宇宙へ-9

 第3方面宇宙には一つの伝説がある。


 その昔、人の身でありながら、宇宙の征服を望んだガラミスの王ルーベルトは、その身の程をわきまえない思い上がりのため、地獄の蓋を開け第六天魔王ノブナガを呼び出してしまった。

 ノブナガの行くところ、老若男女、善人悪人を問わずことごとく滅び、跡には何も残らなかった。

 ガラミスに至ったノブナガは、全てのガラミスの民を連れてまた地獄に戻っていったのである。

 そしてそれを見た人々は武器を持って争う事の愚かさを知ったのである。



 セルジウス暦2866年。ラジャーリュ大学の考古学者サザール・モレは御伽話と思われていた第六天魔王の実在の証拠を発見した。 

 第3方面宇宙の第14銀河から第17銀河の間に不自然に並んだブラックホールに注目した彼は、その周辺を丹念に調べることにより、数千年前にそこを通り、艦隊戦を行った者達がいる事を証明したのだ。

 そしてその残骸の一つに織田木瓜と呼ばれる魔王の紋章を見つけた。

 更に第14銀河にある惑星の遺跡から織田信長という提督が艦隊を率いてガラミスに向かったという記録を発見したのである。

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第六天魔王〜信長転生記 チワワ大将軍 @takazawa99

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