたがあまり多くしすぎると把握できなくなると思いやめた。
そうして面接の準備などをしているかあっという間に面接をする当日になった。放課後にする予定なので最後の授業が終わり次第家に帰って着替えて行った。
最初の面接はスーパーだったのでそのまま入店し近くにいたスタッフさんにバイトの面接に来たと伝えた。しかしスタッフ全員に連絡が入っていなかったのか最初はそんな予定は無いと言われた。上の方に取り合ってくださいと言っても聞く耳を持ってもらえず、仕方なく店の外に電話をすることに。
「もしもし、こんにちは。今日のバイトの面接の予定がある桜庭なんですが...」
そうして電話をするとすぐにそちらに向かいますと言われ、スーパーの外で待っていた。そうしているとスーツを着た人から話しかけられた。
「すいません、桜庭さん。面接の予定が全員に届いていなかったみたいで...」
「いえ、大丈夫です」
そんな会話をしながらスーパーのバックルームで面接を行うことになった。面接は問題なく進み、色々な要望や質問に答えてもらった後は採用の合否は追って連絡するとのことだった。
そのまま次のバイト先の候補先であるカフェにも向かった。カフェの名前はカフェオリーブ。その名前の通り使われている食器や制服などにオリーブ色が使われているらしい。
カフェにつき、そのまま入店するとコーヒーのいい匂いがした。時間帯のせいなのか中にお客さんは誰もいなく、カウンターに一人いただけだった。
「すいません、バイトの面接に来た桜庭です」
「あ、こんにちは。ちょっと待ってね、店長呼んでくるから」
そう言われて待つこと数分。すると奥から店長らしい方が出てきた。
「こんにちは。以前電話してくれた桜庭くんだね。初めまして、カフェオリーブの店長をしている緑川です。よろしくお願いします」
印象としてはとても丁寧な初老の男性だった。言葉遣いもとても丁寧で優しそうな雰囲気だ。
「ではこちらへどうぞ。奥で面接をします」
そう言われてカフェのバックルームにいき、簡単な質問をされた。
「はい、では面接を始めます。まず最初に、なぜバイトしようと思ったんですか?」
こう聞かれて正直に答えるか迷った。普通だったらカフェで働きたかったや経験を積みたいなどと言うだろう。しかし、なぜかこの人前では嘘は見抜かれると思い、正直に答えることにした。
「実は欲しいものがありまして。それで自分が自由に使えるお金が欲しくてバイトをしようと思いました」
「なるほど、分かりました。確かに今の時代は色々な事を買うのにもするのにもお金が掛かりますからね」
理解してもらえたがやはり印象としてはあまり良くないだろう。ここからどうにか良い印象を残そうと思っていると
「シフトは週にどれくらい入れそうですか?」
「時期によりますが日頃の生活スタイルなどから考えて週に14時間ほどを考えています」
「なるほど、ざっくり毎日入ってもらうと仮定して1日に2時間程度ですね。ありがとうございます」
ここからは制服やキッチンの内容だったりと質問されたり質問したりしていた。
「ありがとうございます。では、面接は以上になります」
面接はうまくいったとは思うがあまり好印象を残せたとは思わなかった。なのでまた新たに探すしかないと思っていたが緑川さんは採用してくれた。
「ほ、本当に採用してくれるんですか」
「えぇ、本当ですよ。桜庭さんはずっと正直に色々と答えていたのでもし何か問題が起きても正直に隠す事なく報告してくれるだろうと思ったので。それに受け答えもしっかりしていて礼儀もなっています。なので採用しない理由がないのです」
まさか雇ってくれるとは思わなかった。
「さて、できれば今すぐにでも働いてもらいたいのですが制服が今は無いのでそれを用意してからシフトに入ってもらいますがそれでもよろしいですか?」
「はい、もちろんです」
「ありがとうございます。制服ですがあまり長くかからないとは思いますが届き次第連絡しますね」
その後はカフェの中で必要な知識を教えてもらった。いますぐに覚える必要は無いと言われ、初日にまた詳しく説明すると言われた。
そうしてバイト先が見つかった。
This is My Life 〜 帰国子女が送る憧れの高校生活 Aries @Aries97
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