第6話 薩摩狂句の例句(その2)の読み方
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
ここでは、第5話で紹介をいたしました5つの例句について、その読み方と意味をご紹介したいと思います。
狂句と唱の下の()が読み方です。
※が意味になりますが、私の解釈なので全く違っているかもしれません。
また、俳句・川柳・狂句などの意味を書くことの野暮さも理解しているつもりですが、ご参考までに記載致します。気になる方は※部分は読み飛ばしていただければと思います。
狂句 良か音で 亭主の禿頭ん 蠅を叩てっ 和田 寿美
(よかおとで てしのびんたん へをたてっ)
唱 音が良かどち 又叩てっ
(おとがよかどち またたてっ)
※夫の禿頭の蠅を叩いたらいい音がしたよ。いい音がしたので、もう一回叩こうか。
狂句 先き逝っち 決めっ保険ぬ 亭主しかけっ 池上 黒ぢょか
(さきいっち きめっほけんぬ てしかけっ)
唱 鳥兜迄い 内緒っ準備っ
(とりかぶとずい そっしこっ)
※あの奥さん、夫が先に死ぬと決めつけて生命保険をかけているよ。
トリカブトの毒も内緒で仕込んでいるんじゃないの?
狂句 赤提灯 安価すでストレす 洗れ流げっ 江平 光坊
(あかぢょちん やすでストレす あれなげっ)
唱 恐妻ん悪口っ 肴ねしっ
(かかんわれこっ さかねしっ)
※赤提灯で安くストレスを解消してますわ。恐妻の悪口を酒の肴にしてね。
狂句 子牛飼育 頑張った汗が 賞い輝っ 大脇 保子
(ぶべおやし きばったあせが しょいひかっ)
唱 記念写真も 一緒ち撮っ
(きねんしゃしんも ひとちとっ)
※子牛の飼育に費やした汗が品評会の賞につながったよ。
記念写真も子牛と一緒に撮ろう。
狂句 厄払れん 焼酎で怪我どん して帰宅っ 東 こつ風
(やっばれん しょつでけがどん してもどっ)
唱 よかざまじゃっち 女房が叱っ
(よかざまじゃっち かかががっ)
※夫が厄払いに焼酎を飲んで、酔ってケガをして帰ってきたよ。
みっともないと妻が叱っているよ。
いかがでしたでしょうか?
読み方はお考えのものと近かったでしょうか?
本来は鹿児島弁特有のリズムに乗せて、音読するとより魅力が増すのですが、さすがにそれを文章でお伝えする筆力はございません<(_ _)>。
薩摩狂句の音声的な魅力につきましては、
よろしければ、下記のyou tubeの動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=TQEV9U17Mrk
https://www.youtube.com/watch?v=cxBAFy2c1DE
https://www.youtube.com/watch?v=pZZR_6ceqGY
一体、自分は何を観ているんだろうという異世界転生感も少し味わえるかと存じます。
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