第4.5.1話「木強漢 刀ん尖端で、髭を剃っ」をどう読むか

第4話でご紹介をいたしました森艶亭の薩摩狂句


「木強漢 刀ん尖端で、髭を剃っ」


の読み方について、コメントをいただきありがとうございます<(_ _)>


この狂句ですが、


ぼっけもん かっなんさっで、ひげをそっ


と読みます。


「ぼっけもん」とは、鹿児島弁で大胆な人、豪胆な人という意味です。


句全体の意味としては、


「日本刀の先っぽを使って髭を剃るなんて、豪胆で肝の据わった人物だなぁ」

「やはり豪胆な人物は違うね、日本刀の先っぽで髭を剃ってるよ」


といった意味になるかと思います。


いかがでしょうか?

司馬遼太郎の小説に出てくる桐野利秋のような薩摩藩士、あるいは関ケ原で東軍の陣地を敵中突破した島津の武士が何となく想起されないでしょうか?


実はこの句には、県外の方が薩摩狂句を理解する際に難しいと感じるポイントが詰まっているように思います。


まず、上五は、「木強漢」という鹿児島弁の単語の読み方と意味を知っているかという点が、重要になります。知らなければ、頭から挫折します。


また、中七の「かっなんさっで」は文字になっていれば何とか意味を追えますが、音声だけ聞くと全く分からないのではないでしょうか?


え?カンナ?サッデ?は?


となるかと思います。私も多分そうなります。


次回は、この鹿児島弁のユニークさをより知っていただくべく、さらにいくつかの例句をご紹介したいと思います。

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