第一章 友達
「はぁ」
教室の机に座り、僕が本を読んでいる隣で大きくため息をつく天パの男。
この男の名は「
「…急になんだよ、ため息なんかついて。」
その隣にいる、いつも気怠そうな眼鏡をかけた男。
「おい拓斗、いつにもまして冷たいじゃないか!」
彼の名は「
二人とも僕「
いつも誰かの席に集まり、晴也がくだらないことで騒ぐ、そしてそれを冷たく拓斗が返すという見慣れた光景に自然に笑ってしまう。
「おい!俺は真剣な話をしよおってのに二人ともなんだよ!」
「…自分はまだ話を聞くとは言っていないぞ。」
「クッソ…じゃあ薫!お前なら聞いてくれるよなぁ?」
どうやら拓斗に相手されずこっちにフォーカスが向いたようだ。
「わかったよ、聞くだけな。」
本当は断りたかったが、その方が面倒くさいことになりそうなのでしぶしぶ受け入れることにした。
「よっしゃ!じゃ早速本題なんだけど……俺モテたいんだよね~」
「…はぁ」
「……」
やはりくだらない事だとわかっていたが、思わずため息が出てしまった。
「二人して急に黙ってどうした~?」
こいつは自分のせいで僕らが黙ったのを理解していないのか?そう思いつつ返事をする。
「そんなこと知らないわ、僕モテないし…」
「だからモテる方法を考えよおってことだろ?」
「…やっぱ自分はパス、そんなことに付き合ってはられない。」
「僕も。」
その言葉を聞き、あからさまにがっかりする晴也
「お前らはほんっとわかってないな。人なんて努力すりゃいくらだって変われるんだぞ。」
「…そういうことを言ってるんじゃないんだが。」
「まあいいから、とりあえず考えてみようぜ、な?」
やはり聞かなければよかった、と少々後悔しつつ考えることにした。
そのあとは意外と話し込みいろいろな意見を出しあった。清潔だったらモテるや結局は顔などがあったが、その中で疑問を持ったのは『大人だったらモテる』というものだ。
「大人になったらモテるってあるけど大人の基準って何なの?」
「そりゃ20歳超えたら大人だろ~」
そういう意味じゃないと思いつつ考えていたら…
「…落ち着いてたら大人、とかか?」
「なるほど、精神年齢が高ければってことか。」
そのあとは、大人とは何かという話に移っていった。
「っと!気付けばもう昼休み終わりじゃん!またあとでな~」
「おう、それじゃあな。」
「…ああ。」
それから帰るまで僕はずっと大人について考えていた。
—————大人とは、落ち着いた人なのか?
僕は大人がわからない なんこつ。 @nankotu_gaki
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