第2話 学校説明会

4月某日、新しく入った新入生生徒会員に対して、先輩たちが


「5月の中頃に私立高校の学校説明会があって、その時に生徒が学校のことを動画と一緒に前に立って説明する時間があります。それに伴って、前に立って紹介してくれる人を募集します。」


立候補した。


特に迷うことなく、ただ単純に仕事がした過ぎて何も考えず立候補してしまった。


とりあえず、近頃それについての会議があるみたいだからそれまで待つことにしよう。


―――――練習初日。終了後。


うん。一緒に発表する先輩たちは優しそうだし、思っていたほど厳かな会議じゃなかった。


普通にお菓子とか食べながらただ楽しそうに話してただけだった。


なんか、高校って感じだったな。


何を隠そう、この俺。


中学時代、一生ラノベを読み漁り、アニメを見まくったせいで高校に対する希望が膨らみまくっていた。


その希望は入学式で潰えたが。

(美人な外国人転校生なんて編入してこなかった。現実はつらいものだ)


―――――なんだかんだあって、無事学校説明会当日を迎えた。


学校説明会では、生徒会の先輩方から学校の設備や行事などについて細かく説明していただいた。


(うん。なんか思ったよりも普通で安心した)


そしていよいよ俺の出番だ!


(よしっ!いっちょ派手に決めてやるぜ!!)


そんな訳で俺は今……盛大にやらかした。


何がいけなかったのか?答えは簡単だった。


俺が前に立った瞬間、生徒たちが静まり返ったのだ……。


いや、別にそれはいいのだが、問題はその後に起こった。


俺が緊張で噛んだのだ……。(終わったな、俺)


その後のことはよく覚えていないが、先輩方がフォローしてくれたらしい。


この一件で俺の学校生活はお先真っ暗になったのであった。


そして現在に戻る。


俺は今、学校の中庭にいる。


あの後、先輩たちに慰められながら帰宅し、布団の中で泣きまくった後だ(誰も慰めてくれなかった)。


そんなこともあり、少し気分を変えようと中庭まで来た。


そこには、同じく新入生の生徒会員がいた。

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放課後は生徒会室に @rajian

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