第125話
今日は1月1日。元旦だ。
昨夜はひなと通話しながら年を越し、そのままひなが寝るまで通話していた。
元旦と言えば初詣なのだが、うちの両親は人混みが嫌らしいので毎年日をずらして初詣に行く。
つまりは今日は初詣にはいかない。しかし、用事はある。
それは親戚の集まりというものだ。
今日はおじいちゃんの家に集まって寿司とピザと何かしらをとってひたすら飲み食いするだけ。
こういう集まりとかは苦手だけど、賢治と姫華もいるし、退屈はしないだろう。
フル充電したモバイルバッテリーもバッグの中に入れて準備は万端だ。
おじいちゃん家についてすでに到着していた姫華たちと一緒に映画を見て早2時間。
正直言ってとても暇である。
いつもより少し贅沢なご飯は良かったけど、近所には遊べる場所なんてない田舎だし、こうして映画を見るか駄弁るかしかやることがない。
お年玉ももらったし、もうここでやることなんてない。
だが、親が言うには晩ごはんもここで食べるらしく、暇で仕方がない。
こんなときはひなの成分がとてつもなく欲しくなるが、今日はひなも出かけるらしいし、きっとメッセージを送っても気づかないだろう。
「ねぇ〜綾華ちゃあ〜ん…ひま〜」
そして私以上に暇を持て余しているのがこの甘やかされた姫華。
ずっと映画を見ていたけど、見ていた映画もついにはエンドロール。
ここはWi-Fiも弱いし、スマホをそこら辺にほっぽりだして完全に怠けているようだ。
「姫!俺とトランプするか?」
「しなぁ〜い」
「そうか…」
すごすごと帰っていく大型犬もとい賢治を眺めながら、誰もいなくなったベッドに寝転ぶ。
「ちょっと寝る」
「えぇ〜…じゃあ私も寝よっと」
シングルベッドに女子高生が2名、狭い。
今が冬だからまだ耐えられるかも……ていうか姫華体育の後の女子更衣室の匂いがする。やたらと甘いあの匂い。
あぁそうだ…思い出した…。姫華って寝相悪いんだよね…。
「…………」
「…………」
あと賢治がすんごい羨ましそうに見てくるのが気まずい。いくら双子でも男女なんだしそろそろ妹離れしろよ…。
絡まった赤い糸 ゆー。 @yu-maru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。絡まった赤い糸の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます