第6話 人影

シゲさんからの一報を 待つ間

僕は、花の謎を解くために 花の状態を毎日観察し、刑事で言えば張り込みを続けていた......


ある日

花も枯れ初め なかなか出会えない 花の人

0時過ぎだろうか 少し離れた 家と家の間の細い路地で 張り込み中の時だった。

母さんの家の前の家から 人が出てきた......

何かを持って 母さんの家の門の所で 何かしているようで

僕は、 家に逃げ込まれないように その人の家の門の前に立ち

そして

「あのー....すみません...」

声をかけた。

一瞬 肩がピクッと上がり 驚いたようで 後ろを振り返る......

すると、突然走りだし

僕も 思わず 追いかけた......


驚かせてしまったんだと思い

走りながら

「あっあのー!驚かせてーごめんなさい!怪しい者じゃ ハァハァ......ありませーん!」

息が切れる......100mくらいを

全速力で走るのは 高校の時もなかったから......苦しくて 苦しくて......もう...限界か...と思った

その時


前を走る その人は 突然立ち止まり 今度は....振り返ると 僕の方へ 向かって......きたー!


えっ!!


足が......動かない......

そして......僕の目の前に......


えっ!!

おっ......女...の子?.........

意表をつかれて......呆然と立ち尽くす状態になった僕を

その子は

「あんた誰?」

こういう展開も 想像していたけど やっぱり 突然だと 言葉が出てこないことを知った......それなのに

この子は 僕を 言葉で 追い詰めてくる......

「なんで!怪しくないって言えるの!あんた 私の家の前で何してたの?どう見ても怪しいでしょう!追いかけてくるし すみませんって声かける時間じゃないでしょ普通は! 男の癖に ハッキリ言ってみなさいよ!」


「わっわかった!分かったから...ちょっと 落ち着いて!頼むから

ちゃんと説明するから!」

僕は 一旦この子をなだめてから 経緯を話した。

話し終えると

少しの間 何か考えているのか

沈黙が続く......


「分かった!あんたは ナツメのお兄さんで、あの家があんな状態になっているのを 3Dマップで見て心配でこの町に越してきたと......ナツメと母親を探す手がかりを見つける為に......それで

私が あんたの母親の家で何かしてるって思ったから 私に声をかけたら こんな事になってしまったと」

僕は 大きく頷いた......

すると......意外な言葉を口にする

「二人共 生きてるはず......」


この日 出会ったこの子の名は

白崎 逸見(しらさきいつみ)

















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流氷 小石川弥生 @mk4677

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