巻末歌
癒えることのない記憶は彼女を傷つけ、
癒えることのない寂しさは彼女を苦しませ、
癒えることのない貧しさは彼女に憎しみを抱かせ、
癒えることのない悲しみは彼女を閉じ込めた。
人よ、彼女を見捨てることなかれ、
人よ、彼女を憐れむことなかれ、
人よ、彼女を救済することなかれ、
人よ、ただ彼女のために祈り給え。
風切羽が癒えるその時まで、
透き通る空に怯えなくなるその時まで、
鳥籠に息苦しさを覚えるその時まで、
善意の行く末にある幸福を掴むその時まで。
*******
おわり
善意の行く末にて、過去に傷を持つ人間は今をどのように生きるか。 鍋谷葵 @dondon8989
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます