第15話 エイリアンの任務

2024年 3月


山田崇は生きていた。

2023年12月にアフリカから〝ビオラ熱〟という、伝染病が世界中に蔓延しだした。

その頃、山田崇と筒井佐知は、〝スッポンポン〟のCMが大ヒットし、商品と共に話題のカップルとなっていた。

ドラマやバラエティに引っ張りだことなり、

二人とも忙しい日々を送っていた。

そんな〝ビオラ熱〟も日本に入ってくるようになり、コロナ同様日本中が怯えた。

しかし、何故か、軽傷で済む現役世代も多数あらわれた。

共通点は、〝スッポンポン〟を服用していることであった。

世界中が〝スッポンポン〟の効力に注目し、コロナ以上の被害をもたらしたであろう〝ビオラ熱〟は、

〝スッポンポン〟という特効薬のおかげで、3月には、治る気配をみせていた。


崇がアパートへ帰ると、エイリアンが

「世話になったな!星から、任務終了の知らせが来た、寂しいがお別れだ山田」と身支度をしている。

崇は、「え?俺死ななくていいの?お前の任務ってまさか、〝ビオラ熱〟?」と聞いた。

「想像にまかせるよ、佐知ちゃんを大切にな!」

そう言って子供の〝ポチ〟の手を引き、大宇宙教則本を背中に背負い、傘を持ってアパートの玄関にたった。

崇は、「なんか寂しいな、元気でな!」

エイリアンは、「一つ教えてやる。〝ムチムチコミック〟が原因で佐知ちゃんと一年後に破局と書いてあるぞ」

「何!どうにかしろ!待て!」

エイリアンは、「では」と言って消えた。

崇は、誰もいない夜空に手を振った。


       完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

居候はエイリアン 霞 芯 @shinichi-23

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