顔占い(人相術)の中国古典(神異賦)のアレンジ日本語訳と占い解説の本

顔占い14 人をバカにしたせせら笑いをする人は人情や思いやりの無い悪人です(冷笑無情 作事機深内重)

顔占（かおうらな）い・人相（にんそう）占（うらな）いは中国語（ちゅうごくご）の原典（げんてん）で（神異賦｛しんいふ｝）と呼（よ）ばれるものがあるのですが、

それを日本語（にほんご）に訳（やく）して、顔占（かおうらな）いを学（まな）んだ私（わたし）が現代人（げんだいじん）の感覚（かんかく）で内容（ないよう）をアレンジしたものを書（か）いています。

人相術（にんそうじゅつ）の古典（こてん）の現代的（げんだいてき）な解説（かいせつ）です。

(14　冷笑無情（じょうなくしてれいしょうするものは）　作事機深内重（うちふかくにてきじをかさねなす）)

「人情（にんじょう）や思（おも）いやりがまるで無（な）い感（かん）じの

　相手（あいて）をバカにしたせせら笑（わら）いやあざ笑（わら）いをする人（ひと）は

　心（こころ）の奥底（おくそこ）で悪事（あくじ）をいくつも考（かんが）えているような人間（にんげん）です」

冷笑(レイショウ)とは、誰（だれ）かをバカにして軽蔑（けいべつ）や皮肉（ひにく）を込（こ）めて

「せせら笑（わら）い」をしたり「あざ笑（わら）い」をすることをいいます

無情(ムジョウ)とは、人情（にんじょう）とか思（おも）いやりが無（な）くて

人間（にんげん）らしい情愛（じょうあい）がまるで無（な）いさまをいいます

作(ナス)とは、「つくる、働（はたら）く、起（お）こす、おこる、あらわれる、なる、」

などの意味（いみ）があります

事機（じき）は、おそらく前後（ぜんご）を入（い）れ換（か）えて「機事(キジ)」と読（よ）むのだと思（おも）われます

機事（きじ）とは、「たくらむこと、くわだてること、悪事（あくじ）を計画（けいかく）して考（かんが）える事（こと）」

という意味（いみ）があります

深(シン)とは、そのまま「ふかい」ことです、「奥深（おくぶか）い」とかの意味（いみ）です

内(ナイ、ウチ)とは、意味（いみ）がたくさんありますがここでは

「こころ」とか「内心（ないしん）」と取（と）ります

重(ジュウ、カサネ)とは、ここでは「かさねる」と取（と）ることにします

それでは詩句（しく）の解釈（かいしゃく）をしていきます

上（かみ）の句（く）の「情無（じょうな）くして冷笑（れいしょう）するものは」からです

まず冷笑（れいしょう）の意味（いみ）に関（かん）してはさきほど書（か）いたように

「誰（だれ）かや相手（あいて）をバカにしてせせら笑（わら）うこと」や

「軽蔑（けいべつ）や皮肉（ひにく）を込（こ）めてあざ笑（わら）うこと」をいうのですが

具体的（ぐたいてき）な笑（わら）い方（かた）の仕草（しぐさ）には特有（とくゆう）のパターンがありまして

冷笑（れいしょう）は冷（つめ）たい笑（わら）いと書（か）きますが一番（いちばん）多（おお）いのが

感情（かんじょう）が全然（ぜんぜん）こもっていない気（き）の抜（ぬ）けた感（かん）じの乾（かわ）いた声（こえ）で

「ハハハー」とか「ハハハ」笑（わら）うものです

このときに相手（あいて）をバカにしているイヤな感（かん）じがうっすらとにじみ出（で）ていますので

そのイヤな感（かん）じで冷笑（れいしょう）とわかります。

それ以外（いがい）にも「ハハッ」と短（みじか）く笑（わら）ったり、

「クククッ」とノドを詰（つ）まらせたように笑（わら）う場合（ばあい）もあります

最初（さいしょ）に笑（わら）い方（かた）の仕草（しぐさ）から書（か）いてしまいましたが

実際（じっさい）には笑（わら）い方（かた）が冷笑（れいしょう）かどうかを判断（はんだん）するポイントではなくて

相手（あいて）や誰（だれ）かをバカにして笑（わら）っているという「感情（かんじょう）の部分（ぶぶん）が決（き）め手（て）」なので

そこに注意（ちゅうい）して判断（はんだん）するようにしてください

相手（あいて）や何（なに）かをバカにしていないのならばそれは冷笑（れいしょう）ではないからです

次（つぎ）に「情（じょう）無（な）くして」の解釈（かいしゃく）をいたします

人情（にんじょう）や思（おも）いやりが無（な）い、人間（にんげん）らしい温（あたた）かみが無（な）い状態（じょうたい）を無情（むじょう）と言（い）います

冷笑（れいしょう）はこの無情（むじょう）の状態（じょうたい）であるかどうかが特（とく）に大事（だいじ）です

実際（じっさい）に日常（にちじょう）の社会（しゃかい）生活（せいかつ）の中（なか）で冷笑（れいしょう）のような笑（わら）い方（かた）をする人（ひと）に出会（であ）った時（とき）に

