エピローグ
雨に濡れる。
骨が冷えるような感覚に身を任せながら、美奈子はジャージをずぶ濡れにして、空を見上げた。
無論、そこにはどんよりした雲に覆われた空がある。
白息を吐きながら、目を細める。
雨の雫の間に何か見える気がした。
「……はは」
美奈子は笑う。
何がおかしいのか全くわからないが。
ふと思う。
太陽が雲を晴らして雨を止ませるように自分にも真っ当にならなければならない日が来るのだろうか。
唐突に空が明るくなる。
見上げると雲の切れ間から光が差し込んでいた。
ぼうっと空を眺めていくとみるみるうちに晴れていく。
天気予報では昼から晴れだった。
「だよねえ」
今は見事なまでの天気雨だった。
鼻歌を始めて水たまりを蹴る。
今日も、神崎美奈子はつかれている。
神崎美奈子はつかれている 月待 紫雲 @norm_shiun
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