第5話 情報

「シゲさん いつも すみません......いろいろと 付き合わせてしまって」

シゲさんは 初めてここに来た時に 乗ったタクシーの運転手だった

あの日 僕を救ってくれた 唯一の人 僕が ここに引っ越してきた時から 何かと力になってくれ

頼れる存在で 今日も 仕事終わりに 付き合ってくれた。

タクシーの運転手は いろんなお客さんと 関わる事が多い為 自然と情報も集まる

僕の 何十倍もの情報を 数日で集める事ができる

「いいんだよ。そんな気にしなくても、達也の頼みなら おっちゃんは 喜んでやるから......この前 言ってた 花の件の前に......少し 妙な話を 小耳に挟んだよ......伝えるけど 噂であって 真実とは限らないから 気持ちをしっかりと 持ちなさいよ」

シゲさんの言葉に 頷くと 僕の目を見て ゆっくりと話し始めた。

「まず、達也の妹さんだけど.....

とても、元気で 可愛らしく 近所の方にも しっかりと挨拶できる 評判の妹さんだったようで ただ初めの頃は 見かけていたけど 知らない間に 見かけなくなったと......

達也の母親の方も最初の頃は 妹さんを連れて 二人で買い物をする姿をよく 見かけていたらしいけど......妹さんの姿を 見なくなってから 母親の姿も あまり見かけなくなったらしい......それからかな 変な噂が流れて......」

シゲさんは 少し話し辛そうに 考え込んでいた...僕は

「シゲさん 僕は もう大丈夫だから 全部話してほしい!」

僕の訴える顔を 見て シゲさんは

「分かったよ...噂は たくさんあって

妹さんは 誘拐された...ストーカー被害にあった......虐待されている...

母親が......殺したとか......聞くに絶えない事ばかりですよ......ただ...再婚された旦那さんは 直ぐに亡くなられたみたいで あの家に 住んでいたのは 達也の母親と妹の 二人だけだったようです。

それで......花の件だけど...2年前から 誰も知らない間に 花が置かれるようになったらしく 一度だけ 深夜 家の門の所で 人影を見かけた人がいて それがストーカーの噂にも繋がったようだね」

「シゲさん......ありがとう。シゲさんに頼みがあるんだけど......

どうにか 母さんのあの家に 入る事できないかな...」

シゲさんの表情は曇り 考えているのか 沈黙が続いた......


「何があるか 分からないから......少し時間をおくれ......いい方法を考えて見るから...それまで待ってね」

シゲさんは 優しく 僕を諭してくれた...



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