おさななじみ

はるむら さき

おさななじみ

「なんだろうなぁ」

目の前には、君の淹れてくれたコーヒー。

ふうと、冷ましてもまだ少し熱くて、猫舌の僕は傾けたカップをテーブルの上に戻す。

それから君の目を見て、僕はへたくそに笑う。

「夢から覚めた気分って、たぶんこういうことかな」

「でしょうねぇ」

カップから立ち上る湯気の向こうで、なじんだ顔が軽く微笑む。

昔からそうだ。君はいつも、僕のことをすべて分かっているように笑うんだ。昔から…。


たった五分前、初めて会ったばかりなのに。



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おさななじみ はるむら さき @haru61a39

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