15.【夜のCDショップ】 めへさん
https://kakuyomu.jp/works/16817330663144478405
あらすじ(作品ページより引用)
常に閉まっているCDショップが、ある夜珍しく開いていた。中を覗いた主人公は、気紛れに選んだ曲の虜となる。それが破滅へと導くメロディとは知らず…
☆☆☆
第15弾です。
めへさん、ご参加ありがとうございます。
がっつりネタバレ含みますのでご注意ください。
今作はホラーです。
ホラー小説。
いつ読みましたかね?笑
最近だと、カクヨムに投稿されてるホラーの短編を二作ほど拝見しました。
書籍ではもうずいぶんと触れてません。
ミステリーもそうなんですが、ホラーも作法が厳しいイメージがあります。
構成がしっかりしてないと怖くならないんでしょうね。
鈴木光司さんからホラーにはまった友人に薦められて読んでいた時期がありました。
小林泰三さんとか好きでしたが、怖い作家さんではないですよね。ハードSFが凄いなと感心した印象があります。
乃南アサさんの『暗鬼』は怖かったです。
さて、私の乏しい読書遍歴は脇に置いておきまして、今作の感想です。
まだ未完の作品ですので、この後、どういう展開になるのか分かりません。
分かりませんので見当違いな感想を抱いている可能性があります。
さて、どうでしょう。
印象としては、構成を練って書いていると言うよりも、ワードの設定があって、そこに肉付けしていってるような印象を受けてます。
途中で話を接いだのかな?とも思いました。
ホラーって、怖い話と不気味な話があると思ってまして、今作は不気味な話に入るのではないでしょうか。
先にも書いてますが、私のホラー小説感は少し古いので、今は形が変わってるかもしれません。
怖い話って、簡単に言うと『追いかけられる話』です。
殺人鬼なり呪いなりがあって、それが命を奪いに迫って来る。それと戦ったり逃げたりするって話が怖い話です。
不気味な話って、『現実と非現実とが混じり合う話』です。
一見すると、ありきたりな風景だったはずなのに、あれ?なんかおかしいぞ?って言う異物味が出てきて、気が付くとその異物味に囚われてしまって、正気を失っているという話です。
先に挙げた作品で言うと、鈴木さんは前者、小林さんと乃南さんは後者ですね。
どちらも共通しているのが、じりじりと追い詰められていく感じというのが怖さではないかと思います。
これが、どーんと来て、パーンとぶち当たる感じだと、パニック、とか、スプラッタとかになると思います。
ゴジラが暴れている作品は、ホラーではないですよね。
ジュラシックパークはホラー感がありますけど、ジュラシックワールドはパニック感が強いです。
この『じりじりと追い詰められていく感じ』というのがホラーをホラーとして成立させている要素ではないかな?と思うんです。
今作の話に戻りますが、主人公は普段開いていいないCDショップが開いているのを見かけて、興味本位で店に入り、一枚のCDを試聴したところ、その音楽の虜になってしまい、生活が崩壊するという展開です。
あらすじをもう一回書いただけになってますが、このあらすじの内容ってとてもホラーっぽいです。
CDの音楽に魅了されて、段々と生活が破綻していくっていう映像を作ったからだと思います。
それが、今作の凄い所というか、斬新なところというか、CDと出会った瞬間に、もう価値観ごと生活が一変するんです。
しかも、その変化を周囲が割りと受け入れているような雰囲気とかがあって、受け入れているというか、諦めが早いというか。
結構、本人も新しい自分を気に入ってて、その生活を満喫してる風もあるんです。
なので、ホラー小説でよく感じる「じりじり感」があんまりないんです。
これはどういう仕組みかなと思ってたんですが、当て嵌まるのがあったんです。
投稿サイトのいわゆるテンプレスタートの形がこうなんですね。
ホップ・ステップ・ジャンプじゃなくて、ジャンプから持って来て、その後は、違う競技を始めてしまうっていう形がテンプレスタートの形です。
婚約破棄されるストーリーは要らなくて、婚約破棄されるところから始まる。
婚約破棄されて自由になったから、発明家になってやる。
冒険者としてやってきた部分は要らなくて、追い出されるところから始まる。
もう冒険者やりたくないから、国を興してみた。
配信者としての活動は割愛して、バズったところから始まる。
急にモテ始めたので、楽しく暮らしてみる。
こういう形です。
ホラー小説をこの形式で書くと今作のような形になるではないかと思います。
「なんかおかしくないか?」「いや、やっぱりおかしいぞ?」「もうダメだろ!」ってクレッシェンドで進むんじゃなくて、「いや、おかしい!!」でスタートを切る。
そういうまさしく投稿サイト的な構成で、投稿サイトにホラーを投稿されていると思います。
さて、そんな今作、ぜひ一度ご一読を。
https://kakuyomu.jp/works/16817330663144478405
改めまして、めへさん、ありがとうございました。
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