第22話 勉強会の後

 皆がカレーを食べ終わった後、また勉強に戻った。午前と変わらず皆静かに集中していたので勉強がとても捗った。


 午前に比べて午後はより長く勉強できるので1回か2回は休憩を挟むだろうと思い、事前にちょっとしたお菓子なども用意していた。そんな事を考えながら勉強していった。


「もうだめ〜。一回休憩しよ〜」

「そうだな、流石に疲れたわ。こんなに勉強したのは久しぶりだわ」


 いくら昼ごはんを食べた時に休憩を挟んだからと言って長時間に渡って勉強はできない。なんなら研究結果では適度な休憩を挟む方が効率が良いと言われている。そこですでに買っていたお菓子を出すと皆それぞれおすすめのお菓子を持ってきていた。


「このポテチ美味しい!どこに売ってるの?」

「海外の輸入品だから普通のスーパーじゃ無いだろうな」

「このチョコレートも美味しいですね。塩キャラメルのチョコレートって日本ではあまり見かけないので新鮮で美味しいです!」


 敬斗が持ってきたポテチだったり海外から持って帰ってきたチョコレートが好評だったりと良い息抜きになった。その後も勉強に戻ったのだが皆思いの外疲れていたのかあまり長続きしなかった。集中が切れてしまったのでもう勉強はできないだろうと思っていると藍沢さんが話しかけてきた。


「ねぇレンレン。ゲームってないの?」

「あるよ。やりたい?」

「やりた〜い!」


 そうして置いてあったコンソール機を取り出し、人数分のコントローラーを取り出した。しかしテレビがまだ無いので元々持っていた小型のモニターを用意した。


「お、モニターか。すげぇな」

「本当は大型のゲームにも対応しているテレビが欲しいんだけどね。お金が無いからバイトして買おうと思ってるんだけど」

「良いよな、大きいテレビ。色んなもん観れるし」


 そうしてモニターを電源に繋いだりコンソール機のセットアップを終わらせてゲームを起動させた。


「え、いっぱいゲームあるじゃん!」

「流石に買いすぎだろ?!」


 元々ゲーム好きな蓮なので大量のゲームが保存されてあった。これでもう一つのコンソール機とゲーミングPCを買う予定だと伝えた場合の反応も見てみたくなった。


「これだけじゃないよ?もう一つコンソールあるし。ゲーミングPCも欲しいんだよね」

「おい、流石にそんなに要らないだろ。なんなら一つよこせ」

「あ、ずるい。私も欲しい!」

「いやいや、あげないから!」


 そんな冗談を言いながら皆となんのゲームをするか決めていった。色々あるので敬斗と藍沢さんがあれこれ言っているところであまり宮橋さんが喋っていないことに気づいた。


「宮橋さん、大丈夫?もしかしてゲームあんまり好きじゃなかったりする?」

「いいえ、そんなことはありませんよ。ただあまりした事がないので何も分からなくて...」

「そうなんですね、でも大丈夫ですよ。簡単なものもありますから」


 宮橋さんとゲームの話をしているとどうやらやるゲームが決まったらしい。最初は国民的なレースゲームに決まった。初心者である宮橋さんでも楽しめるだろうと思いながら人数分のコントローラーを接続していった。


「コントローラーの数もちゃんとあるんだな。ゲーム環境整いすぎじゃないか?」

「兄弟とする時に数が無いと喧嘩になるからね。全部色まで変えて揃えたんだ」

「え、レンレン兄弟いたの?」

「うん。今は皆違う所にいるけどね」


 そんな話をしながらゲームを始めた。途中ではやるゲームなども変えながら時にはちょっとした罰ゲームやハンデを儲けて楽しんだ。


 そうやって過ごしていると夕方になり解散となった。


「今日はありがとうな。助かったわ、色々と分からないところ聞けて」

「うんうん、家だとこんなには捗らなかったからすごい助かったよ。またやろ!」

「今日は色々とありがとうございました」


 そう言って皆帰っていった。帰る前に後片付けなどもしてくれたのであまりする事は無かった。かといって勉強をする気にもならず、何をしようかと考えているとふと今日話していたバイトの事が頭に浮かんだ。


「せっかくだし今からでも探しにいってみよう」


 思い立ったら吉日、という言葉もあるようにすぐに外に出る準備をして近くのスーパーやお店などに出向いた。


 夕方なので人が多く、色んなお店もやっている時間なのでいくつかの募集しているお店は簡単に見つけられた。


 募集事項などを写真を撮って少しスーパーで買い物をした後帰った。そして晩御飯を作っている間に条件などを見比べてどうするかを考えていた。


「時給が高いところが良いけどあんまり変わんないな」


 あまり時給に差はなく、あっても数十円くらいだった。もちろん長い時間働けばその分差は大きいがこれからどれだけバイトできるかも分からないのもあってそこはあまり気にならなかった。


「ある程度シフトとかの自由が効きそうなところとなると...」


 まだ学生なので毎日シフトに入れる訳でもなければテスト期間などになるとその分シフトには入りづらくなる。出来ない事ではないが無理する必要もないのである程度自由が効きそうな所を絞った。


 1つはスーパーだった。理由としてはスーパーなので人手はある程度揃っているだろうし学生も多いのである程度テスト期間中などは融通を利かしてもらえるのではないかと思ったのだ。


 2つ目はカフェ。個人のカフェらしく、少し離れた所にあるがちゃんと掃除や衛生管理もきちんとこなされていて信頼できそうな場所だった。そしてあまり学生が入っていく所を見なかったので見つかる心配が無かったからだ。


 3つ目は大手ファストフードチェーンだった。他の2つに比べれば業務内容などは多いだろうが大手なのでもし問題が起こっても対処してくれたり普通に接客業に興味があったので写真を撮ってきたのだ。


「ここからは普通に面接とかして確認するしかないよな〜」


 ある程度候補は絞ったのでここからは絞った3つの場所がどういった手順を踏んでいるかによってアクションを起こさないといけなかった。しかし、そこまでは書いてなく電話をして内容を聞くとのことだったので電話番号を登録した後はバイト探しは一旦終了だった。


「履歴書とかっているのかな」


 そんなことを不思議に思っていると高校にバイトする事が出来るのかを聞くのを忘れていた。大丈夫だろうと思いつつ、バレたら大変なことになるのでまた時間があれば久保先生に聞かなければと忘れないうちに一つのノートの隅っこに書いておいた。


「バイト、出来るといいな〜」


 そう思いながら1日が終わった


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 こんにちは、Ariesです。


 皆さん、バイトなどでいい思い出などはありますか?自分は講師を少しの間だけしていましたが良い思い出と悪い思い出が両方ともあります。多分バイトってこんなものですよね。


 次のエピソードも楽しんでいただけると嬉しいです。

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