【あとがき】愚かなほどに純粋で
こちらは、『愚かなほどに純粋で』のあとがきのようなものになっております。前回同様、かなり長い上に、作者がだらだらと語っているだけなので、本当に気になる方だけどうぞ。
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この作品の元ネタは、グリム童話の『白雪姫』になっております。
『むかしむかし、王様と美しいお后様の間に王女様が生まれました。王女様は「白雪姫」と名付けられました。しかし、それからすぐにお后様は亡くなります。その後、王様は新しく美しいお后様を娶りました。お后様は珍しい魔法の鏡を持っていて、いつも「この国で一番美しいのは誰?」と尋ねます。鏡はいつも「お后様です」と答えますが、ある日、「世界で一番美しいのは白雪姫」だと答えたのです。それに怒り狂い、嫉妬したお后様は、白雪姫を森で殺すように狩人に命じました。しかし、狩人は美しい白雪姫を殺すことができずに、森へと逃がしてやりました。お后様には動物の内蔵を持って帰り、白雪姫を殺したと嘘をついて庇いました。そして、白雪姫は森で7人の小人の小屋にたどり着き、小人と一緒に暮らし始めました。一方で、狩人の嘘を信じ白雪姫が死んだと思ったお后様は、鏡にいつものように問いかけました。しかし、鏡はまたもや「白雪姫」と答えたのです。それを聞いたお后様は、白雪姫を紐で絞め殺そうとしたり、毒櫛で殺そうとしたりします。その度に小人に助けて貰っていた白雪姫ですが、ある日毒りんごを食べさせられて、とうとう死んでしまいました。小人達は白雪姫の死を嘆き悲しみ、ガラスの棺に寝かせてやります。そんなある日、森に迷い込んだ王子様が眠る白雪姫に一目惚れ。棺を譲って欲しいと言いました。王子様の家来が棺を運んでいると、一人の家来が躓いてしまいました。その衝撃で、白雪姫の喉に詰まっていた毒りんごがポロッとこぼれ落ちます。目を覚ました白雪姫は、王子様と結婚して幸せに暮らしました。』
というお話です。こちらは前回同様、作者が掻い摘んで書いたものになっていますので、気になる方は童話を見つけて読んでみてください。
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感想や裏話です
前回の『氷のように冷たく』もそうですが、作者の想定よりも長いお話になってしまいました。お話をまとめるのって難しいですね。短編を書いている方、尊敬です。
主に兄弟愛が強かったのが原因のような気がしています。それと、お見舞いのくだり……。削ろうと思えば削れたんですけど、光狩が許してくれませんでした。言い訳です。はい。
しかし、構想は書き始めの時から全て出来ているのですが、それでも中々筆が進まず…と言った感じで、ここまでかなり時間がかかったと思います。すみません。次のお話も題材は決まっているのですが、まだ原作を読んでおらず、プロット構築も進んでおりませんので、やはりかなり時間がかかると思います……(涙)それでも見捨てないでくれると嬉しいです。
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ここからはキャラについての解説のようなものになります。
○菊地 真純(きくち ますみ)
主人公の女の子です。白雪姫のモデルであると言われているマルガレータをマーガレットに置き換え、マーガレットがキク科であることから菊地。白雪姫にちなんで、白いマーガレットの花言葉を参考にしています。更に、彼女は白雪姫と同じく純粋な少女であることから、真純という名前になりました。真純は原作と同じく、この世一が過言では無いほどの美人です。しかし、貧乏が祟って不健康そう。付き合いも悪い(貧乏だから)ので、友達の数は少なめ。どころか縁しかいません。男子生徒からの評価も、彼女は観賞用。と言うもので、彼女に恋焦がれているのは貴之くらいでした。ちなみに、健康的になって友人と遊ぶ余裕ができ、男子生徒が彼女に惚れる頃には、既に貴之のものになっています。どの道、彼女は男子生徒にとってエベレストの高嶺…よりも高い位置に存在する花なので、貴之以外の人と結ばれることはないでしょう。ちょっと美人で天然がすぎるだけの普通の女の子なんですけどね(?)
