12.【Guardian.】指揮最上級上等兵曹さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452221037101641

あらすじ(作品ページより引用)

第三次世界大戦を経験した世界は、突如として現れた超常の力を有した人間──特異体質者の迫害に立ち向かうレジスタンスと、それを鎮圧する治安部隊との内戦で治安悪化が深刻化していた。


西暦2032年・日本。冬島家代理当主・冬島紗耶はある調査のために収容所へと赴き、記憶を失った特異体質者で少年兵でもある諏訪匡臣と出会う。


だがその出会いはそれぞれの過去が交錯し、諏訪と紗耶はそれぞれの目的を遂行する為に混迷した争いへ次第に身を投じていく事となる。



☆☆☆



第12弾です。

指揮最上級上等兵曹さん、ご参加ありがとうございます。

がっつりネタバレ含みますのでご注意下さい。





今回は第二章まで読みました。


異能、銃声、火薬に血の匂いが満ちた世界の物語ですね。

こういう世界で主戦力が子どもだと、大人は一体何をしているんだろう?という疑問が先に出て来ます。


子どもって結局、身の振り方を自分で決められないわけで、子どもが参戦している状況ってつまり、大人が子どもに対してそういう進路を用意している社会を作ってるって言うことなんです。


つまりこの状況の中で、主人公やライバルがどんなにか頑張って、それこそ命がけで戦ったところで、本質的には檻の中の話であって、真実救われる、報われるっていうことは起こりえないと考えるんです。


子どもとして描かれてる以上……例えば何かの変異で平均寿命が30歳とかになってると、15歳はもう大人として扱われますから、子どもとしては描かれないですよ……どういう展開になるとしても凄惨でやるせないなという感情が先に出てきます。


さてはて、そんな渇いた感想は置いときまして、掘り進めて行きたいと思います。



読み始めて真っ先に思ったことです。

固有名詞が多いです。

銃とか兵器とか、実在する武器の名前が使われてます。

凄い知識量だなと感心します。

たぶん、この場面で使うのはこういう性能のあるこの銃、とかって意味があるんでしょうね。

こだわりとか熱量って大事です。


そして、同時にその意味が通じる人にしかよく分からないという面があります。

私はミリタリーとかガンとか、嫌いではないんですが、造詣と呼べるものは全く持ち合わせていないので、ビジュアルイメージはほとんど浮かびません 笑


書き出しの辺りにもいろいろ出てきます。


UH-60JAブラックホーク。

これはすぐ後にヘリだって説明がありますね。

ただし、これがどんなヘリコプターかは分かりません。

プロペラが二枚?ついてるやつなのか、一枚のやつなのかも分かってません。


ドアガンナー。

ガンナーでドアですから機銃を打つ人っぽい雰囲気がありますね?


プレートキャリア。

……なんかこう、武器を携帯するためのホルダー的なものでしょうか?


という感じで、ごめんなさいディティールはほとんど掴めてません。


ただし、これが分からないと読めないってことは決してないです。

文脈の中で、これは銃っぽいな、とか、なんか防具的な装備なんだろうなとかも推測は出来ますし、アクションの描写も、緊張感もしっかり伝わってきます。

実際、知らなくても第二章まで読んでますから大丈夫です。


ただ、こういうディティールが伝わる人の方が、もっと楽しく読める作品であろうとは思います。


9mm弾とか5.56mm弾とか、意味が分かると緊張感とか、すごさとかがもっと伝わるんだと思います。

4130クロモリ鋼はどんなものか知ってると、えげつないの持ってんなぁ!!ってテンションが上がるんだと思います。

私には、なんか凄いんだろうなあが精一杯でしたが 笑


その反面、『なにやら凄そう』が伝わる表現力があるっていうことでしょうね。

固有名詞の威力と権威だけで成立させてたら、何書いてるか分からなくなりますから。


ただやっぱり難しい所です。

いちいち説明を入れるとテンポが悪くなりますし、それでも説明を入れたところで、その武器を選択した本懐はまず伝わらないでしょうし。

じゃあ分かる人だけに刺さればいいや!っていうのも選択の一つです。

ペンネームにすでに、『刺さりそうなヤツ掛かって来いや!!』って気勢がありますし。



後、個人的な好みの話をすれば、せっかくの近未来――10年ほどですが――なので、もう少し近未来的な小物が出てもいいのになとは思います。


例えば、スマホとスマートウォッチ。

10年後まだスマホなんですかね?

ウェアラブルデバイスとか普及してないですかね?

眼鏡型で、画面を見なくても視界にARで表示されて、視線による操作が可能とか。


物理的に直接会いに行かなくてもメタバースやVR空間で成立しちゃうのが普通で、直接会いに行くとか前時代的、みたいな時世になっているとか。


第三次世界大戦が起こってますから、技術革新とその波及は今の世界線よりも加速してるんじゃないかと思います。そういうSFじゃないんですけどね。



さて、ミリタリーが好きな人や異能が好きな人にはぶっ刺さり、両方を混合した世界観が好きだって方は脳汁が溢れるんじゃないかと思います。

ぜひ一度ご一読を。


https://kakuyomu.jp/works/16816452221037101641


改めまして、指揮最上級上等兵曹さん、ありがとうございました。


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