それが本当（ほんとう）に冷笑（れいしょう）であると判断（はんだん）することができる決（き）め手（て）は

その笑（わら）っている人（ひと）が無情（むじょう）なのかどうかで決（き）まります

その人（ひと）から、人情（にんじょう）や思（おも）いやりとか人間（にんげん）らしい温（あたた）かみがまるで感（かん）じられなくて

相手（あいて）や誰（だれ）かを本当（ほんとう）にバカにしているという悪意（あくい）が感（かん）じられる場合（ばあい）は

その人（ひと）は無情（むじょう）な人（ひと）なのだと判断（はんだん）していいと思（おも）います

そういう人（ひと）はおそらくですが顔（かお）が悪相（あくそう）気味（ぎみ）でもあるはずだからです

悪相（あくそう）である顔（かお）というのは、普通（ふつう）はその人（ひと）の顔（かお）をしっかりと見（み）れば

なんとなく雰囲気（ふんいき）や全体（ぜんたい）の感（かん）じからわかるのですが

たまに、あまり悪相（あくそう）の感（かん）じがしない悪（わる）い人（ひと）もいますので

そのあたりは気（き）を付（つ）けて観（み）るようにしてください

それでも言葉（ことば）を交（かわ）わすようになると

本当（ほんとう）に人格（じんかく）が良（よ）くない悪（わる）い人（ひと）は自然（しぜん）とわかりますので、それで判断（はんだん）してください

キレイな顔（かお）をしていても人格（じんかく）や性格（せいかく）の悪（わる）い人（ひと）と話（はなし）をしていると

なんともいえない違和感（いわかん）とか不快感（ふかいかん）が自分（じぶん）の心（こころ）の中（なか）で膨（ふく）らんでくるので

それで判断（はんだん）できるはずです

「無情（むじょう）であり人格（じんかく）のよくない悪相（あくそう）の人（ひと）が誰（だれ）かに対（たい）して冷笑（れいしょう）をするのが

正真（しょうしん）正銘（しょうめい）の冷笑（れいしょう）」になります

実際（じっさい）の社会（しゃかい）生活（せいかつ）のなかでは、悪相（あくそう）でもなくて無情（むじょう）でもない普通（ふつう）の人（ひと）が

冷笑（れいしょう）っぽい笑（わら）い方（かた）をすることは結構（けっこう）あるのです

ときどきいるのです「冷笑（れいしょう）みたいな笑（わら）い方（かた）」をされるごく普通（ふつう）の方（かた）が

そういうのはしっかりと区別（くべつ）できるようにならないといけません

悪相（あくそう）でもなくて無情（むじょう）でもない人（ひと）の冷笑（れいしょう）みたいな笑（わら）い方（かた）は

冷笑的（れいしょうてき）な要素（ようそ）が少（すこ）しだけある性格（せいかく）の人（ひと）というだけです

誰（だれ）かをちょっとからかいたい気持（きも）ちがいつもある人（ひと）とかですね

その他（ほか）にも「ただの口癖（くちぐせ）」とか「言葉（ことば）のあや」のつもりで

冷笑（れいしょう）っぽい笑（わら）い方（かた）をする人（ひと）もいます

また、会話（かいわ）のなかで自虐（じぎゃく）ネタをするときに自分（じぶん）のことを下（さ）げる話（はなし）の前後（ぜんご）で

冷笑（れいしょう）を入（い）れてくる人（ひと）もいます、自分（じぶん）を笑（わら）い話（ばなし）にするためにしているようです

他（ほか）の誰（だれ）かをあざ笑（わら）うような気持（きも）ちは無（な）いみたいです

こういう方達（かたたち）は突然（とつぜん）のきっかけで冷笑（れいしょう）みたいな笑（わら）い方（かた）をやめる人（ひと）もいます

なので冷笑（れいしょう）のような笑（わら）い方（かた）をする人（ひと）を見（み）たときは

はたから見（み）ただけの部分的（ぶぶんてき）な情報（じょうほう）だけで冷笑（れいじょう）だと決（き）めつけないで

その人（ひと）が本当（ほんとう）に無情（むじょう）な人（ひと）なのかどうかを注意（ちゅうい）して判断（はんだん）するようにしてください

冷笑（れいしょう）の判断（はんだん）はそこが一番（いちばん）重要（じゅうよう）なポイントになります

次（つぎ）に下（しも）の句（く）の解説（かいせつ）に移（うつ）ります

「内（うち）深（ふか）くにて機事（きじ）を重（かさ）ね作（な）す」という詩句（しく）なのですが

これは教科書（きょうかしょ）的（てき）な読解（どくかい）ではなくて私流（わたしりゅう）の解釈（かいしゃく）になります

