あらすじの書き方(工夫した点など)

 私はあらすじを書くのが苦手です。

 要点を短くまとめるのが苦手で、小さい頃から作文も書けない人間でした。


 そんな訳でWEB小説でも、あらすじを書くとなった時に正直「うっ……嫌だな、面倒だな」と思ってしまいます。


 毎回そんな状態だから、今回あらすじをきちんと書くのに四苦八苦しました。何度も書いて消してを繰り返し、今の形になっています。正直、自信がないので恥ずかしいのですが、それも含めての当創作論なので、恥を忍んでお見せしましょう。

(※以下は、異世界ファンタジーを想定しています。他のジャンル、特にミステリに関しては該当しませんのでご注意ください)


 さて。


 まず、一番大事なのは、ストーリーの要点をまとめることではありません。

 大事なのは、読者の興味をいかに引くかです。


 ですので、ストーリーの要点をまとめつつも、読者が好んでくれそうな物語のアピールポイントを書くことにしました。


 皆様、あらすじでネタバレをしたくないと思っていませんか?

 実は私もそうでした。


 そしてネタバレを防ぐためにふわっとした説明になってしまっていませんか?

 以前の私もそうでした。


 しかし、一読者側に回ってみると、ふわっとした説明では興味を引かれないことがわかります。ですので、私の結論はこうです。


「ネタバレも含めて、読者の興味を引けそうな内容は惜しまずに出すべきだ」


 あ、これはもちろん長編の話ですよ。短編でオチばらしたら駄目ですからね。


 なので私は、一章の内容をそのままあらすじに書くことにしました。その際に極力、読者がうんざりするような説明の類は抜いて、興味を持ってくれそうな部分だけを書くように意識しました。


 読者が興味を持ってくれそうな部分って何だよ、と思われましたか?

 目を瞑ってイメージしてみてください。あなたが他作品を読んだ時、何にワクワクしますか? 何を楽しいと感じますか? それが「読者が興味を持ってくれそうな部分」です。(感性が大衆とズレていると私みたいに苦労するかも)


 とりあえず、私の書いたあらすじを見て頂きましょう。



 ――――――――――――――――

男女比1:5で生まれてくる種族である龍人。そんな龍人族の運営する学園――名門・中央学園へ入学を果たした主人公を待っていたのは、魔術適性なしという厳しい現実だった。そのまま彼には無能のレッテルが張られ、教師や生徒たちから蔑まれることになる。


しかしそんな彼だが、誰にも負けない剣術の才能を持っている。その埋もれた才能に誰よりも早く気付いたのは才色兼備な公主様だった。そして公主様から挑まれた決闘に勝利したことで、その実力を認められ、好意を抱かれることになる。そしてこの公主様、超がつくほど有能な人材だった。公主様が選ぶ選択はすべて「最善」なもの。彼女の献身によって自動的に成り上がりルートへ入ることになる。


そして公主様曰く、龍人は群れを作って生活する種族らしい。男女比1:5。必然、それは一夫多妻制のような形式をとる。


「安心しろ。妃は厳選して優秀な者を集めてやるからな」


自信満々にそう宣言する公主様。頼んでもいないのに勝手にハーレムを作ろうと画策しだすのだった。

 ――――――――――――――――



 これは一章のあらすじで最後のオチまで書いています。

 オチまで書くのはどうか、と思われるかもしれませんが、ここはタイトルとキャッチコピーで明示している部分なので問題ありません。むしろ積極的にアピールした方が読者の興味を引けると思うんです。


 全体的に成り上がりものの王道要素、テンプレ要素を散りばめてあります。

「魔術適性なし」「無能」「蔑まれる」「実は実力者」「ヒロインだけが気付いてくれる」「力を誇示し、ヒロインに惚れられる」などになるでしょうか。


 また、冒頭を男女比1:5と記述することで、ハーレム設定を匂わせ、読者の興味を引く狙いがあります。このあらすじを読んでいる時点で、タイトルとキャッチコピーには目を通しているはずなので、これは有効だと判断しました。


 あらすじを書く際には、アピールポイントである「公主様が勝手にハーレムを作ろうとする」ところまで、どうやって至るのか――最小限の設定を交えて、簡潔にまとめるように努めました。


 とはいえ。


 私は設定を語るのが大好きなので、無駄な説明を削るのに苦慮しました。私が思っている”面白い”と読者の思っている”面白い”は別にあるのだと自分に言い聞かせて、削りに削りました。


 そしてここがなのですが、必ずしも


 例えば、「魔術適性なし」という文言。本文を読んだ方ならわかると思いますが、これは正確な表現ではありません。正確には「適性属性なし」となりますが、これを書いても読者はピンと来ませんし、その説明をしようとすると長くなってしまう。だから、直感的にわかりやすい「魔術適性なし」と表記しているのです。


 例えば、「一夫多妻制のような形式」と表記していますが、これも実際の設定とは異なります。しかし、つらつら長々と設定を書くわけにはいかないので、直感的にわかりやすい近い言葉を選択しました。


 例えば、主人公の名前は麒翔と言いますが、当て字なので初見でこれを読める人はなかなかいないと思います。なので、あらすじの本文中には名前を書かずに「主人公」とだけ記述しています。


 登場人物の名前が読めないとブラバ要因になる、というのは有名な話です。中華系のファンタジーが振るわないのも、これが一因でしょう。

 そしてあらすじにはルビを振れませんので、麒翔と記述することでブラバされる可能性がでてきます。だから、それを回避するために主人公としてあるのです。


 また本文中ではこの問題を解決するために、読者が覚えてくれるまで(具体的には一章の間はずっと)主人公の名前へ常にルビを振っています。また二章以降も、各話の初回登場時にルビを振っています。これは主人公の名前が難読である以上、必須な作業だと言えるでしょう。(もしも私の作品を読んでくれている方の中で、二章以降も小まめにルビを振ってほしい方がいたら教えてほしいです)


 あと、勘違いしてほしくないんですけど、あくまで近い言葉で代替しているのであって、嘘は書いたら駄目ですよ。読者の期待を裏切ることになってしまうので。


 と、こんなところです。読者が好みそうな要素を取り入れつつ、文章から無駄を削ぎ落したのが現在の形ですが、こうして見てみるとテンプレっぽくなっていますね。テンプレ作品を真似ようという意図は全くなかったのですが、厳選した結果、自然とこのような形に仕上がった。なんだか不思議な気分です。






 とりあえず現時点において、ブラバ率が高い問題はさておいて、フォロー率自体は高い状況が続いています。ですので、タイトル&キャッチコピーのみならず、あらすじに関しても一定の成功は収めているものと判断しています。





 現在のランキングは以下のとおりです。あと一息ですが、ここからは前週の評価を上回るポイントを稼げなければ上がっていけません。正念場ですね。


 2024/2/22(木)

 異世界ファンタジーランキング(週間):161位

 総合ランキング(週間):279位


 投稿初日より、毎日のフォロー数、★数、PV、ランキングの順位を記録しております。どの程度のポイントを取れば、どのぐらいの順位に収まるのか。ご興味がある方もいらっしゃると思うので、その内公開しますね。

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