○片桐 里奈(かたぎり りな)
言わずもがな、継母です。真純がマルガレータを参考に名付けをしたため、継母もマルガレータの父親であるフィリップ4世の2番目の妻である、カタリーナを参考に名前を付けました。カタリーナを無理やり日本語の語感に当てはめたものです(手抜き)。物語によっては、継母は魔女とも言われています。そのため、魔女っぽい名前をつけようかとも思った事もあるのですが……。頭の中に外国人の名前ばかり出てきてしまったので、断念しました。ファンタジーの世界は大体横文字の登場人物が出てきますよね……。性格は原作基準で、自分の容姿に絶対的な自信を持っている上、嫉妬深く残虐的です。真純を殺すためにあの手この手を尽くしました。が、里奈に寄ってくる男は容姿で選んでいるので、彼女よりも美しい真純にあっさり負けます。
○片桐 光狩(たかぎり ひかる)
真純の義理の弟です。狩人がモデルになっていて、名前にも「狩」という文字を入れたました。それから、真純にとって光のような存在であって欲しいという意味を込めて光狩と名付けられました。義父が死んだ時に母親の姓である片桐に戻ってはいるのですが、学校では姉と同じ菊地を名乗っています。狩人は原作では少ししか登場しないチョイ役なのですが、この物語では最後まで真純を支える存在になっています。義理でも姉弟なのでね。実は光狩は美しい姉に密かに恋心を抱いています。しかし、哀れな姉を思って、いい弟でいようと永遠に恋心は明かすことはありません。物語が終了した今、真純には恋人もいますので、弟として姉の幸せを願います。光狩は色々と苦労をしているので頼りになるし、紳士な良い奴です。あの女(里奈)の息子なので、ある程度は顔立ちも整っています。きっとその気になれば、すぐに恋人が出来ることでしょう。
○森山 貴之(もりやま たかゆき)
王子様がモデルの、真純のクラスメイトの男の子です。ヒーロー役(?)でもあります。名前は、原作の王子が森に迷って小人の家にたどり着くことと、白雪姫の棺が置いてある山を両方ともとって、「森山」になりました。下の名前は王子のように気高い人という意味があります。その後の話ですが、彼は真純への執着心がかなり強く、嫉妬深いという設定です。原作の王子も亡くなっている少女の棺を持ち帰ろうとしたり、かなり執着心が強いのではないかと作者は考えました。純粋な性格の真純は気づかないし幸せそうなので、周りは何も気にしていないんですけどね。原作の王子と同じで、真純に一目惚れです。息を飲むのも忘れるほどに心を打たれました。原作準拠で、実は眠る彼女を永遠に自分の手元に置きたいとまで思っていました。出来ないし、理性や常識もあるので後ろめたいとも思っています。思うだけなので今のとこ無害です。毎日のようにお見舞いに来ていたのには、その辺の気持ちが関わってきます。光狩の事も可愛がってはいますが、実は真純と同じ屋根の下で暮らしていることを羨ましいと感じています。義理だと知ってからは特に……。ちなみに、王子がモデルなのに、家はお金持ちではなく普通の家庭です。
○黄江 縁(おうえ ゆかり)
七人の小人がモデルの、真純のクラスメイトの女の子です。バイト先を紹介してくれる役をしてくれました。縁を含む小人達の名前は、七人の小人が炭鉱夫だと言われていたので、宝石の名前をつけています。彼女はトパーズです。真純のクラスメイトであり、友人であることから、友情の意味を持つ、トパーズを連想させる黄を使った名前になりました。トパーズは和名で黄玉と言うそうです。縁は、トパーズが縁結びのパワーストーンと言われているところから来ています。縁は最初から貴之の気持ちを知っていて、縁との恋を密かに応援していました。最初に貴之がカフェにやってきた時も、実は縁が貴之に頼まれて、真純のバイトの日を教えてあげました。正に縁結びですね。
○七人の店員達(宝石の呼び名)
1、店長(金剛さん。呼び名はダイヤモンドですが、彼だけは皆からは店長か、金剛店長と名前で呼ばれています)
2、トパーズ(縁です。カフェだと、真純もトパーズと呼んでいます)
3、アウイン(副店長。ドイツでしか採れない貴重な宝石でネオンブルーの綺麗な宝石です。アウイナイトは非常に繊細で傷つきやすいですし、本人も繊細な性格をしています。また、彼女は真純をよく可愛がっていて、彼女のことを思ってよく泣いていました)
4、ルビー(勝気な性格で、情熱的です。ルビーが良く似合う少女です。真純達と差ほど年齢は変わりません。宝石の色は鮮やかな赤色です)
5、エメラルド(ゆるふわ系の癒しキャラです。とても優しい男の子でもあります。真純が眠りについた時もすごく心配して、縁に一番にお見舞いの件を頼みました。綺麗な淡い緑色の宝石です)
6、ヒスイ(年長者で、社員さん。しっかり者で貫禄 があります。年長者と言っても、まだ20代です。濃い緑色の宝石です)