漢字（かんじ）の意味（いみ）と私（わたし）の教（おそ）わった顔占（かおうらな）いの考（かんが）え方（かた）と

私（わたし）の経験（けいけん）をミックスして解釈（かいしゃく）をすすめていきます

まず、「内（うち）」から始（はじ）めますが、意味（いみ）がたくさんあるのですが

上（かみ）の句（く）の意味（いみ）と下（しも）の句（く）にある前後（ぜんご）の字（じ）の意味（いみ）から考（かんが）えて

この内（うち）は「こころ」とか「内心（ないしん）」と解釈（かいしゃく）するのが妥当（だとう）ではないかと私（わたし）は思（おも）います

「心（こころ）の内側（うちがわ）」という解釈（かいしゃく）でもいいと思（おも）います

次（つぎ）に「深（ふかく）」ですが、これは「ふかい」とか「奥深（おくぶか）い」でいいと思（おも）います

内（うち）とあわせると、「こころの奥底（おくそこ）で」とか「心（こころ）の奥深（おくふか）くで～」というふうに

読（よ）んでいいのではと思（おも）います

次に事機（じき）ですが、これは前後（ぜんご）を入（い）れ換（か）えて「機事(きじ)」という言葉（ことば）だと思（おも）います

機事（きじ）とは、「たくらむこと、くわだてること、悪事（あくじ）を計画（けいかく）して考（かんが）える事（こと）」

という意味（いみ）があります

機事（きじ）だとすると顔占（かおうらな）いの考（かんが）え方（かた）からみても意味（いみ）が通（つう）じるのです

「内深（うちふか）く」とあわせると、「こころの奥底（おくそこ）で悪事（あくじ）を考（かんが）えている～」とか

「心（こころ）のなかで悪事（あくじ）を企（たくら）んでいる」、などの意味（いみ）にとれます

次に「重（かさね）」ですが、これも異（こと）なる意味（いみ）がたくさんあるのですが

この詩句（しく）では他（ほか）の字（じ）の意味（いみ）から推測（すいそく）すると

私（わたし）は「かさねる」と解釈（かいしゃく）するのが意味（いみ）が合（あ）うと思（おも）うのです

「内深（うちふか）くにて機事（きじ）を」とあわせると、「心（こころ）の中（なか）で悪事（あくじ）の考（かんがえ）えを重（かさ）ねる～」とか

「こころの奥底（おくそこ）でいくつも悪事（あくじ）を考（かんが）える」という意味（いみ）と取（と）れるのです

最後（さいご）に「作（なす）」ですが、主（おも）な意味（いみ）は、つくる、ですが

他（ほか）に「作（つく）る、働（はたら）く、起（お）こす、おこる、あらわれる、なる、」などの意味（いみ）があります

文章（ぶんしょう）によって読（よ）み方（かた）や意味（いみ）が多少（たしょう）変（か）わりますが

要（よう）するに作（つく）るだと思（おも）っていればいいと思（おも）います

これを「内深（うちふか）くにて機事（きじ）を重（かさ）ね」とあわせると、

「心（こころ）のなかで悪（わる）い企（たくら）みばかり考（かんが）えている～」とか

「こころの奥底（おくそこ）で悪事（あくじ）をいくつも考（かんが）えている」という意味（いみ）と取（と）れます

私（わたし）はそのように解釈（かいしゃく）しました

なので上（かみ）の句（く）と下（しも）の句（く）をあわせた私（わたし）の解釈（かいしゃく）は

「人情（にんじょう）や思（おも）いやりがまるで無（な）い感（かん）じの

　相手（あいて）をバカにしたせせら笑（わら）いやあざ笑（わら）いをする人（ひと）は

　心（こころ）の奥底（おくそこ）で悪事（あくじ）をいくつも考（かんが）えているような人間（にんげん）です」

という形（かたち）になりました

それでこの詩句（しく）に対（たい）する私（わたし）の考（かんが）えですが

この詩句（しく）はこのまま使（つか）ってもよいと思（おも）います

間違（まちが）っていることを書（か）いていないと思（おも）いますし、

詩句（しく）の意味（いみ）はおおよそ合（あ）っていると思（おも）います

ただし注意点（ちゅういてん）があり、そのことはさきほどもくどくどと書（か）きましたが

冷笑（れいしょう）をした人（ひと）が本当（ほんとう）に無情（むじょう）な人（ひと）なのかどうか、という点（てん）が大事（だいじ）です

そこの見極（みきわ）めがしっかりとできるのであれば

この詩句（しく）の意味（いみ）をそのまま使（つか）っても良（よ）いと思（おも）います

