ゲームで序盤に滅ぼされる村と同様の現実に転生しました
@AnotherAnother
第1話 転生
「あなたには転生してもらうのは、ゲーム『アナザークエスト』と同じ世界です」
自称神様に告げられた言葉を理解できず、質問する。
「どういうことですか?」
「そうですね……今から転生してもらう世界をA,あなたの居た世界をBとしましょう。世界Aではこのままだと人類が魔王に滅ぼされてしまうと予想した私は、Bの世界の今後起こるであろうことを予想し、その内容をゲームとして世界Bで広め、多くの人々に知ってもらうことにしました。
あなたがフィクションだと思っていたことは現実で、あなたにはその世界に転生してもらうことした、ということです」
「普通に信じられないんですけど」
「別にいいですよ。転生したら嫌でも実感するでしょうし。時間もないので手短に言います。いいですか、神である私は世界に干渉することは基本的にできません。あまり影響を及ぼさない範囲でしか人類を手助けできないんです。例えば、私が直接人々に助言するということもできません。だから、違う世界からあなたを転生させて、そのあなたに私からの伝言を預けることにしました。あなたには親のいない孤児という設定で世界Aに送り込みます。優しい人のもとに送るのですくすく育てると思います。あなたは、ゲーム主人公である勇者だとか、主要人物に転生するわけではないので、戦う必要はありません。あなたには世界を救えだとか、英雄になれとか、そんなことは言いません。いいですか、ただ私の情報を伝えれば、あとは自由に生きていいのです。」
まだこんがらがっているなか、伝言と伝える相手が告げられた。
*
アナザークエスト。一度も死なずにクリアすのは極めて難しい、というより誰もできなかったRPG。ストーリーは魔王を討伐することを目的とした勇者一行を操作するという王道なもので、基本的には魔王軍の幹部、七大将軍と魔王を全員討伐すればクリアとなる。
もう一度繰り返すが、一度も死なずにクリアするのは難しかった。ゲームと現実は違う。一度全滅すれば、やり直すことはできない。もちろん戦闘はゲームと現実では段違いだから難易度は違いがあるかもしれないが、世界が危機に陥っているのは本当なのだろう。
戦う必要がなくてよかった、そう思わずにはいられない。
世界Aで、ノラと名付けられた彼はそう前向きにとらえ、異世界を謳歌していた。
ゲームで序盤に滅ぼされる村と同様の現実に転生しました @AnotherAnother
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