ヴェイス・バスター

@anirame1225

序曲

「も、もう…おしまいなんだ」


人間は、悪魔にひれ伏す。

逆らえば、死に向かうだけだからだ。


誰も、この悪魔に抵抗出来ない。


悪魔は、最強だった。


何者にも怯まず、相手の血液を見るまで、攻撃をやめない。


挑んだ者は、誰一人生き残っていない。

挑んだ時点で、自殺するようなものだからだ。


「おい。悪魔よ」


一人の老人が、悪魔に対抗すべく立ち上がった。

皆、絶望していた。


このような爺が、悪魔を倒せるわけがない。


当たり前だ。

屈強は男でも、魔法使いでも。

コイツには叶わなかったんだから。


「ほお? いいだろう。その度胸だけは、褒めてやる」


「そうか…感謝する」


戦いは、一瞬だった。

悪魔が一手を繰り出す前に、爺が壺を取り出した。


そして、悪魔を壺に吸い込んだのだ。

原理は分からない。

だが、壺の中には謎の渦巻きがあった。


なにかの術が、かけられていたのか。


いいや、そんな事はどうでもいい。

我々はついに、悪魔の呪縛から開放されたのだ。


長年、親子3代の呪縛。

それが、一人の爺により、解かれたんだ。


壺は、海底に沈めるらしい。


もうこれで、目覚める事はない。


と言っていた。

我々は、更に安心した。

これからは、恐怖に怯えながら生活しなくても良いのだと。


そしてその後、爺は英雄として扱われことになる


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