軽（かる）いノリで周囲（しゅうい）の人（ひと）をちょっとからかうのが好（す）きな

おっちょこちょいなだけの冷笑（れいしょう）気味（ぎみ）の笑（わら）い方（かた）をする普通（ふつう）の人（ひと）と

本当（ほんとう）に冷笑（れいしょう）している無情（むじょう）な人（ひと）を区別（くべつ）できるようになることが大事（だいじ）です

ここからは余談（よだん）になりますが

普通（ふつう）に生（い）きていればこの詩句（しく）にあるような無情（むじょう）な本当（ほんとう）に悪（わる）い人（ひと）には

滅多（めった）には出会（であ）えないはずです

ですが、本当（ほんとう）に無情（むじょう）で人格（じんかく）の良（よ）くない悪相（あくそう）の人（ひと）が冷笑（れいしょう）をしているのを

見（み）かける機会（きかい）ができたのならばそのときは顔占（かおうらな）いの勉強（べんきょう）だと思（おも）って

注意（ちゅうい）を払（はら）いつつそっと見（み）て顔（かお）や全体（ぜんたい）の雰囲気（ふんいき）を覚（おぼ）えておくといいです

もしも、こういう無情（むじょう）な人（ひと）とか悪相（あくそう）の人（ひと）と出会（であ）う機会（きかい）がやたらと増（ふ）えたなと

思（おも）うことが多（おお）い状態（じょうたい）になってしまったとしたら

これまでの自分（じぶん）の生（い）き方（かた）を振（ふ）り返（かえ）ってみてください

そして自分（じぶん）の生（い）き方（かた）の見直（みなお）しを真剣（しんけん）に考（かんが）えた方（ほう）がいいかもしれません

「類（るい）は友（とも）を呼（よ）ぶ」という言葉（ことば）があります

自分自身（じぶんじしん）が無情（むじょう）や悪相（あくそう）の人達（ひとたち）に引（ひ）き寄（よ）せられているのか

無情（むじょう）や悪相（あくそう）の人達（ひとたち）が自分（じぶん）に引（ひ）き寄（よ）せられて集（あつ）まってきているのか

いずれにせよ自分（じぶん）自身（じしん）が無情（むじょう）や悪相（あくそう）の人達（ひとたち）と考（かんが）え方（かた）や行動（こうどう）が

似（に）た者（もの）同士（どうし）になってしまっているだのと思（おも）われます

最後（さいご）にここまで読（よ）んでくださった皆様（みなさま）にむけて

この詩句（しく）の内容（ないよう）と関係（かんけい）のあることを少（すこ）し書（か）いておこうと思（おも）います

私（わたし）の個人的（こじんてき）な意見（いけん）なのですが

占（うらな）いとか開運法（かいうんほう）を学（まな）んで研究（けんきゅう）してきた者（もの）として

冷笑（れいしょう）をした場合（ばあい）の運勢（うんせい）・運気（うんき）の変化（へんか）について思（おも）うことをお伝（おつた）えします

意識（いしき）して誰（だれ）かをせせら笑（わら）いあざ笑（わら）うようなことはお勧（すす）めしません

止（や）めておいた方（ほう）がよいです

悪（わる）い影響（えいきょう）が大（おお）きくて反動（はんどう）がとても強（つよ）いです

自分（じぶん）の運気（うんき）を大（おお）きく傷（きず）つけて運勢（うんせい）をかなり悪（わる）くします

自分（じぶん）の環境（かんきょう）や対人（たいじん）関係（かんけい）が悪（わる）くなります

取（と）り返（かえ）しのつかないほどのダメージを受（う）けてしまうこともあります

自分（じぶん）の発言（はつげん）や発信（はっしん）を意識（いしき）してコントロールできる方（かた）は

これを心（こころ）の片隅（かたすみ）にでも留（と）めておいてくださると

冷笑（れいしょう）の件（けん）で困（こま）ったときの手助（てだす）けになるかもしれません

ここまで読（よ）んでくださってありがとうございました

この詩句（しく）の解説（かいせつ）を終（お）わります

冷笑（れいしょう）　　　バカにしてせせら笑（わら）う

無情（むじょう）　　　思（おも）いやりや人情（にんじょう）が無（な）いさま

作（なす）　　　　つくる、なす

事機（きじ）　　　たくらむ、悪事（あくじ）を計画（けいかく）する

深（ふかく）　　　　ふかい

内（こころ）　　　　こころの中（なか）、内心（ないしん）

重（かさね）　　　　かさねる

(14　冷笑無情（じょうなくしてれいしょうするものは）　作事機深内重（うちふかくにてきじをかさねなす）)