三
その者は、戦士たちを見下して言った。
「我ハコノ星ヲ支配シタ。コノ”クリスタル”ノ力ニナッタ。イズレ”クリスタル”ハ完成シ、宇宙征服モ夢デハナイ!」
その者の言葉を聞いて理解出来た者はいなかった。しかし、戦士たちは、その者を敵として認識した。その者が邪悪そうに見えたからではなく、宙に浮いているから自分たちと異なる者として認識したのだった。オオワシの骨の者は雄叫びをあげてその者に向かって槍を投げた。その者は目を閉じ念じた。その者の周りにバリアが出現し、槍は跳ね返って穴の中へ落ちた。その者は言った。
「我ニ攻撃ハ効カナイ。既ニ勝負ハ着イタ。クリスタルノ完成ヲ共ニ待トウデハナイカ。」
やはり言葉を理解出来た者はいなかった。戦士たちはオオワシの骨の者に続いて武器を投げた。
「馬鹿ナ者ドモメ!我ニ攻撃ハ効カナイト言ッタダロウ!」
その者はバリアを張り、武器を跳ね返した。戦士たちは恐れおののいた。
「ヤット静カニナッタカ。モウスグ完成スル。何モシナイノモ退屈ダロウ。物語ヲシヨウ。ダガ、言葉ガ通ジナイヨウダカラ、直接脳ニ送ルゾ。」
その者は、目を閉じ念じた。
宇宙の彼方に、一つの星があった。その星は自然豊かで、星に住む者たちは穏やかに暮らしていた。しかし、ある時、巨大な隕石が墜落してきた。それは卵で、中から獣が次々と出てきた。その獣はどんどん大きく、凶暴になった。あっという間に、その星は滅亡の危機になってしまった。その星の者は念力を持っていた。念力で物を変化させることができた。元々自然も念力で生み出したものだった。特に強い念力を持っていた者が生き残った。その者は逃げた先の星で、念力を使った。その星を”クリスタル”に変えて、宇宙征服をするために。
その者は目を開けた。戦士たちはお互いを見るようにした。
「ソウダ。今ノハ、我ノ話ダ。クリスタルヲ使イ、宇宙全体ヲ自然豊カニ変エル。ソシテ、我ガソノ支配者トナル!」
その者はクリスタルに手を当て、念じ出した。
「クリスタルガ完成シタゾ・・・コノ星ハ無事デハナイダロウ。悪イノハ怪獣ダ。宇宙征服ノ犠牲ニナッテホシイ」
戦士たちの前に小さな光が現れた。その光は温かく優しい光だった。光は言った。
「私はこの星を救いたい。そのために、君たちの誰かと一つになる必要がある。誰か体を貸してくれる者はいるか」
細長い武器を持つ者が前に出て、光と一つになった。
「ともに異星人を倒そう」
異星人は気づいていなかった。異星人の前に、宙に浮いた細長い武器を持つ者がいた。異星人は急いでバリアを張った。しかし、バリアは細長い武器によって切り裂かれた。
「ナゼダ?我ノ念力ニ勝テルノハ、ガイア人ダケ・・・モシカシテ、ガイア人ナノカ!」
細長い武器が突き刺さり、異星人は地面に落ちた。戦士たちは歓喜して踊った。
「フ・・・我モ怪獣ト同ジコトヲシテイタノカ・・・」
異星人は死んだ。しかし、クリスタルは動き続けていた。突然、地面が揺れ出した。戦士たちは次々と倒れた。細長い武器を持つ者はクリスタルを砕こうとしたが、砕けなかった。そこに小さな光が二つ現れた。
「アグル。セブンと私も加わる。」
立っていたオオワシの骨の者と、マグロの骨の者が光と一つになった。落ちていた弓を投げ、クリスタルにひびが入った。そこに槍を投げ、ひびを大きくした。細長い武器を持つ者がひびを叩き、クリスタルを割った。しかし、揺れは収まらなかった。
「どうやら念じるしかないようだ。皆の思いを一つにする必要がある。この星を守りたいという思いを。」
戦士たちは目を閉じ念じた。すると、揺れが収まった。戦士たちが歓喜してともに踊った。しかし、すぐ意識を失った。
その後、小さな光の力で戦士たちは地上に戻った。戦士たちは記憶を失った。しかし、戦士たちの中に争いをやめて、手を取り合う者たちが現れた。その中に、マグロの骨の者、オオワシの骨の者たちがいた。小さな光はそれを見て言った。
「この星は平和だ。しかし、平和が無くならないように見守る必要がある。私は今後も見守り続ける。」
「私たち、だ。この星の者の武器を気に入った。」
「それなら私も、だ。投げ道具を体に備えておきたいほどだ。」
「細長い武器、あれは私も気に入った。腕を変形させてみるか。」
完
過去編 ソードメニー @sordmany
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