執筆中にやってくる原因不明のモヤモヤ。その正体とは

 いよいよカクヨムコンが目前に迫ってきましたね。

 参加するみなさん、進捗はいかがでしょうか。


 エッセイ・創作論界隈も、カクヨムコン一色になりつつある中、カクヨムコン関連の記事が猛威を振るい盛り上がりをみせていましたね。そして現在、少し落ち着いた頃合いでしょうか。嵐の前の静けさとも言えますね。


 そんな中、まったく関係のない記事を書いている私は、異端児なのかもしれません。まるで、サッカーのワールドカップが開催され、日本中が盛り上がる中、一人だけプロ野球を観戦しているかのような異物感があります。


 とはいえ、ここで流行に乗るようなタイプだったら、とっくにテンプレを書いていたと思います。エッセイでもマイペースで行かせてもらいましょう。


 今回のテーマは「原因不明のモヤモヤ。その正体とは」です。


 書いている途中で、なぜかモヤモヤっとしたことはありませんか?

 何かが引っかかる。でもその何かがわからない。そんな経験、ありませんか?

 個人差はあるかもしれませんが、私はよくあります。


 このモヤモヤ、実は大事なサインだと思うんですよね。

 要は、無意識のうちに自分自身が発している警告なのではないかと。


 どういうことか?


 これは私の経験則ですが、モヤモヤが発生する時って、ストーリーやキャラクターの言動に矛盾が発生じていることが多いんですよ。

 ……と、これだけじゃ伝わらないと思うので、詳しいケースを一つずつあげていきますね。


 ①作者である自分は、誰よりも深く登場人物たちを理解しています。しかし、ストーリー構成上(プロット通りの進行をすると)、キャラクターの性格を無視して話を進めてしまう場合があります。この時、「このキャラクターはそんな行動をしない」と、無意識のうちにブレーキがかかる――だからモヤモヤするのではないか。


 対処方法

 ・キャラクターの性格に合わせて矛盾した箇所を修正する。


 例)石橋を叩いて壊すぐらい慎重な主人公が、なぜか突然やる気になって危険な戦地へ赴く。(慎重な主人公の性格からしてありえない行動)


 改善案1)嫌がる主人公をヒロインが無理矢理戦地へ連れていく。(外部の力によって、無理矢理連行される形なら、主人公の性格と矛盾しません)

 改善案2)ヒロインの命を救うため、などの主人公を動かすに足る強い動機を用意する。(主人公が守銭奴なら、報酬目当てとかでも可)



 ②あるいは、ストーリー展開に無理がある場合にも、モヤモヤすることがあります。プロットであらかじめ決めておいたとしても、実際に書いてみると合理的じゃないこと、整合性が合わないこと、納得がいかないことってありますよね。


 対処方法

 ・無理のないストーリーに修正する。


 例)聖剣で魔王を倒すというプロットだったとする。が、ストーリー上どこにも聖剣の存在が示唆されておらず、突然手に入れた聖剣で魔王を倒してハッピーエンド。(これ、作者からすると予定調和なので違和感はないのですが、読者からしたら唐突すぎてポカーンとなりませんか? 読者目線で見たときに、おかしいことを無意識下に自覚していると、モヤモヤするんじゃないかな)


 改善案)聖剣の存在をあらかじめ提示し、ストーリーの中にも聖剣が重要であることを描写する。そうして十分に読者へアピールした上で、苦労の末に聖剣を手に入れるようにストーリーを変更。下地を作った上で、聖剣を使って魔王を倒せば、読者も作者(自分)も納得するはずです。



 ③もしくは、ストーリーに無理や矛盾がなくとも、単純に面白くないなどの理由でモヤモヤする場合があります。はっきり言って、このケースの改善は極めて難しい。


 そもそも本当につまらないのかどうかは、実際に投稿してみないとわかりません。 昔聞いた話になりますが、ツマンネ病というものがありまして、これはプロでさえ発症することがあるそうです。というのも、作者はすべてのストーリーを知っていますから、何度も推敲する過程で飽きちゃうんですよね。そうすると、陳腐なストーリーに見えてしまう。どんなに奇抜なストーリーであったとしてもです。


 本当に面白いのかどうかは、投稿(発売)してみるまでわからない。しかしそれでも、一度納得がいかなくなると改善したくなりますよね。その場合は、根本的なプロットの見直し、大幅な改稿が必要になるかと思います。


 対処方法

 ・プロットの根本的な見直し。

 ・大幅な改稿。加筆。



 ④その他としては、文章がうまく書けていない場合にもモヤモヤします。書いている時は違和感がないのですが、俯瞰ふかんして文章を読んだ時に、なにかがおかしいと感じる。そしてそれは多くのケースで、文章と文章がうまく繋がっていない場合や、説明をうまくできていない場合に発生します。


 自分で書いた文章は、自動的に脳内で補完処理がされるので、文章と文章は繋がっているように見えるし、説明もうまくできているように見えるんですよね。でも、実際は違う。だから違和感を覚えるし、モヤモヤするのではないでしょうか。

(実は今、このエッセイを書いていてモヤモヤしているのですが、もしかすると説明がうまくできていないのかもしれませんね)


 対処方法

 ・何度も推敲して文章を整える。

 ・日を空けて推敲すると違和感に気付きやすい。



 ここまで四つ、モヤモヤする原因をあげてみました。


 もちろん、原因に見当がつけばその原因を直接潰すんですけど、厄介なことに原因がわからないことも多いです。なにせ無意識による警告ですし、今あげた四つ以外にも原因はあるでしょうから。


 なので私は、納得がいかなくなったら一度全部消して、まっさらの状態にしてから書き直すようにしています。するとあら不思議! 書き終わる頃には、納得のいくものに仕上がっている、なんてことも。

(削除と書きましたが、バックアップはきちんと取りましょう)


 そしてなぜこんなことを、ここまでクドクドと書いてきたのかと言えば、現在進行形で、今まさに詰まっているからです! モヤモヤするぅ!!!


 言うは易く行うは難し、ですね。


 ですが幸運なことに。モヤモヤしている原因はわかっています。

 しかし、これは書き直しでどうにかなる類の問題ではありません。


 長くなったので、それはまた次回に説明しましょう。

 ではでは。

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