エピローグ

「ここは……どこ?」

「おっ! 起きたね。明美ちゃん」

(うん、顔色も良さそうだ)

 夏の良く晴れた日の病室、明美が目を覚ますと、当摩他数名の人がいた。オカ研メンバーだ。


「よかったわね。明美ちゃん、あたしどうなることかと思った」

 梨花がほっと胸をなでおろす。

「そうだ……わたし、女のバケモノに襲われて……それから……何か酷い夢を見ていた気がする」

「ブラッディ・マリーに血を吸われて、吸血鬼化してたんだよ。明美ちゃんは」

「えっ! そうだったの?」

「でも、ブラッディ・マリーは倒して、呪いも解いたから、もう大丈夫」

 当摩は笑顔でそう言った。


「うっすら覚えてる。わたし血が吸いたくて、でもそれはダメだって我慢して、当摩君が抱きついてわたしを止めてくれて」

 頬を染めて、潤んだ瞳で明美は当摩をじっと見た。


「おおっ! 明美嬢は無事だったか、やれやれこれでやっと通常勤務に戻れるわ」

 アリスが笑みを浮かべながら病室に入ってきた。続いて無感動顔のエリゼも入ってくる。


「アリスさんとエリゼさんはもう本国へ戻るんだったっけ?」

合衆国魔術協会USWSの仕事も溜まっておるしな」

「わたしもアカデミーの仕事が溜まってる。日本のラーメンも恋しいけど、行かなくちゃ」

 ちなみにエリゼの好きなラーメンは、背油ニンニクごってりの二郎インスパイア系のラーメン、その中でもとびきり癖の強い消化困難なラーメンだ。

 ちなみに神奈は見ただけでキレた。しかし食べ物は無駄には出来ないと、スープまで完食し、その日一日機嫌が悪かった。


「たとえ遠く離れた場所にいても、異世界グレイルに行けば会える。そうじゃろ?」

「うん、そうだね」

「これから当摩を、ビシバシと鍛えなきゃだし、あなた達も協力しなさいよ」

「まあ、わらわと協力しているエルフにとっても、エリゼの異世界正規軍シルバーナイツにとっても魔王討伐は悲願、もちろん手を貸そう」

「わたし、まだ当摩君と寝てないし、処女膜再生して破瓜血を捧げてあげる」

「わたしの当摩に変なことしたらただじゃおかないわよ」

 神奈は腰に手を当て、ビッとエリゼを指さす。


「エ……エリゼさんとエッチ……」

 当摩はゴクンと喉を鳴らした。すかさず神奈とエリカがジトっとした目で当摩を睨む。


「まあ、そう目くじらを立てんことじゃ、英雄色を好むというように、異世界での魔力上げにセックスは欠かせん。これまで以上に夜のほうも気張るんじゃ少年」

「う、うん」

「当摩のエロさは底なしだから……仕方ないと言えど」

「わたしも性奴隷として、日々頑張っていますが、当摩君の精力は底なしなんです」

 ヤレヤレ、とその場のみんなが思った。


「でも、エリカが一番当摩とエッチしてるわよね?」

「それはわたしが当摩君の性奴隷なんですから、仕方のないことです。神奈ちゃんも週末は必ず二人でデートして、エッチしてるじゃないですか」

「当摩はわたしの男なんだから、当然でしょ」

「独り占めはよくないよ~当摩君はこの世界で重要な任務を与えられた存在なんだし、世界皆のモノ? 的な存在じゃない?」

「そう言う梨花もちょこちょことつまみ食いしてるわよね」

「えっ⁉ う、うん。同じ部活の仲間として? 軽いスキンシップだよね」

(なんだか、悪い予感がする……ここは脱出すべきっ!)


「あっ、逃げた」

「ちょっと、待ちなさいよ」

 女子軍団が一斉に当摩を追いかける。それを見て、アリスは大口を空けて笑っていた。


 ――終わり。

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ゲームブックで楽々異世界転移~クラスメイトが最強魔女っ娘で世界征服を企んでいるんだが~ @bulls-ai

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