21.【ライフ・ワーク】瑞樹(小原瑞樹)さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219001491097


あらすじ(作品ページより引用)

25歳の会社員、田原智子は、作家になるという幼少期からの願いを叶えるために新人賞に応募する。しかし結果はあえなく落選。失意に沈む智子は、大好きだったはずの執筆から遠ざかっていく。

 プロを目指す人も趣味で楽しむ人も、執筆をする全ての人に捧げる作品。


※本作についての近況ノートはこちら。本作執筆の背景を書いています。

https://kakuyomu.jp/users/MizukiOhara/news/16816452219003173919



☆☆☆



第21弾です。

瑞樹(小原瑞樹)さん、ご参加ありがとうございます。

がっつりネタバレ含みますのでご注意下さい。




さて、今作は私小説です。

私小説?私小説でしょう。私小説と言えば第1弾、ヒニヨルさんの【いとしい私のメフィストフェレス】以来ですね。

今回は21弾、キリのいい所で出会うのかもしれません。

かの作品は私小説“風”でしたが。


賀東 招二という方がいます。

彼が雑誌のインタビューで『作家になりたい人へのアドバイスをお願いします』って内容に答えてたんです。

もうずいぶん昔の話です笑


内容はおぼろなんですが、「止めとけよ!ロクなことないぞ! ……まあ、止めとけよで止められない奴が作家になるんだけどな」みたいなことを言っていました。


『書かずにはいられない』から書くんでしょうね。

作家に限らず芸術って大体そんなイメージがあります。

なりたい人がなるんではなくて、ならなければならない人がなる世界かと思います。


だからこうやって気軽に作家気分が味わえる投稿サイトって一部からすごい嫌われるんでしょうね 笑


文学賞に投稿するような本気の作家さんから見て、こういうサイトってどうなんでしょう?

作品の供養とかって意味合いが強いのかな?と思います。

文学賞って基本的に非公開の作品を一ヵ所にしか応募できないので、選考落ちたらそれでおしまいで、本当に日の目をみることなく終わってしまうのでしょうし。

せっかく書いたから少しでも読んで貰えたらってこういうサイトを利用するのかな?という想像です。

で、思うように読まれなくてイライラする、ってところまであるのではないでしょうか?笑


実際のところ、私は命燃やして書いてるわけではないので、そこまで強い使命感とか焦燥感とかは持ち合わせてないです。

書くことがストレス発散にはなってますし、読まれれば嬉しいですし、読まれたくて書いてるわけですが。


ただ、逆に、こうして披露する場所が無ければ書かないと思います。実際、『小説家になろう』さんに上げてみようと思うまで、2、3作思い付きをメモしてたことはありましたけど、特に書き溜めたりしてなかったです。


だから読まれる場所があるから書こうです。

そういう意味では、順番が逆です。


思い出話をすれば、初投稿の一話目にPVが10ついてびっくりしました。10人も読んだ!って。

その後、リアクションが芳しくなくって、そこからは「さてどうすれば受けるのかな?」って考えながら作ってます。


だから、よそで書いてますが私は『PVよ増えろ!!』って思いながら書いてます。

『読まれなくても嬉しい』なんて瑞樹さんのような殊勝な心持ではありません笑


投稿サイトのいい所は何ですか?って言うと、最後まで書けなくても許されるところです。

文学賞に未完作品は送れません。


カクヨムさんはいいですね。

ロイヤリティがあるのがいいです。

実益があるというのは、モチベーションになります。


出版社の運営だから出来るんでしょうね。刈り取った後、収穫が出来ますから。

アルファポリスさんもそうですよね。書籍化した際の版権が持てるので、こうやって配れます。

小説家になろうさんは、どちらかと言えば斡旋サイトなので、刈り取られたら終わりです。


ロイヤリティプログラムを知ってからはますますゴリゴリの『PVよ増えろ』です。

目標は大きく1日1万PVです 笑


1万PV×30日で90万PV。

大体アドスコアが1.1倍なのでざっと100万。

率が3%程度なので3万円。


出でよお小遣い!!ってモチベーションで書いてます笑


遠い目標ですけどねえ。……遠いなあ。


ただ、何でもいいからPVが増えればいいやとは思ってないですよ。

面白くないとロイヤリティは続かないので、いい作品を書く必要性ってのは感じてるんです、ちゃんと。動機が不純なだけです。不純というか逆に素直というのか。


続かなくていいならバイトする方が堅実です。

ストレス発散しつつ、お小遣いよ出でよ!という二兎を追う者はとらぬ狸の皮算用スタイルです。


それはいいとして、内容の話に移りましょう。

物書きの性について真摯に取り組んだ作品の感想が俗欲に塗れてるのもよろしくないです。


丁寧な筆致でした。

『筆致』っていう感じです。書くべきを書き、書かざるべきは書かず。

寄り道せずに、起承転結でビシッとまとめる。


教科書に載りそうな作品です。


女子会部分に少し冗長性があったかな、と思います。

会話文をもう少し減らして、概要にまとめられた方がすっきりするんじゃないかと思います。


後は、もう少し、人間くささ、醜さとか、どうしようもなさ、傲慢さみたいなものが見えると作品に迫力が出るのかなと思います。


現状だと、シンデレラストーリーというか、童話のようなヒロイズムのような雰囲気が強かったです。

少し綺麗過ぎるような、自己陶酔的な印象は受けました。


敢えて省いたのか、そもそもそういうものを制作に持ち込んでいないのかは分かりません。

私の心が汚れてるだけかもしれません 笑

嘘を書く必要はないです。


物書きの因果というか、『書かずにはいられない』という強迫観念的な結論ではなくて、『書きたい』『書き続けたい』と自主的、或いは前向きな姿勢に転換されてるのがすごいな、と思います。

覚悟というんでしょうか。


嫌ならやめればいいんじゃない?と思ってる私みたいなのが感想書いていいのかと不安になるような、真剣な内容でした。

ぜひ一度ご一読を。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219001491097


改めまして、瑞樹(小原瑞樹)さん、ありがとうございました。


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