第9話 魔導団からの追手
「レイターとバズをよべ」
「………」
「ここに」
団長の声に応えるかのように、眼の前に二つの影が不意に現れ跪いた。
「先ずはヨミビトの話を聞け」
「………」
「はい」
「儂の放った従魔が先程やられてしまったようじゃ、至急
ムテキの従魔を追わねば手掛かりをなくしてしまうじゃろう。場所は聖王国王都に程近いターティングの村、対象は灰色の髪青い瞳の少年じゃ」
「聞いての通り事は急を要す、団から飛竜を使わすがお主らどうする?」
老婆からの説明の後、団長からも言葉がかかる。
「………」
「せっかくではありますが、我には飛竜なみの速度を誇る
グレートビートルがありますので」
「レイターってばぁ、ちゃんと応えないと団長さまが困るからぁ。…ボクたちにも移動ようの仲間がいますのでぇ、だいじょでぇす」
バズが申し出を断ったあと、レイターがいつの間にか手にしていた子供の人形が突然喋りだした。
「ならば直ちに向かうのだ!」
「はぁーい」
「でわ」
団長の命に二人?が応え姿を消す。
「果たして手掛かりは掴めるだろうか…」
「たぶん大丈夫じゃと思われもうす。代わりの従魔を既に飛ばしており、奴らも先行を遣わしたようす、足取りを掴むのも時間の問題かと」
「ならば良いが…、問題は教皇の出方次第によるだろうな」
「…そうですな」
残された二人はそれぞれの思いに囚われ、暫しの沈黙が辺りを支配することになった。
世界 いちごはニガテ @xxitigo
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