7、オニキス(執事のようなしっかり者の男性の社員さんです。頭が良く、周りをよくサポートしてくれています。宝石の色は黒色です)
8人目の店員である真純は、純粋無垢を意味するオパールの名前を授かりました。真純は愚かなほど純粋ですし、無垢でもあります。宝石の色は鏡のような艶の白色です。
○真見 鏡(さなみ きょう)
継母の彼氏です。原作で女王が持っている不思議な鏡がモデルになっています。鏡は嘘をつかないので、真実の姿見ということで、真見鏡と名付けました。彼自身の性格も能天気で、なんでもペラペラと口にするお喋り男です。嘘をつくのが苦手なのもありますが、思ったことをすぐに口にする軽薄な男なのです。
○継母がけしかけた男達
1、真純を車道へ突き飛ばした男。紐野 締(ひもの しまる)。白雪姫の首を絞めた紐が名前の由来です。締は自首はしなかったけれど、後悔しているのか家に引きこもりました。毎日震えています。自業自得です。
2、真純を騙して襲おうとした男。櫛岡 俊(くしおか すぐる)。二度目の暗殺未遂の毒櫛が名前の由来です。自首をして捕まりました。法律とか刑法とか、その辺に詳しくないので、彼の釈放がいつになるかはわかりません。真純は生きているし、自首なのですぐに出所出来るのでは無いでしょうか……。多分。
○マンチニール(魔女)
里奈に毒花を与えた魔女の名前がマンチニールです。継母の似非魔女ではなく、本物の魔女です。りんごではないが、りんごに似た実をつけるあの猛毒の木が由来となっています。というか、そのままですね。悪魔のような思考を持つ里奈を、自分の若さを保つ薬を作るために利用しました。赤い砂は消えた後、マンチニールの手元にいき薬の材料となります。つまり、あの毒花も薬の材料になりました。継母に渡した薬も、元々はマンチニールが定期的に使っている薬です。貴重な薬彼女に渡したのは、いずれその若さも自分のものになると確信していたからなのでした。現代ファンタジーらしい、魔法…というか錬金術を使う魔女でございます。ちなみに、この原作改変キャラを作者は結構気に入ってます。
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次に、魔女のアイテム達についてです。
○マンチニールの毒花
こちらは言わずもがな、モデルは毒りんごです。ただし、イメージとしては百合の花のような大きさのものでした。りんごのように木になる類の花ではなく、地面からぽっこり生えているような花をイメージして頂けるとわかるかな…と。百合はぽっこりって感じでもないですけど……(苦笑)。この花は魔女が錬成した花なので、この世に存在するものではありません。対象の生命力を奪い、魔女の若さの薬になります。設置したらそこから範囲が自動で指定され、その範囲外に花が出たらその時点で赤い砂(薬)へと変化します。変化した砂は自動で魔女の手元にいきました。ちなみに、花が真純の生命力を奪い尽くして実を落としても、全て赤い砂へと変化します。真純はまだ若く、生命力がかなり残っていたので時間がかかります。実が落ちる前に捨ててもらえてよかったね。
○若返りの薬
こちらはモデルというか、いつまでも美しくありたい継母を唆す道具として考えられたものです。原作には登場しませんものね。魔女の愛用するこの薬を作ったのも、当然魔女です。この世界の魔女は若返りの薬を作って長生きしています。死にたくなったら勝手に死ぬ薬でも作るのでしょう。魔女はまだまだ長生きしたいので、里奈を唆して生命力を手に入れました。里奈は真純を殺すのを失敗したので、魔女が手に入れた生命力は真純ではなく、里奈のものです。今もどこかで誰かの生命力を奪おうと画策していると思います。
○里奈の行方
最後、何度鏡の家を訪れてもどこにもいない里奈は、捕まるのを恐れて逃げ出したのではなく、魔女に生命力を奪い尽くされて赤い砂になってしまいました。原作の継母も物語によっては処刑されますし、魔女は最初から代償の話をしていたので、自業自得です。砂へと変化したタイミングは、毒花が砂に変わるタイミングと同時でした。消える時のシーンも入れてみたかったんですけど、ハッピーエンドらしくさわやかに終わりたかったので、残酷描写はやめておきました。
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ここまで読んで頂きありがとうございました! あとがきだけでかなり長くなってしまいましたね。
初めの方にもチョロっとお話し後り、次に参考にしようと思っているお話は決まっているのですが、全く原作を読めておりませんので、作成までにかなり時間がかかると思います。
それでもお待ちいただけるという優しい方がいたら嬉しいです!
『童話』のような…… 朱空てぃ @ake_sora_
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