第24話 希望反転 ③

 時を同じくして──ゲヘナビスの拠点。


「それは本当ですか?」

 下衆な声の男が真面目な言葉で部下に訊ねる。

「は!やつらの領地に潜伏している仲間からの報告です!」

「……さてどうしたものか……」

 部下からの報告に掛けていた眼鏡を指先で直して目を閉じる。


「いいでしょう、とりあえずは様子見でいきましょう──困ったことをしてくれた子には……お仕置きが必要ですねww」

 指示を出した後に小さく呟くのであった……。


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side:ロキ・ミツキ


 アオイと別れてから二人は他愛もない会話をしていた。

 そして、一通りの会話の後に、ミツキが思い悩むように目を伏せる。


「どうかした? 」

「……えっ? ……あ! ううん、なんでもないよ! 」

 そう話すミツキの目が少し虚ろになっている事に気付かないフリをした。


「……あっ!そろそろ、アオイさんが戻ってきそうだな! 」

「そうね……、えっと……もしかしたら、アオイはロキと二人で話したいと思うから、その時は私は少し離れているね……」

「わかった!でも、あまり危ない所には行くなよ」


 ロキの言葉が言い終わるタイミングでちょうどアオイが帰ってきた。

「ミツキそしてロキ君、ただいま──お話は終わった……かな? 」

「お帰りアオイ、うん、今終わったところだよ」

「ちょうど、アオイさんが戻って来る頃じゃないかと話しあっていたところでした」


「あら、そうなの? 」

「そう、だから今度は私は少し離れているね」

 ミツキの返答に「あまり、遠くに行っちゃダメよ」とアオイは諭すように言葉をかける。

 ミツキは頬を膨らせながらも「わかってるわよ……」と言葉を返して、その場から離れていく。


「大丈夫かな……」

「ミツキも子供ではないですし大丈夫でしょう、──それで、アオイさんは俺に何かお話があるのですか? 」

 困った顔をして呟くアオイにロキは答えて、本題へと話を切り替えたのである。


「それは、────欲しいの」

「……っな!どうしてですか? 」

 アオイのお願いに絶句したロキは彼女の肩に両手をおいて聞き返した。

 そんなロキの姿にアオイは目を伏せ小さく囁いた。


「あの子……ミツキは昔の記憶がないのよ……」

「──っ!? それは、……記憶喪失ってことですか? 」

「いいえ、正確には違うわ……よ、だってあの子は────なの」

「 ……っ!! 」


 アオイの言葉に驚き絶句するしか出来ないのであった……。


             第二章(完)

             物語は続く


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 第二章は一つの区切りがつきました。いろいろと、読みにくい箇所がありますがよろしくお願いしますm(_ _)m

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月明かりの裏で 篝火 @ezweb

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